井の頭公園の中にはいくつか飲食店がある。
いつも店の前を通りながら、ほとんど入ることはない。
そんな店の一つが、テイクアウト専門のこちらのお店だ。
木々の陰に隠れるように、紅白のストライプが見える。
メニューボードの隣には、なぜかブラウン管テレビ。
不思議な絵が描かれた立て看板。
ちょっと変わった雰囲気を漂わせるお店だ。
写真撮影禁止の張り紙がしてあり、以前それを知らずに写真を撮ろうとしたら、突然メニューボードの電球が消されてビックリした記憶がある。
それもあって、これまで一度も入ったことのないお店だった。
ただ、この日は、「ねこドーナツ」という看板が目に止まった。
その下には、「写真を撮りたい方はご注文後にお願いします」という看板も・・・。
妻は知っていたようで、「この店、何か買ったら写真OKみたいよ」と言う。
「じゃあ、一度試してみようか」ということで、お店に入ってみることにした。
古い民家を改装した1階の店舗には、小学校で使う椅子が5つ並んでいた。
基本的にはテイクアウト専門のカフェ。この椅子も出来上がりを待つ人のためのものなのだろう。
コーヒー豆を焙煎するいい香りが店の周りを覆っている。
お店は店主の男性が一人で切り盛りしている。
「写真を撮ってもいいですか?」と聞くと、「私が映らなければいいです」というので、ちゃんと許可を得てからこの記事の写真は撮影した。
こだわりの強い店主さんのようだ。
コーヒーは、ホットもアイスも250円。
自家焙煎のコーヒーとしては格安だろう。
コーヒー豆も売っていて、ネットで注文すると送料も無料だそうだ。
でもこの日、私は入り口の看板に書かれていた「バナナミルクセーキ」(350円)を頼むことに決めていた。
注文すると、店主はバナナを丸ごと一本ミキサーに入れた。紛れもなく手作りだということがわかる。
そして、カウンターの上のトレイにお目当てのものが並んでいた。
「ねこドーナツ」(220円)。
『北海道産小麦と国産米粉たっぷりメープルシロップで優しい味に焼き上げました。』との説明書きが添えてある。
一つ注文すると、「温めますか?」と聞く。
どうやら食べる前に温めた方が美味しいらしい。
家に持ち帰って電子レンジにかけることも考えたが、妻がすぐに食べると言うので温めてもらった。
「ねこドーナツ」と「バナナミルクセーキ」。
合わせて、570円。
包み紙の中で、丸くなって眠るねこ。
これは、なかなか可愛らしい。
そして、食べると自然で良心的な味がして、想像していた以上に美味しい。
おまけに、包み紙のデザインもかわいい。
この「ねこドーナツ」、きっと孫が喜ぶだろうと思った。
値段も手頃だし、変な添加物も入っていないので安心して食べさせられるだろう。
「バナナミルクセーキ」の方は、あまり冷えてなくて、家に持って帰って氷を入れてから飲んだ。
バナナが丸ごと入っているだけあってどろっとしていて、ちょっと飲みにくい。
今度はやはりコーヒーにしようと思った。
それまで店の前を素通りしていたが、これからは時々あの「ねこドーナツ」を買うために立ち寄るようになるかもしれない。
食べログ評価3.42、私の評価は3.40。
「ブルースカイコーヒー」 営業時間:10:00-18:00 定休日:水曜および雨天