<きちたび>アブダビのプールサイドでヨーロッパの格安航空会社について考える


8月18日の朝6時、無事アラブ首長国連邦の首都アブダビに到着。今、プールサイドでこれを書いている。

ただここに至る過程は、正直ちょっとヤバかった。

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ポーランドの古都クラクフから「エアベルリン」というドイツの格安航空会社のLCC便で経由地ベルリンに向かった。

機体は小型のプロペラ機だった。

カナダのボンバルディア社製DASH-Q400。日本でも地方路線を飛んでいる。

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片側2席ずつの狭い機内。だが、問題なのはそのことではない。

機体の到着が遅れ、クラクフの出発が30分も遅れてしまったのだ。

ベルリンでの乗り継ぎ時間はもともと1時間20分しかなかった。予約の時、乗り換え時間が短くてラッキーだと考えていたが、こうなると大きなリスクとなる。

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窓の外で回るプロペラを眺めながら、リスクについて検討した。

LCC便なので、空港ターミナルから離れた場所に止まる。そこからバスでターミナルまで運んでもらう時間も考えておかねばならない。

30分の出発遅れに加え、バスでターミナルに向かう時間も10分はかかるだろう。そうすると、単純計算で残り40分だ。

次の便の搭乗口までの移動時間も必要だ。出発便のターミナルが離れている可能性も考えられるだろう。

おまけに、ベルリンでEUの出国手続きもしなければならない。ベルリンはハブ空港なので出国手続きに行列ができているかもしれない。

過去の自分の経験に照らし合わせれば、超楽観的な私でもこれはかなりヤバイ状況だと判断せざるを得ない。

ましてや、2箇所の空港を経由して成田まで直送で送ったスーツケースの方は、もっとリスクが高い。かなりの確率で積み遅れ、行方不明になってしまうのではないか?

次々に不安が頭をよぎる。

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ベルリンのテーゲル空港に近く。街の上を超低空で飛ぶ。下を走る自動車が大きく見える。

悪いことにベルリンには雨が降っていた。タラップを使って客を降ろすLCC、普段よりターミナルまで時間がかかることも予想しておかねばならない。

私が思わず「ヤバイかもしれない」と口に出した。

その一言が、心配性の妻をますます不安にさせたようだ。

テーゲル空港に30分遅れで降りたち、乗客たちを乗せたバスが空港ターミナルに到着した瞬間、妻が突然走り始めた。運動が苦手で普段あまり走らない妻が、猛然と走った。

焦っている証拠だ。

本当に真面目というか、馬鹿正直というか、常に先のことを心配し、格好を気にすることもなく焦るべき時にははっきりとした行動でそれを周囲に示す。

いい加減な私は、乗り遅れた場合の対処法などをぼんやりと考えてしまう。

妻は違う。遅れそうなら走る。何とか間にあわせるべく頑張る。そんな尊敬すべき単純さが妻の魅力なのだ。少なくとも私は常々そう思っている。

私はそんな妻のひたむきな後ろ姿に好感を抱きながら、後を走った。

妻の努力は実り、心配した出国審査は驚くほど空いていてスムーズに滑り抜けた。搭乗口への距離も比較的近かった。

それでも我々が搭乗口に駆け込んだ時、すでに乗り継ぎ便の搭乗が始まっていた。間一髪間に合った。

次の便もエアベルリン、今度は古いA330型機だ。エアベルリンは、アブダビを拠点とするエティハド航空の傘下にあり、この便も両社の共同運航の形をとっている。

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やはりターミナルから直接飛行機に乗り込むことができない。しかも今度は、バスもなかった。小雨が降る中、乗客たちは駐機場を歩いて旅客機に乗った。

もし大雨でも、この会社は乗客を歩かせるのだろうか?

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私たちが乗り込むとすぐに出発時刻になった。

果たして私たちのスーツケースはちゃんと飛行機に乗っただろうか?

その答えは、明日成田で判明する。

 

<参考情報>

私がよく利用する予約サイトのリンクを貼っておきます。

 

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