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<日々是勉強> AI時代を生きる子供達のこれからの教育とは?

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世界一忙しい日本の教師

日本の教師たちは世界一忙しいらしい。

経済協力開発機構(OECD)は19日、昨年実施した第3回国際教員指導環境調査の集計結果を公表、日本の中学校教員の仕事時間は1週間当たり56.0時間で、13年の前回調査を2.1時間上回り、2回連続で世界最長となった。参加48カ国・地域の平均は週38.3時間で、日本は部活動の指導や事務業務の長さが目立った。日本が今回新たに調査に加わった小学校教員の仕事時間も、15カ国・地域で最長の週54.4時間だった。

出典:共同通信

教室で生徒に教える以外の仕事が多すぎるのが問題のようだが、学校という組織が旧態依然なことにも原因がありそうだ。

新設された東京ビッグサイト青海展示棟で開かれている「学校・教育総合展」という展示会に行ってきた。

会場には、マイクロソフトなどIT企業も大きなブースを構えていた。

ITやAIの時代を生きる子供たちに必要な教育は何か?

学校教育のあり方がかつてないほど変わろうとしていることを実感した。

グーグルの教育改革

「Google for Education」のアジア太平洋地域の責任者であるミラー氏が流暢な日本語で講演するのを聞いた。

ミラー氏はアメリカのユタ州出身。大学卒業とともに静岡県で英語講師をした後、帰国して大学院でMBAを取得し金融機関でアナリストとして働いた。

そして6年前に再度来日してグーグルで働いているのだが、日本の学校教育は自分がアメリカで38年前に受けた教育に比べてもIT化が遅れているという印象を持った。

ミラー氏は、これからの時代を生きる子供たちには「AIなどを使いながら社会問題について考え課題解決するための教育」が必要だと話した。

確かにその通るだろう。

子供たちが生きる20年後の社会では、今日ある職業の多くはすでにAIに置き換わっていると予想されている。例えば、漢字の書き取りや英単語の暗記という従来のテストが求められる教育なのかから考えなければならない、と私も感じる。

機械に任せる仕事と人間がやらなければならない仕事。それを見極めた上で、子供たちには将来人間がやるべき仕事に必要な能力を身につけさせるべきなのだろう。

7つのスキル

ミラー氏は、国際教育技術協会(ISTE)がまとめた「これから必要とされる7つのスキル」を紹介した。

「主体的に学ぶ力」「情報を活用する力」「創造的なコミュニケーション能力」「知識を構成する力」「世界と協働できる力」「プログラミング的思考」「デジタル・シチズンシップ」の7つのスキルだそうだ。

確かに、どの能力も必要そうだし、最近の学校はよく知らないが、私や私の子供たちが受けた教育とは全く違う教育が求められている。

その意味では、教育現場の考え方や教師自身が変わる必要がありそうだ。

ただ、人間そう簡単に変わることはできない。特に教育現場は、利益を追求する企業とは違い、多様な価値観がぶつかりやすい。先生によって大切にする価値観も大きく違うだろう。

これからの教育に必要な環境

果たして、日本の教育は変われるのだろうか?

グーグルが考える「これからの教育に必要な環境」とは・・・

「子供達の興味・関心を大切にする教育」「授業や行事、部活などに拘束されない自由に使える時間」「教科書などに縛られないでインターネットを活用し情報にアクセスできる環境」「コーチやメンターとして生徒をサポートする教師」

教師が一方的に話をする従来型の授業スタイルは大きな転機に来ている。

Google for Education

そしてミラー氏が売り込む「Google for Education」は、教育用に開発したパソコン「Chromebook」と教育用クラウドサービス「G-suits for education」の組み合わせだ。

「Chromebook」はすでにアメリカをはじめ、カナダ、スウェーデン、オランダ、ニュージーランドで教育デバイスのトップシェアを確保しているという。その強みは、価格の安さと使い放題のクラウドにある。

「G-suits for education」にはグーグルのAI技術が搭載されていて、音声入力や多言語翻訳などお手の物だ。教師にとっては、自動でテストの採点を行なってくれるだけでなく、テスト問題の作成をサポートしたり、過去のテストの成績なども簡単に呼び出すことができる。

生徒一人一人の授業環境はパソコンの中ではなくクラウド上にあるため、学校に用紙された共用のデバイスでも、個々人に合った授業を行うことができる。教師の話をクラス全員で聞くよりもはるかに効率的な授業ができるだろう。

日本でも埼玉県の高校や町田市の小中学校などすでに多くの学校で導入が進んでいる。埼玉県内の139の高校では「協調学習」の授業にグーグルを導入した。「協調学習」とは、複数の生徒が意見を交換し,協力し合いながら解を導こうとするという学習形態のことだそうだ。

これまでは、各自が紙に書いた意見を黒板に貼ったりして進めていたが、このツールを使うことで、格段に便利になったそうだ。パソコン授業というと各自バラバラに行うイメージがあるが、クラウドを活用した授業ではこれまで以上にグループでのコミュニケーション能力も鍛えることができる。

もし私が教師だったら、すぐにでも導入したいと思うことだろう。

このセミナーにも多くの先生方が集まり立ち見が出る盛況ぶりだった。一般的にITは子供達の方が習熟が早い。教師たちは自らの教え方ばかりでなく、生徒との関係性や立ち位置まで改めなければならない。

