イチローと舛添

マーリンズのイチローが、6月15日のパドレス戦で日米通算4257本目となる二塁打を放ち、ピート・ローズの歴代最多安打記録を抜き去った。

日本のプロ野球で1278本、大リーグで2979本のヒットを積み重ね、オリックス入団から25年目で達成した大記録だ。

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イチローは会見で「ここにゴールを設定したことがないので実はそんなに大きなことという感じは全くしていない」と語った。そして「僕は子供の頃から人に笑われてきたことを常に達成してきているという自負はある。常に人に笑われてきた悔しい歴史が僕の中にはあるので、これからもそれをクリアしていきたいという思いはもちろんあります」とまだまだ通過点との認識を示した。

50歳まで現役、大リーグだけでローズを越えること、人に笑われるような目標を、今後もイチローは目指し続けるのだろう。

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日本中から祝福されたイチローに対して、日本中から批判されたのが舛添要一氏だ。

「違法ではないが不適切」な知事としての支出が問題となり、1ヶ月あまり世間を騒がせたが、昨日遂に辞任した。

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記者や議会での質問にも答えず、ヤメ検弁護士を雇って「第三者による厳正な調査」を実施して、どんどん墓穴を掘った舛添知事。すべての対応が裏目に出た。

裏目というか、どうしてこんな稚拙な対応をとったのか理解に苦しむ。

「ルール通りやっている。まったく問題ない」と強弁しつづけ世論の猛反発にあい、ついに都議会全会派が共同で不信任決議案を提出、逃げ場を失って都議会最終日に辞職を決断した。

やはり最後は頭脳ではなく人間性ということに尽きるのだろう。文字通り「日本の恥」と呼ぶべき醜態であった。

舛添氏も恥ずかしかったが、「舛添の不信任が可決されると都議会を解散するかもしれない」とビビった都議たちも恥ずかしかった。

日本人はどうしてこんなに情けなくなってしまったのか。自分のことしか考えない者ばかりで悲しくなる。石原さんが任期途中で国政に転出してから、猪瀬、舛添と三代続けての途中交代となった東京都知事。次は誰になるのだろうか?

イチローと舛添。人の生き方はさまざまだけれど、世論の動きもまた、ままならないものである。

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