ドゥテルテ

今朝は強い南風が吹いている。恐らく春一番の発表があるだろう。日中には19℃まで気温があがるらしい。

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ロイターでフィリピンの記事を見つけた。あのドゥテルテ大統領が、就任以来国際社会からの批判にもめげず執念を燃やしてきた麻薬戦争から警察部隊をはずす決定をしたのだという。日本では報道されたのだろうか。まったく知らなかった。ロイターの記事を引用させていただく。

 

『フィリピンのドゥテルテ大統領が先月29日、治安部門のトップを緊急会議に招集したとき、彼の心はすでに決まっていた。それは軍や警察の幹部がまったく予期しない事態だった。

昨年6月に就任した大統領の看板政策ともいえる情け容赦のない麻薬撲滅戦争において、警察を主役の座から外すというのだ。この急転換の理由は1つしかない、と緊急会議に出席した3人の関係者はロイターに語った。

そのときドゥテルテ大統領は激怒していた。麻薬犯罪捜査部門の警察官が、韓国人ビジネスマンを誘拐し殺害。それも、こともあろうに、ケソンのフィリピン国家警察の本部内で絞殺していたというのだ。

「大統領は単刀直入にこう言った。麻薬対策部門を一つ残らず解散することを命じる、と」。大統領府での会合に出席していたロレンザーナ国防相はそう語った。

そして、警察よりもはるかに規模の小さいフィリピン麻薬取締庁(PDEA)が、軍の支援を得つつ、麻薬取締業務を引き継ぐことを大統領は決定した。

これはドゥテルテ大統領による驚くべき転換と言えるだろう。

警察官らが超法規的な殺人を犯し、殺し屋と共謀しているという告発が何カ月にもわたって続くなか、同大統領は一貫して警察を支持していた。この「麻薬戦争」による死者は7カ月で7600人以上に達しており、多くは麻薬の密売人や常習者とされている。』

 

要するに、警察はやりすぎたのだ。人間は残虐行為に慣れる。特に組織の場合、必ずやりすぎる人間が出てくる。「麻薬犯罪の撲滅」という大義のもと、すべてが赦されると勘違いする者が出てくるのだ。フィリピンの場合は、そもそもがやりすぎという批判はあるが、かつて「死の街」と呼ばれたミンダナオ島のダバオの治安が回復したことは、認めなければならない。フィリピン国民の多くが大統領を支持していることは、私には理解できる。

かつて犯罪都市として悪名を轟かせたニューヨークの治安を回復したとしてジュリアーニ市長は高い支持を得た。安心して生活を営める環境は、住民にとって何よりも重要だ。

ドゥテルテ大統領は、大きな方針転換をした。問題を放置せず、ただちに対処したところは、この大統領がただの乱暴者ではない証だと信じたい。これで、フィリピンの治安はどうなるのか。そして、「殺人者」を多く抱えた警察組織をどのようにコントロールしていくのか。ドゥテルテ大統領の手腕に注目したい。

 

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