入国審査は意外に簡単

旅客ターミナルは、2012年にウラジオストクで開かれたAPECに合わせ改修されたというが、止まっている旅客機は数少ない。

古い軍用機も少し駐機していたので、バスの窓越しにこっそり撮影する。冷戦時代、社会主義国の空港は絶対に撮影禁止だった。万一撮影しているのがバレると、確実にトラブルになった。
今はそんなこともないかもしれないが、軍がいる場所の撮影は慎重にするに越したことはない。

入国審査でちょっとドキドキする体験をした。
トイレの話ではない。入国審査の話だ。
私が持参した「地球の歩き方2015〜16 シベリア&シベリア鉄道とサハリン」には、「ロシアに入国する外国人はすべて入出国カードを提出し、出国するまで所持することが義務付けられている」と書かれている。そして、「入出国カードは通常機内で配られるが、入国審査場の脇にもたいてい用紙が置いてある」とあるのだ。
機内ではカードは配られなかった。だから、入国審査場でカードに記入しようと思っていたのだが、どこにもカードが見当たらないのだ。
他の日本人客らは何やら書類を持参している。多くの旅行者が旅行会社に手続きを代行してもらっているため、旅行社が用意したに違いないと私は考えた。私は持っていない。これはヤバいかもしれない。ちょっとドキドキしながら、その場にいた係官に英語で聞いてみた。全然通じない。ガイドブックに載っている入出国カードを見せて聞いても、まっすぐ進めとポーズで指示されるだけだ。
そこで私はちょっと頭を冷やそうと、トイレに駆け込んだというわけだ。
用を済ませた後、意を決して入国審査の列に並んだ。私の番になり、パスポートだけを提出する。女性係員は特段不審な様子もなく、淡々と作業をしている。そして入国審査終了。
「あれっ? 入出国カードは?」
よく意味がわからないまま、あっけなく入国審査はパスしたようだ。
帰国後、最新版の「地球の歩き方」を確認すると、記述が変わっていた。
「国際便が到着するほとんどの空港では、入国審査の際に必要事項がプリントアウトされた入出国カードが手渡されるので、サインするのみで記入の心配はない」
えっ? 記入する必要ないの?
図書館で借りて私が持参した「地球の歩き方」が古かっただけだったのだ。飛行機でロシアに入る際、事前に申請した情報が係官の手元システムに反映されていて、それを係官はパスポートと照合した上で、プリントアウトする方式に改められていたのだ。
これからロシアに行こうとする皆さん、くれぐれも古いガイドブックの情報を信じず、最新の情報をご確認ください。ロシアでもIT化が着実に進展しているようです。
タクシーの乗り方

こうして無事ロシアに入国することができた。税関チェックもまったくなく、税関申告書すら提出しなかった。
結果的には、誤った情報で多少焦ったが、パスポートとビザさえ持っていればロシアの入国はいたってスムーズだということだ。ゆるゆるである。
空港の到着ロビーには、いくつかのお店が並び、キャッシュディスペンサーやSIMカードを販売する店舗もあった。

そして中央部にはTAXIと書かれた黄色いカウンターがあった。ここで市内に向かうタクシーを手配する。
市内までは電車もあるが一日5本だけで日本からの到着時間にはもう乗れる電車はない。バスもあるようだが、初めての街だしもう夕方なのでタクシーでホテルまで行くことにする。

ウラジオ市内までのタクシー代は一律1500ルーブル(約3000円)。
料金を支払うとレシートを渡され、その裏に女性が何やら三桁の番号を書き込む。表に止まっているその番号のタクシーに乗れと言う。
カウンターの女性たちは英語はしゃべるが、「おもてなし精神」はない。でも、空港の外にあるタクシー乗り場に行くと、確かにその番号のナンバープレートをつけたタクシーが止まっていた。運転手に紙を見せると「乗れ」と仕草で合図する。
みんな愛想はないが、トラブルこともなく、タクシーに乗り込みホテルへと向かった。
市内へ

タクシーは片側3車線の道をぶっ飛ばす。車は韓国のヒュンダイだった。
タクシーにメーターはなく、クーラーもない。窓を開けたまま、風の音をゴーゴー響かせながら広い道を突き進む。周囲は森林や荒野が続く。日本人から見ると、広い土地がちょっともったいない気もする。

市の中心部に近づくと、突然激しい渋滞に巻き込まれた。今は金曜の夕方、ちょうどラッシュアワーの時間のようだ。公共交通機関の発達していないウラジオでは車が大切な移動手段なのだろう。
空港から市内まではおよそ40キロだが、あれだけぶっ飛ばしても1時間以上かかった。

ホテルに着くと、ただ降りるだけ。チップも要求されなかった。旅行者にはわかりやすいシンプルなシステムだ。
空港からタクシーを利用するなら、白タクには乗らず、黄色いカウンターで1500ルーブルを払うことをオススメする。
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