安倍vs小池

安倍総理が正式に衆院の解散を表明した。

「国難突破解散」と自ら命名した。

再来年の消費税増税分の一部を若い世代の社会保障に充てることと北朝鮮危機への対応について国民の信を問いたいと語った。

この解散理由は間違いなく後付けである。再来年の消費税の話を今この時期に解散して信を問うという理屈に納得する人はほとんどいないだろう。

ひょっとすると、北朝鮮危機に備えて早期に解散して安定した体制を作っておくという大義はあるかもしれない。安倍さんがトランプさんと何を話したのか、まだ我々が知らないことがいろいろあるのだと思う。

しかし、一番の解散理由は間違いなく、今解散するのが最も勝てる可能性が高いという打算であろう。「解散権」を総理の専権事項として認めている日本の政界は、与党にアドバンテージを与えているのだから、それを利用するのは当然だろう。

「大義なき解散」という批判が野党やメディアで語られるが、過去に大義のあった解散があったのかどうか怪しいと思う。野党は本来「チャンス到来」と解散を歓迎すべきであって、総理に解散のタイミングを与えた自らの隙を反省すべきだろう。

96958A9E93819695E0E79AE49E8DE0E7E2EBE0E2E3E5E2E2E2E2E2E2-DSXMZO2149038025092017000001-PB1-2

そんな中で、一番注目を集めたのが小池都知事だ。この人、やはりタダモノではない。

パンダの名前を発表する会見で、新党立ち上げを突如宣言したのだ。

しかも、若狭さんや細野さんが進めていた新党設立の動きを「リセットして、私自身が絡んで立ち上げていく」と言い切って、自らが代表に就任することを明らかにした。

自分の手先として使っていた若狭さんが、細野グループに丸め込まれようとしている状況に苛立って、これは「私の党だ」と誰にもわかる形で宣言したのだと私は受け止めた。細野さんが小池新党に入りたいのであれば、私の家来になりなさいということだろう。

さらに隠し球があった。小泉純一郎元総理だ。

小泉さんは、小池さんが新党立ち上げを宣言した直後、都庁を訪問し小池氏と会談した。あえて記者たちの目につくような形で小泉氏を登場させたのだ。

何という、したたかさか。

小池さんは元「小泉ガール」である。小池さんの政治手法は多分に小泉流を踏襲している。今回も小池さんはどこかで小泉さんを担ぎ出すのではないかと思っていたが、新党立ち上げの当日、安倍総理が解散を表明する当日にぶつけてきたのだ。

永田町もマスコミも、小池劇場に振り回された。自民党にも公明党にも民進党にも、強いインパクトを与えた。「若狭・細野コンビによる新党設立、小池さんは顧問」と想定して戦略を練っていたところに、「リセットして自らが代表に就任」という爆弾を投げつけたのだ。

政策としては、消費税の引き上げ凍結や原発ゼロを掲げる模様だ。安倍さんが消費税の使途変更を解散理由にする、すなわち消費税引き上げを公約することを見込んで、あえて消費税凍結を争点にしようとした。そして、原発ゼロにより小泉純一郎という飛び道具を仲間に引き込んだのだ。本当にしたたかな戦略だ。

小泉さんは、原発ゼロを主張し続けている。安倍さんにも何度もアドバイスしたが、安倍さんは聞き流してきた。小泉さんは今回、小池新党にために選挙応援に動く可能性がある。これは一定のインパクトを持つだろう。

今日1日で、選挙の行方はかなり不透明になった。小池新党がどこまで候補者を集められるかはまだ予断を許さないが、台風の目になることは間違いない。都議選同様の大躍進の可能性もある。昨日までの情勢は大きく変わった。

そして民進党はいよいよ解党の危機を迎えるだろう。今後さらに離党者が続き、小池新党への雪崩が起きるかもしれない。そして、選挙後には維新の会が小池新党に合流する可能性すら感じる。一気に違う形での二大政党制へ向かう可能性が出てきた。

「安倍vs小池」という保守二大政党時代が来る。そんな気がしてくる歴史的な1日だった。

コメントを残す