FLY ZOO HOTEL
アリババのショッピングモール「亲橙里」のすぐ南側には、アリババの直営ホテルがあります。

ホテルの名前は、「FLY ZOO HOTEL(菲住布渴酒店)」。
外見はモダンな普通のホテルです。

入り口には、ホテルのキャラクターでしょうか?
これって、猿?

入り口を入ると、正面にスクリーンがあって、渦巻きのような演出が・・・
エントランスはずいぶんシンプルです。

フロントの人はおらず、セルフチャックインの端末が6台置いてありました。

このホテルではルームキーになるのは、客の顔。
エレベーターに乗るのも、部屋に入るのも顔認証だそうです。
フロントのチェックイン機でまず顔を登録するところからホテルライフが始まります。

チェックインが終わると、エレベーターへ。
通路はまるでSF映画のようです。
私はこのホテルに宿泊していないので、エレベーターには乗れません。

通路の奥にあったのはロボットが調理をしてくれるクッキングマシーン。
日本の「変なホテル」のパクリです。
いいものは何でもパクる、このハングリー精神がアリババが生き残りここまで成長した理由なのでしょう。
ETシティブレイン
小売からホテルまで。
でも、アリババが目指すのは、そんなレベルではありません。

アリババは今、都市問題を総合的に解決するためのプロジェクトを手がけています。
創業の地、杭州市と全面的に組んで未来の都市作りの実験を行なっているのです。
その中核となるのが、「ETシティブレイン」というAI。
この人工知能を使ってリアルタイムの都市データを分析、渋滞解消など都市の課題解消を目指しています。

2017年から実証実験を始め、今では市内3600箇所の交通監視カメラを「ETシティブレイン」につなぎ、1300箇所の信号をコントロールしているといいます。
中国の街ではつきものの交通渋滞ですが、今回の杭州旅行ではほとんど遭遇しませんでした。
これも「ETシティブレイン」のおかげなのでしょう。

杭州のシンボル、世界遺産「西湖」。
若き日のジャック・マー氏は、この湖のほとりで外国人観光客をつかまえては英語を磨いたといいます。
英語の翻訳で事業を始めたジャック・マー氏は、アメリカでインターネットに出会い、中国の中小企業を世界に紹介するビジネスを立ち上げます。
それから20年。
ジャック・マー氏はずっと杭州に拠点を置いたまま世界的企業を育て上げました。

そのジャック・マー氏が今年アリババの経営から退きました。
でも彼は、ベンチャー企業や起業家の育成に熱心で、来年2020年には、杭州に「湖畔大学」というビジネススクールを開業するといいます。
杭州師範大学卒業後、一時期教師をしていたマー氏は、母校で行なった講演で「人生で大切な3つのこと」について話しています。
- 世界を楽観的な目で見ろ
- 自分の頭で考えろ
- 必ず本当のことを言え
シンプルですが、とても示唆に富んだ教訓です。

ジャック・マー氏が築いたアリババ城下町を歩くのに時間を使いすぎて、杭州名物である「西湖の夕日」を見損なってしまいました。

帰りに乗った地下鉄5号線。
派手な車内広告に驚きました。

アリババが地下鉄をジャックしていました。
国家主導の経済政策を強化する中国の中で、ジャック・マー氏がいないアリババがどこへ行くのか?
杭州のアリババ城下町は、中国経済の現在と未来を知る上でとても面白い場所だと思いました。