前原民進党の前途

民進党の代表選挙が行われた。前原氏が枝野氏を破り、蓮舫氏の後継となる民進党代表に決まった。11年ぶりの代表復帰だ。

Embed from Getty Images

党員・サポーターも参加する形で行われた選挙戦だったが、盛り上がりに欠け、ニュースの扱いは悪かった。

森友・加計問題で安倍政権の支持率が下がっても、野党第一党・民進党への期待は一向に高まらない。安倍政権への批判票は共産党に流れ、民進党には来ない。なぜか?

鳩山、菅政権の体たらくが未だに有権者の記憶から消えない。あまりにお粗末だった。鳩山さんの宇宙人的な全方位外交で日米関係がギクシャクし、沖縄への空手形連発で信用は地に落ちた。菅さんは「イラ菅」ぶりが総理になっても治らず、東日本大震災という未曾有の危機対応で無能を晒した。何よりも官僚をまったく働かさない「政治主導」の稚拙さが国のダイナミズムを失わせた。今思い出しても、ひどい政権運営だった。

それに比べれば、安倍政権は安定感がある。いくつもの目標を掲げ、官僚を働かせて同時並行的に政策遂行を進めている。だから、何か窮地に陥っても他の目玉政策を持ち出し、世の中の関心をそらし空気を変えるすべを知っている。

私は安倍政権支持者ではない。明らかに考え方が違う点が多い。ただ、政権運営としては歴代政権の中でも、最も安定感がある気がする。菅官房長官の手腕なのかもしれないが、何か突発の事態が発生しても対応が速く打つ手に妥当性がある。

Embed from Getty Images

果たして、前原民進党はどこに向かうのか?

心配なのは、憲法改正だ。前原さんは昔から憲法改正論者だ。憲法9条の改正にも賛成の立場だろう。民進党は内部がバラバラなので、すぐに憲法論議が前に進み出すかどうかはわからないが、前原代表の下、憲法改正の可能性は高まったと言えるのではないか。

安倍さんも解散に踏み切りやすくなったかもしれない。もし改憲勢力で2/3を確保できなかったとしても、前原民進党であれば落とし所が見いだせると見るのではないか。むしろ憲法論議を進めることで、民進党が割れることを狙ってくるかもしれない。

小池新党を含めた野党再編の行方はまだ見通せない。果たして前原さんはどんな手を打ってくるのか、しばらく出方を見守っていきたい。

メディアももう少し民進党のニュースを扱った方がいいのではないかと思った。

解散は近いかもしれない。

コメントを残す