「北朝鮮危機:韓日抜きの米爆撃機展開、狙いは何か」という記事を朝鮮日報が掲載した。
日本のメディアでは「韓日抜き」というような表現は聞かなかったので、ちょっと気になった。この記事を引用する。
『 米軍の爆撃機と戦闘機は23日夜、東海(日本海)の北方限界線(NLL)の北側にある公海上に展開した。米軍の爆撃機が軍事目的でこの空域に入ったのは6・25戦争(朝鮮戦争)以来初めてだ。米国が新たなタイプの強硬な武力アピールに出たと言える。特に韓日空軍の戦闘機が参加せずに米軍機だけで作戦を展開したことは、米軍が最悪の場合には独自に北朝鮮に対する軍事行動を起こすこともあり得る点を示したと受け止められている。』
アメリカはいざとなれば日本や韓国の意見を聞かずに軍事行動を起こすかもしれない。韓国はそのリスクを敏感に感じたのだ。
私も何度か指摘した通り、アメリカは自国に危険が迫ったと判断すれば必ず軍事力を使ってもそのリスクを除去する行動をとると考えられる。アメリカ本国まで届くミサイルだけなら、小規模な軍事行動でも叩き潰すことは可能だ。その代わり、北朝鮮の標的となるのは、韓国である。日本も狙われる可能性があるが、韓国に比べると圧倒的にリスクは小さい。
アメリカが勝手に北朝鮮を攻撃することこそ、韓国にとっては最大のリスクなのだ。
その朝鮮日報の記事で、私は気付かされたことがある。日本のメディアではほとんど伝えられていなかったが、北朝鮮近くに飛行した爆撃機はグアムから飛んだという事実だ。朝鮮日報の記事を引用する。
『 韓米の軍当局は同日、米爆撃機、戦闘機による参加規模、詳細な飛行経路を明らかにはしなかった。一部メディアは、BIB爆撃機2機、F15C戦闘機6機が今回の作戦に参加したと報じた。B1B爆撃機はグアム島のアンダーソン基地から、F15C戦闘機は沖縄の嘉手納基地からそれぞれ発進し、F15CがB1Bを護衛する形で飛行した。』
グアムから北朝鮮を直接攻撃できる。この事実は、アメリカの軍事行動にとって選択肢を増やすことになるだろう。
日本や韓国の米軍基地で軍備を増強すると、両国の反対世論が盛り上がる可能性が高い。空母を日本海に配備することも明らかに目立つ。それに比べて、アメリカの領土であるグアムに圧倒的な空軍力を増強しそこから北朝鮮を攻撃するとすると、日韓の世論をさほど気にしなくても作戦は可能だ。
朝鮮日報の記事はこのように結んでいる。
『 北朝鮮の海岸から300キロメートルの公海上で攻撃命令が下された場合、B1B爆撃機は約20分で平壌上空に到達し、統合直接攻撃弾(JDAM)などで金正恩(キム・ジョンウン)氏の宮殿や地下バンカーなどを精密攻撃することができる。「死の白鳥」との別名を持つB1Bは、B52爆撃機、B2ステルス爆撃機など米国の戦略爆撃機を代表する3機種の一つであり、最も高速で武器搭載能力も最大だ。最大搭載量は機体内部に34トン、翼を含む外部に27トンの計61トンに達する。有事に際し、B1Bが3-4機、平壌上空で同時に作戦展開すれば、平壌市内を焦土化できるという。』
アメリカの独断専行を日韓は止められない。その結果、戦場となるのは韓国であり、日本である。その危機感が日本人にどこまであるのか、ちょっと心配である。