<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 耕作放棄地となったブドウ畑の片付けをしていたら草刈機が壊れた #221215

昨日に続き、今日も草刈りのお話を書く。

近所の人に貸していた農地を返してもらったのだが、その中には1反(約1000平米)のブドウ畑が含まれている。

一昨年までは伯母が自分でブドウ作りを続けていたが、認知症の症状が出始めてからは世話をする人もいないまま放置されていた。

今年は近所の人にお願いして一安心していたが、その方も多忙でこの畑の世話まで手が回らず、結果的に2年続けての耕作放棄地となってしまった。

まずは、この畑の草を刈らなければならない。

昨日から始めたのだが、難敵が私の前に立ちはだかった。

それがブドウ棚の下を覆い尽くすように群生している「センダングサ」である。

「センダングサ」はキク科の雑草で、白い小さな花を咲かせるのだが、花が終わると突然姿を変え畑のギャングとでも呼びたくなるような醜い姿に変身するのだ。

放射状に広がるその種子の先端には鋭い棘があり、草刈りをしているとその棘がズボンや手袋にくっつき、さらには長靴の中まで入ってくる。

世に言うところの「ひっつき虫」の一種である。

しかもセンダングサの棘はチクチク痛いから厄介だ。

この棘がひっつくのが嫌なので、草刈機で上から叩きながらセンダングサを刈っていく。

少し草刈りをしただけで、ズボンにはたくさんの種子がくっついている。

細い矢のようなのがセンダングサ、そして半月形の種子は「ヌスビトハギ」のものである。

ヌスビトハギの種子も服にびっしりつくので嫌いだが、それでもセンダングサのように刺すような痛みはないのでまだマシだ。

ブドウ畑の奥の方はセイタカアワダチソウに完全に占拠されている。

ちょうど私の身長ぐらいの高さなので、そのてっぺんに実った綿毛の種が草刈りをしている私の視界を遮る形となる。

私はゴーグルやマスクで目や鼻をガードし、さらに虫除けネット付きの帽子をかぶって雑草の中に分け入っていく。

決して気持ちのいい作業ではないが、もう3年目ともなれば草刈りもお手のものである。

そう思って今朝再びブドウ畑の草刈りに取りかかると、予期せぬトラブルが起きた。

雑草の中に隠れていたブドウ棚を固定するためのワイヤーに草刈機が当たり、回転刃による跳ね返りを防ぐためのプラスチック製の飛散防止カバーが割れて吹っ飛んでしまったのだ。

そのまま作業を続けるのは危険と判断し、一旦家に戻る。

妻に事情を報告し、作業を続けるためにこの部品を調達する必要があると伝えた。

ついでに同じ草刈機があるとこういう時に作業を続けられるし、誰かが応援に来てくれた時には2人で草刈りをすることもできて効率的だと妻に提案したが、けんもほろろに却下された。

仕方なく、割れたプラスチックのカバーを接着剤でつなぎ合わせ、歪んだ金具も古い万力を使って修理してみる。

果たして接着剤で十分な強度を得られるのか?

ちょっと不安だが、とりあえずこれで試してみるしかない。

恐る恐る草刈りを始めると、締め方が緩いのか飛散防止カバーが雑草の圧力に負けてすぐにずれ、回転刃に当たって大きな音が出る。

これはダメだ。

すぐに家にとって返して再びネジを締め直して再び試すが、やっぱりずれて元のようには扱えない。

後で説明書を見てわかったのだが、カバーを取り付ける金具の向きを逆にしていたのがずれる原因であった。

カバーが回転刃に当たるたびに作業を中断し、騙し騙し草刈機を操って、なんとかブドウ畑の草刈りを終えた。

雑草がなくなると、ブドウ棚の全体像が見えてきた。

傷みがひどく、棚を覆うはずのビニールがあちこちで剥がれ落ちていた。

おそらく風で飛ばされたのだろう。

近所の方に迷惑をかけたに違いない。

誰かが剥がれたビニールを人為的に柱に巻き付けてくれている。

とにかくこれ以上近隣に迷惑をかけないよう、剥がれたビニールを一つ一つ回収する。

さあ、このブドウ畑をどうするか?

新たな課題が浮上した。

伯母の身長に合わせて作られたこのブドウ棚は低すぎる。

そして出荷する気もない私にとって、この畑は広すぎるのだ。

いっそのこと棚を全部倒してこの畑でのブドウ栽培をやめようか・・・そんなことを考えている。

ブドウ棚を倒し、フラットな畑に戻せば、好きな果樹を植えたり野菜を育てたりすることができる。

何より草刈りがずっと楽になるのだ。

東京と岡山を行ったり来たりして月一農業を続ける私にとって、草刈りの労力を最小化することが何よりも重要なのではないかと思っている。

今すぐ決める必要はない。

この畑を買いたいという人もいる。

まずは畑の片付けを終わらせて、じっくり時間をかけて家族とも相談して決めようと思う。

<吉祥寺残日録>2週間の岡山帰省を終えて「ひっつき虫」のお話 #211021

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