きっとついていけない教師もたくさん出るのだろう。

未来教育指数ランキング

そんなことを考えながら帰宅すると、『ニュージーランドの教育の核「共感」「思いやり」「尊敬」』という記事をネット上に見つけた。

英エコノミスト誌の「世界各国の未来に向けた教育(未来教育指数)を行っている国ランキング」で2017年に1位をとったニュージーランド(2018年はフィンランド、スイスに次いで3位)。美しい自然に恵まれ、治安が良く、穏やかで、教育の質が高く、日本からも教育のための留学や移住をする人が多い教育先進国です。

出典:日経DUAL

「未来教育指数ラインキング」というのは初めて聞いた。

技術や産業経済が激変する未来において、若い生徒や学生たちが有望な人材として働き、変化する生活に対応できる力を備える教育がなされているかどうかを専門家らが分析した結果だそうだ。

ニュージーランドには、小・中・高あわせて2500以上の公立学校があり、95%以上の生徒は公立校に通っています。しかも、私立や公立に関係なく、国が監査機関を設け、教育の質を保証する制度を確立しており、教育水準を高いレベルで保っています。また、科学、技術、工学、芸術、数学を統合的に学習するSTEM教育にも積極的で、デジタルデバイスを小学校から積極的に取り入れた授業を展開しています。

出典:日経DUAL

ニュージーランドの教育

ニュージーランドの教育と言われてもイメージがわかないが、記事にはこんなことが書いてあった。

続けて引用させていただく。

 ニュージーランドの教育の中で重視される「価値」には様々な項目がありますが、特に大事なのが“Respect=尊敬”“Empathy=共感”“Compassion=思いやり”の3つ。まずは、一人ひとりの子どもは異なり、それぞれの個性やバックグラウンドを持っていることに対する「尊敬」の念。これは、同時にみんなを平等に扱うということでもあります。平等に一人一人が大事であるという意識を必ず持つことです。

 そして、「共感」と「思いやり」を持って接することで、押し付けることなく教師も生徒から互いに学び合い、生徒同士、教師同士も学び合うことができるのだといいます。他にも、価値には、“Diversity=多様性” “Inquiry&Curiosity=探究” “Equity=平等” “Community&Participation=コミュニティーと参加”などがあり、どれも人を育てる核として忘れてはいけないことだとヤングス博士は強調します。

 「さらにそれを教師が“Heart=心”“Head=頭”“Hands=手”の3つのHを使って伝えていく必要があります。どれか1つでも欠けてしまうと、生徒には届かないでしょう。どうやって伝えるか頭で考え、生徒一人ひとりのことを知り思いやる心を持ち、そして手や体を動かして向き合うのです。この3つは固いロープのように絡み合って1つの大きな力を発揮するのです」とヤングス博士。

 一見、当たり前のことのような価値や生徒への姿勢ですが、これらを実際に日常の中で考えて実行していくことは容易ではないでしょう。

出典:日経DUAL

いかにもニュージーランドらしい、どちらかと言えば普遍的で良質な道徳教育のように感じる。ミラー氏が提起したグーグル教育の方向性とはちょっと違うのではないか?

「未来教育指数」というのは、どんな項目を基準にしているのか疑問が湧いた。

同じ日経DUALに、「世界各国の未来に向けた教育」で重視された教育方針、すなわちランキングの基準となる要素を説明した記事を見つけた。

基準は次の6つだという。

  1. 他分野にまたがるスキル
  2. 創造的かつ分析的なスキル
  3. 起業家的なスキル
  4. リーダーシップスキル
  5. デジタル技術スキル
  6. グローバル意識と市民教育

ミラー氏が紹介した国際教育技術協会の7つのスキルよりも、具体的でより実用的な印象だ。

未来の教育に求められるものは何なのだろう?

『ニュージーランド留学人気 未来教育指数「世界1位」』と題された1年前の記事には、こんなことも書かれていた。

 このランキング調査を担当した専門家の一人であるトニー・ワグナー氏(ハーバード大学シニア研究フェロー)は、次のように語っている。「生徒や学生が“何を知っているか”にもはや世界は興味がない。変化する未来において、既知の情報を使って“何ができるか”を知っている生徒や学生に、グローバルな世界は興味がある」。

 さらに、教育環境として分析された項目は、「国の政策方針」「教育者の義務・規則」「社会・経済の研究」といった、学校や教師個人の力量にとどまらない、国や社会の関わりも教育に必要なインフラとしてカバーされている。その国の教育政策や、社会のジェンダー平等、多様性、ダイバーシティなども調査の対象なのだ。

 その結果、1位にニュージーランド、2位カナダ、3位フィンランドと続いた。気になる日本は7位と健闘。これまで留学先として人気だったアメリカは12位になった。ちなみに日本はトップ10入りだが、「社会経済の研究」で順位が低く、特にジェンダー平等に関してスコアが低いことなどが指摘されている。一方、ニュージーランドは自然との共生、女性の活躍、多様性、ワークライフバランスなど全分野で高い評価を得て、総合1位になった。

出典:日経DUAL

この年、日本は7位と健闘した。ちょっとホッとする。ミラー氏も日本の教育には、基本的に好意的だった。

でも、間違いなく日本の教育現場も変わっていくのだろう。大事なものは残しつう、教師が何をなすのが生徒のためになるのか、根源的なところから問い直す時期なのだろう。

その場合、ニュージーランドの教育には、日本にとって有益なヒントがあるようだ。

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