今回の旅では、同行した妻の体調が悪く妻をホテルに残して市内を回ることが多かった。
そのため食事は全てホテル近くの明洞(ミョンドン)で食べたのだが、正直これは絶対にオススメというほどのお店には当たらなかった。ここではあくまで参考、または備忘録として私たちが行ったお店を簡単に記録しておこうと思う。
1.ソラリア西鉄ホテル明洞
初日の夜中にホテルに到着したので、ソウルでの食事は2日目の朝食からだった。宿泊先に選んだのは前回同様、「ソラリア西鉄ホテルソウル明洞」。明洞地区のど真ん中にある日系のホテルでとても便利だ。
今回は最終日が早朝の出発だったので、朝食なしのプランにした。ただ一度はホテルの朝食もいいだろうということで朝食代2200円を払ってホテルのビュッフェを食べた。
レストランに入ると、店員が「新しい朝食を試作したのでもしよければ召し上がっていただけませんか?」と聞く。別料金を取られるわけではないので、了解すると小皿が並んだプレートが運ばれてきた。
最近日本の朝食でもよくあるパターンで、韓国風の惣菜がちょこちょこ食べられる。
タコのキムチは美味しかった。
ビュッフェからお粥やサラダ、フルーツなどを持って来れば立派な朝食になった。
2200円はちょっと高いがホテルだからこんなものだろう。
2.キムガネ 明洞店
2日目の午前中、3.1運動100周年式典を取材してホテルに戻り、ランチを食べるために外に出た。妻は、ビビンバが食べたいと言う。
居並ぶ店を眺めながら賑やかな路地を歩いているとビビンバの写真が見えた。
名前もよくわからないこの店に入ることにした。妻はすでに疲れていて、早く店を決めたがっていた。
このお店、あとで調べて「キムガネ 明洞店」と言う名前だと判明した。「キンパッ」と呼ばれる韓国風海苔巻きの専門チェーンだそうだ。
そんなことは知らないので、メニューを適当に見ながら、私は「アサリカルグクス(きしめん)」(7500W)を選んだ。明洞界隈ではメニューに日本語が書かれているので、注文は楽だ。
「カルグクス」というのは麺料理の名前で、カルは包丁、グクスは麺類、つまり生地を包丁で切って麺を作ったものをそう呼ぶらしい。
丼の底にアサリがたくさん隠れている。
とてもやさしい味がした。
妻は宣言通り「石焼ビビンバ」(8000W)を注文した。
残念ながら、期待したほど美味しくなかったようだ。せっかくなら、海苔巻きを頼めばよかったと帰国後ちょっと後悔した。
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3.味加本
2日目の夕飯は、ネットで調べて高得点だったお粥やさん「味加本」を選んだ。
昼ごはんを食べた「キムガネ」と同じビルの2階にあった。看板には「粥・参鶏湯」と書かれていた。
このビルの1階は人気店「神仙ソルロンタン」ということで、行列ができていたが、私たちが入った時、2階の「味加本」には一人の客もいなかった。
13種類ほどのお粥の中から私が選んだのは、「あわびのお粥」(10000W)。
ネットの写真より少しシャビーな印象だ。
妻が選んだのは「高麗人参と鶏肉のお粥」(8000W)。
見た目はほとんど同じだ。食べてみると、妻の方が多少美味しい気がした。「あわびのお粥」はあまりオススメしない。
胃にはやさしいがちょっと寂しい夕食だった。
4.The Coffee Bean & Tea Leaf
3日目の朝ごはんはカフェに行ってみることにした。
宵っ張りの明洞の街も朝はとても静かで、ほとんどの店はまだ閉まっている。
「ザ・コーヒービーン & ティーリーフ」。
カリフォルニア生まれの世界的なチェーン店だそうだ。
私が頼んだのは「ブルコギモッツァレラサンドイッチ」(5800W)。
微妙だなぁと思いながら注文したが、やはり微妙だった。
妻が注文したのは「チキン&チーズサンドイッチ」(4500W)。
まあ、普通だ。
一番美味しかったのは「Green Balance」(4300W)。
青汁的なジュースだ。やはり体が野菜を求めているのだろう。
5.古宮 明洞店
3日目のランチは、ソウル駅近くの大型スーパー「LOTTE Mart」でイチゴと牛乳を買ってホテルで食べる。旅先では一日一食はこうした果物だけが体にいい。
そしてお腹を整えておいて、最後の夜ご飯はちょっと高級そうなお店に行くことに・・・。
そう、この日は私の61歳の誕生日だった。
「古宮(コグン) 明洞店」。
ビビンバ発祥の地、全州(チョンジュ)の味をソウルで楽しめるお店だという。
まずは瓶ビールを注文。「カス cass」(5000W)。
前回も飲んだ気がする。普通の味で、普通に美味しい。
誕生日なので肉を頼む。
「炭焼き骨つきカルビ」(39000W)。
本当は二人前からの注文らしいが、特別に一人前で出してもらうことに・・・。
韓国焼肉ではたくさんのつきだしが出る。
「パンチャン」と呼ぶのだという。
七輪に炭が入れられ、網いっぱいに骨つきカルビが広げられる。
火力が強く、あっという間に焦げ始める。一気に焼けるので、食べるのがちょっと忙しない。
肉は柔らかく、妻も美味しいと言って食べた。
「緑豆チジミ」(20000W)もいただく。
私は海鮮チジミが良かったのだが、豆好きな妻が譲らなかった。豆なので柔らかく、小麦粉との区別がはっきりしない。やはり海鮮の方が良かったと思う。
そしてこの店の名物「全州伝統ビビンバ」も注文してみた。
焼肉を頼んだ客用に小さなサイズのものがあるというので、それを頼んだ。9000W。
本来は写真のように綺麗に盛り付けられるのだろうが、器が小さいのでちょっとごちゃっと具材が載せられていた。
どうせかき混ぜて食べるのだから同じなのだが、写真写りは伝統的な盛り付けが良かったなあとちょっと残念。
以上が今回の旅で私たち夫婦が訪れたお店だ。
帰国後、下川裕治さんが書いた「週末ソウルでほっこり」という本を読んでいたら、明洞について面白いことが書いてあった。引用させていただく。
『明洞の店に入るのはやめようと思った。
ここにあるのは韓国ではなく、日本に合わせた韓国料理のような気がした。』
『明洞一帯が一気に発展するのは、日本の植民地になってからだ。今の乙支路入口駅周辺は明治町と名づけられ、明洞一帯は本町通りと呼ばれた。やがて明洞一帯には日本人町がつくられていく。』
戦後、韓国では日本文化を厳しく規制した。その時代、明洞だけで日本語メニューが許された。普通の韓国の食堂では、ハングルで書かれたメニューが壁に貼られているだけだという。今では、明洞以外でも日本語メニューを置く店が増えたが、やはり明洞は特殊な場所なのだろう。
次回ソウルに来るときには、明洞以外の町に泊まってみよう。
そしてもう少し、韓国に近づいてみたいと思う。
