今年の梅雨は、最近では珍しい本格的な梅雨だった。
7月の初めまで雨の日がとても多く全般的に涼しく、それはそれで良かったのだが、ここにきて真夏の太平洋高気圧が勢力を増し、ついに東京にも猛暑日がやってきた。
妻が昼前に医者に行くというので、この日のランチは別々に食べることになった。
三鷹のタイ料理店がきっかけで、新規店の開拓を再開する気になったばかりだったので、私は自転車に乗り新居から近いエリアの飲食店を探す。
ネットで南インド料理の店があるのを見つけて行ってみたが、火曜日はあいにく休業日。
もう一軒、以前から気になっていた町中華の店ものぞいてみたが、そこもお休みだった。
仕方なく吉祥寺で新規開拓をしようと、東急裏の駐輪場に自転車を止め、勝手知ったる街をぶらぶらする。
選んだお店は、東急百貨店の北側に最近オープンした韓国料理店。
「熟成肉専門店 ヨプの王豚塩焼」という名のサムギョプサルをメインにしたお店らしい。
韓国文化の発信地・新大久保に本店を構える人気店だそうで、吉祥寺にはちょうど1年ほど前に進出したばかりだ。
私もこの店がオープンしたことは当初から知っていたが、実際に入るのはこの日が初めてだった。
店内は白を基調にした明るい作り。
私が訪れた11時40分ごろにはまだ空席が目立ったものの、その後お昼に向けて次々にお客さんがやってきて、すぐに満席になった。
やはり女性客が圧倒的で、女性同士のランチスポットとして利用されているようだ。
こちらがランチメニュー。
ボリューム満点のサムギョプサルのセットがメインのようだが、他にも日本人が知っている韓国料理はたいてい網羅されているようだ。
私はさしてお腹は空いておらず、最初から注文するメニューは決まっていた。
このクソ暑い日には食べたくなる「韓国冷麺」である。
ただメニューを見ると、「モミル冷麺」「水冷麺」「ビビン冷麺」の3種類が並んでいた。
よくわからないので「水冷麺」を注文したが、後で調べると「水冷麺」は平壌発祥の蕎麦粉を原料とする冷麺、「モミル冷麺」は釜山のソウルフードで小麦粉を使った冷麺、そして「ビビン冷麺」はスープのない辛い冷麺ということらしい。
注文を済ませるとすぐに、店員さんがテーブルに2皿の漬物を持ってきた。
水キムチとベニ大根。
メインの料理のほかに、いろいろ小皿が出てくるのが本場韓国料理の楽しみでもある。
どちらの漬物もさっぱりと美味しくて、冷麺が出てくるまでの繋ぎとしては申し分ない。
私の目の前に設置されたモニターでは、ずっとK-POPのミュージックビデオが流れている。
「少女時代」が登場した頃には、その美貌に圧倒されてこの手の映像も見たものだが、近頃では全く無縁になっているため、彼女たちが何というグループなのか、まるで見当もつかない。
でも相変わらず、綺麗な女の子が多いと思う。
個人的には日本のアイドルグループのカワイイ路線は苦手で、やはり韓国の方が魅せ方が上手いなと思う。
そんなことを考えているうちに、注文した「水冷麺」(1078円)が運ばれてきた。
何とスープは全部かき氷になっていて、初手から意表をつかれる。
後で調べると、「水冷麺」は氷のスープで提供されることが珍しくないらしい。
麺は黒々としていて、口に入れると韓国冷麺らしい弾力がある。
これは美味い!
熱気の中を自転車を走らせ、熱った身体に冷たい冷麺の旨みが染み渡っていくようだ。
トッピングされたきゅうりや大根にも酸味がつけられているのか、全体が酸っぱいスープにとても馴染むようにアレンジされている。
入店前には、ポップな店構えを見て安っぽいチェーン店の味を想像していたので、正直この水冷麺の美味しさには驚愕した。
今日私が求めていた食べ物だ!
南インド料理よりも、街中華よりも、この冷麺こそ、「今日私が求めていた食べ物だ」と思った。
冷麺と一緒に、味を整えるためのお酢も運ばれてきたが、この水冷麺の味はあまりに私好みでこれにお酢をかけるなどまさに蛇足である。
それほど完璧な味。
これまで日本国内ではもちろん、平壌でもソウルでも冷麺を食べたことがあるが、その中でも最高に私好みの冷麺だと感じた。
またぜひ、この冷麺を食べに来たい。
せっかくなので、店の名物であるサムギョプサルも一度食べてみたいと思った。
偶然出会った美味しいものは、事前に調べた店以上の満足感を与えてくれる。
そんな美味しい水冷麺だった。
食べログ評価3.24、私の評価は4.50。
「熟成肉専門店 ヨプの王豚塩焼 吉祥寺店」
電話:050-5595-6371
営業時間:11:00 - 23:00
定休日:無休
http://yopu.co.jp/
