赤穂でのホテルは海辺の温泉宿を素泊まりで予約した。
食事付きだと3万円する宿が素泊まりならば1万円で泊まれるからだ。
一人旅の場合、宿の豪華な料理を一人で食べるよりも、外に出かけて地元の人気店で食事をした方が安くて美味しいものにありつける。
ということで、赤穂で何か美味い朝ごはんを食べられるお店はないかと探していると、1軒のパン屋が見つかった。
赤穂で大人気のパン屋さん、その名もズバリ「あこうぱん」という。
朝6時から営業しているというありがたいお店で、私はホテルをチェックアウトしてから午前9時過ぎにお店を訪れたのだが、店の駐車場に入ろうとする車で混雑していて、ようやく最後の1枠になんとか滑り込むことができた。
店内に入ると、朝からたくさんのお客さんがパンを物色している。
棚に並べられたパンは実に種類が多く、どれも美味しそうなのでなかなか決めるのが難しいのだ。
たとえば、童話「はらぺこあおむし」から着想したいかにも子供が喜びそうなパンから、男性客が喜びそうなガッツリした惣菜パンまで。
あんぱん一つとっても種類がいろいろで、私もかなり悩むことになった。
まず最初に選んだのは、人気NO.1の「幸福パン」(108円)。
『ふわふわの小さな白パンに特製のホイップカスタードクリーム入りの大人気商品です』
見た目もかわいいし、1個100円という安さも一番人気の秘密だろう。
そのお隣に置かれていた「丸尾牧場さんの生乳使用 あこうクリームパン」(195円)も勢いで手に取った。
『赤穂市にある丸尾牧場さんの生乳を使用した自家製カスタードクリームを包んで焼き上げた人気のクリームパンです』
これがお店の人気NO.3だという。
ということで、気がつけばクリームパンばかり2つ選んでしまったので、もう1個は何かおかずパン的な奴にしようと物色する。
さんざん迷った末に選んだのは「春巻きの皮で包んだカレーパン」(216円)だ。
何といっても、その個性的な外観に惹かれて選んでしまった。
『牛すじ肉がゴロゴロ入ってます!! 』という説明とともに、「特別奉仕品」と書いてある。
結局、2種類のクリームパンと1種類のカレーパンを買って500円あまり。
コンビニで買ったボトルコーヒーを合わせても、700円ほどの朝ごはんということになる。
買ったパンはその場で食べるのではなく、私には計画があった。
瀬戸内海を眺めながら朝ごはんを屋外で食べよう。
そのためにキャンプ用の椅子も車に乗せて持ってきているのだ。
この日最初に行く予定だった赤穂郊外の港町・坂越の海岸線に椅子を置き、沖に浮かぶ生島を眺めながら「あこうぱん」のパンをいただく。
まず最初は、やっぱりふわふわの「幸福パン」から。
果たしてどんな味なんだろう?
食べてみると、外側のパン生地もふわふわだが、中に入ったクリームもふわふわだ。
確かにとても軽やかなパンではあるが、どこか空気のような捉え所のない感じもする。
続いて取り出したのはカレーパン。
春巻の皮はパリパリだが、見た目ほど味のインパクトはない。
その代わり、中に詰まったカレーは予想したよりもはるかに美味かった。
さまざまな具材が溶け合い、深い旨味をたたえたカレーだ。
わざわざ春巻の皮で包まなくても、とても美味しいカレーパンだと思う。
そして最後にいただいたのが、地元のミルクを使った「あこうクリームパン」。
正直、クリームパン2つというのも脳がなかったなと後悔しながら食べたのだが、これがどうして、めちゃくちゃ美味しいクリームパンだったのである。
幸福パンのクリームがふわふわだったのとは対照的に、こちらのクリームはしっかりとした密度があって、味が濃厚である。
一口食べた瞬間から、クリームが口の中でその存在を激しくアピールした。
カレーパンのカレーといい、クリームパンのクリームといい、人気店には人気店になるだけの理由があることを改めて教えてくれているようだ。
朝方は雲が広がっていた空も、朝ごはんをいただく頃にはすっかり晴れ上がり、実に気持ちのいい朝食だった。
温泉宿の素泊まりもなかなかいいではないか。
ある程度の街であれば、何かしら朝食を提供してくれるお店が見つかるはずだ。
朝から営業しているパン屋さんがあれば、もうそれだけで最高である。
食べログ評価3.58、私の評価は3.50。
「あこうぱん」
電話:0791-42-3565
営業時間:水-金06:00 - 18:00
土日祝07:00 - 18:00
定休日:月曜火曜
