午前中、東銀座で一つ仕事を済ませ、次の予定がキャンセルになったため突然時間ができてしまった。
とりあえず、歌舞伎座裏でランチを食べることにする。

選んだお店は、喫茶店「アメリカン」。
テレビなどでも度々紹介される人気店だ。

レトロな店の外には、テレビの取材を受けた際の写真などが貼られている。
「サンドイッチ・セット1200円」の看板が目に入り、夜の会食に備えて昼は軽く済まそうとこの店に決めたのが間違いだった。

店内に入ってちょっと驚く。
お客さんは女子ばかりなのだが、店の壁から天井まで様々なポスターが埋め尽くす独特の雰囲気なのだ。いわゆる、「ちょっとヤバい」インテリアなのだ。

渾然としたインテリアだが、しばらく見ているうちに、貼られたポスターに共通点があることに気づいた。
佐賀。
そう、ここに貼られたポスターはことごとく佐賀にまつわるものなのだ。
熱気球だったり、がばいばあちゃんだったり、甲子園で優勝した佐賀北高校だったり・・・。

「サンドイッチ・セット」はサンドイッチの種類とドリンクを選ぶ。
どの組み合わせでも値段は1200円だ。
私は大して考えもせず、ハンバーグサンドとホットコーヒーを選んだ。
値段は少し高めだなと思ったが、銀座なのでこんなものかと思った。繰り返すが、私はこの時点では軽めのランチを頼んだつもりだったのだ。
ところが・・・

ところが運ばれてきたのは、「軽く」とは真逆な巨大サンドイッチだったのだ。
これは、正直ぶったまげた。

パン1斤を半分に割ったような極太のパンにハンバーグが挟まっている。
この店に集まっている女子たちは、インスタ映えするこの巨大サンドイッチ目当てにわざわざやってきていることを知った時にはもう手遅れだった。
仕方なく、巨大サンドイッチにかぶりつく。
パンはすごく柔らかい。ふわふわだ。

しかし、トレーに乗っかっているのは巨大サンドイッチだけではなかった。
刻みキャベツのサラダの上に、どんでもない量のポテトサラダが盛られている。
そして、なぜかその上にパンがフタのように被せてある。このサラダを見ただけでもうお腹いっぱいだ。
これって、本当に一人で食うものなのか?
そんな疑問を抱いて周囲を見回すと、うら若き乙女たちが全員、巨大サンドイッチと格闘していた。何というお店に入ってしまったのか?

コーンスープも付いている。
これもトロミが強く、お腹にたまりそうなスープだ。
どこまでも「大食いモード」なのだ。

結局、すべて食べることはできなかった。
サンドイッチ一切れとポテトサラダ、スープは完食した。だが、サンドイッチの残り一切れを食べる胃袋はもう残っていない。
美味しいとか、美味しくないとか言う以前の問題だ。これは、食えない。

お店も慣れたもので、お持ち帰り用のケースを用意してくれる。おばちゃんが、全員もれなく配っている。
これを完食する客はほとんどいないのだろう。

コーヒーを飲んで、ようやく口がさっぱりした。
店の外には巨大サンドイッチを求める女子の行列ができているので、お勘定を済ませて席を開ける。

お持ち帰りしたサンドイッチだが、結局夜までお腹が空かず、食べずに捨てる羽目になった。
本当にもったいない。ごめんなさい。
でも、ちょっとやりすぎではないかと、正直思った。
食べログ評価3.58、私の評価は3.30。