ついに出た。日本人初の9秒台。出したのは、サニブラウンではなく、桐生だった。

歴史的な記録が出たのは、オリンピックでも世界陸上ではなく、日本選手権でもなく、日本学生陸上競技対校選手権大会、いわゆるインカレだった。
しかも、今回のインカレのポスターでは、桐生ではなく、急成長中の多田が大会の顔となっていた。高校時代に歴代2位となる10秒01をマークし一躍注目された桐生祥秀は大学生となって伸び悩んだ。4年間自己ベストを更新できないまま、今年の日本選手権では4位、世界陸上も個人では出場権すら取れなかった。
こうして世間の注目が薄れたのが、プレッシャーを減らしたのかもしれない。
そして迎えた今年のインカレ。桐生は肉離れを恐れず走ることを決意していた。
歴史的な瞬間は多くの動画に残された。YouTubeにアップされた動画を共有させていただく。
桐生は「これでようやく世界のスタートラインに立てた」と話した。
9秒台に突入した人間は、桐生が126人目だという。

ライバルと競った時に弱さが出たこれまでの桐生。そんな自らのイメージを打ち破ることができるか、桐生のさらなる進化を見守っていきたい。