ゴールデンウィークが終わり、本来なら世の中が動き始めてはずの木曜日。

東京は風は強いが、5月らしいとてもいい天気だ。
本来なら私も仕事に出かけなければならないのだが、緊急事態宣言が延長され、小池都知事はこれまでの自粛要請を継続すると発表した。
私の会社でも当面、在宅勤務を継続する方針なので、もうしばらくは自宅にこもる生活が続く。
吉祥寺では、多くの飲食店が5月6日までの臨時休業を行なっていたが、果たして店を開けるのか、このまま休業を続けるのか、皆さんの判断が気になった。
そこで、誰に頼まれたわけでもないが、昼時に合わせ、自転車で吉祥寺の街を一回りしてみることにした。

天気がいいせいもあるのだろうか?
ダイヤ街には人があふれていた。
安倍総理が会見で「外出はいいんです」と言ったことも影響しているかもしれない。

このダイヤ街では、レンガ館モールの地下にある中華料理の「軼菁飯店」と韓国料理の「韓味楽」が仲良くお弁当を販売していた。
店員さんに聞くと、「昨日まで休んでいて、今日から再開したんですけど、地下なので気づいてもらえるよう地上に出てきました」と笑いながら答えてくれた。

少し離れた場所では、先日私も買わせていただいた焼肉の「李朝園」も路上に降りてきてお弁当の販売を始めていた。
路面店はいいが、建物の上階や地下のお店はただ待っていてもお客さんが来ない。みんな必死なのだ。

もう一つ、目についたのはマスクを販売する人が急に増えたこと。
チーズドッグのお店では、前面にマスクの箱を重ねて販売している。

三井住友銀行のATMが撤去されたスペースでもマスクを売る人がいた。
こうした路上でマスクを売る人の姿を見かけ始めたのはつい先日の話だが、いつの間にか、あちらでもこちらでも多くの人がマスクを売っていて、値段はコロナ前に比べると高いが徐々に下がってきているように見える。
仲介業者からマスクを仕入れた人たちは、少しでも早く売りさばかなければと逆に焦っているのではないか?
経済とは、本当に不思議なものだ。

こうした中、休業を延長するお店も多い。
人気ステーキハウス「葡萄屋」は閉まっていた。

カレーで人気の「まめ蔵」もシャッターを下ろしたままだ。
店によって、判断はまちまち・・・。

もつ焼きの「カッパ」は10日まで・・・

立ち食い寿司の「魚がし日本一」は11日まで・・・

「らーめん屋 麺僧」は31日まで臨時休業を続けるという。
一方で、臨時休業をやめて今日から再開するお店もある。

人気のパン屋さん「EPEE」は、今日から営業を再開し、パンの販売だけでなくビストロの店内営業も始めた。
同時に、テイクアウトメニューも用意したようだ。

七井橋通りにある人気ピザ店「マザーズ」も、窓を全開にして営業を再開していた。
看板の上には、新たに「TAKE OUT」のサインも取り付けられている。
コロナ後もテイクアウト文化が定着するかもしれない。

そして、昨日で閉店した老舗フランス料理店「芙蓉亭」は、当然のことながら門を閉ざしていた。
本当に、ご苦労様でした。
吉祥寺の飲食店の最新の様子については、もう少し店を見て回ってから、このブログ上で報告させてもらおうと思っている。

今日、街を回っていて気になったのは、お風呂屋さんだ。
私は利用しないので、ブログでも触れたことがなかったが、銭湯についても記録しておきたいと思う。
吉祥寺駅の東にある「よろづ湯」。

営業時間は、午後4時から11時までやっているようだ。
ただし、「不老体操」というものは、しばらく中止が延長されるという。
「不老体操」って、何だ?
再開したら、一度体験してみよう・・・。

駅の西側、昭和通りにあるのが「弁天湯」。

こちらは、午後3時40分から午後10時までの営業。
やっぱり夜間も営業していいようだが、こちらでも「不老体操」「無料入浴」はしばらくお休みだと書いてあった。
「無料入浴」というのもあるらしい。
私が知らない吉祥寺。
探せば、楽しみはいくらでも転がっている。

最近、テレビでコロナ関連のニュースが面白くなくなった。
同じ話の繰り返しで、知っている話ばかりダラダラやっているだけだ。
今日テレビが騒いでいるネタは、吉村府知事と西村担当大臣の「出口戦略」をめぐるケンカ。
大した話ではない。
大阪府の吉村知事は、国から緊急事態宣言解除の目安が示されなかったのを受けて、独自の「大阪モデル」を発表した。
「(1)感染経路不明者が10人未満(2)検査陽性率が7%未満(3)重症患者用の病床使用率60%未満-の3項目とも1週間続けて達成した場合に段階解除に入る」というものだ。
大阪府でもこの3項目をいずれもクリアしていて、5月半ばにも自粛要請を解除したい意向なのだろう。
吉村知事の提案の面白いのは、深刻度の程度に応じて、通天閣と大阪城のライトアップの色を緑・黄・赤に変えることで、府民にわかりやすく現状を伝えようというアイデアだ。
細かな数字を言われるよりも、多くの人にとってはこの方が理解しやすいだろう。テレビでも、お天気コーナーなどで毎日、大阪城の色を中継するだろう。

ところが、この吉村知事の発表に、コロナ対策担当の西村大臣が噛み付いた。
吉村知事の発言に関し「強い違和感を感じる」と述べたのだ。
発端は、吉村氏が5日に休業と外出自粛要請について府独自の解除基準を「大阪モデル」として発表した際、政府に対して「具体的な基準を示さず、単に(宣言を)延長するのは無責任だ。具体的な指標を全国に示してもらいたい」と指摘したこと。吉村氏が大阪の基準を「出口戦略」と表現したことに対し、西村氏が「言い方が違う。緊急事態宣言からの『出口』ということなら、国が専門家の意見を聞いて考える話だ」とかみついた。
おさまらない様子の西村氏は6日の記者会見でも「強い違和感を感じる」と吉村氏を批判。さらに同日夜、自身のツイッターで「休業の要請・解除は知事の裁量。解除する基準は当然ご自身の説明責任」と強調し、「都道府県の裁量・権限の拡大を主張しながら、自身の休業要請の解除の基準を国が示してくれというのは矛盾。仕組みを勘違いしているのではないか」と投稿した。宣言の解除の基準については、「国の責任。近く明確に示す方針」と記した。
これに対して吉村氏は自身のツイッターで「休業要請の解除基準を国に示して欲しいという思いも意図もありません」と釈明。その上で「宣言(基本的対処方針含む)が全ての土台なので、延長するなら出口戦略も示して頂きたかった」と改めて指摘した。一方で、「今後は発信を気をつけます。ご迷惑おかけしました」とも書き込んだ。
出典:朝日新聞
この一連の応酬を受けて、テレビのワイドショーでは吉村擁護の発言が相次いだ。
まあ、当然だろう。
政府も緊急事態宣言延長の発表に合わせて数値目標を出したかったが、直前の専門者会議で異論が出たとの報道もあった。西村さんとしては、専門家にストップをかけられてイライラしているところを、吉村知事に「無責任」と指摘されカチンときたのかもしれない。
「人の気も知らないで、勝手なことを言いやがって」というところだろう。
テレビでは、検査が進まないのも専門者会議のせいといった論調も見られるようになった。私は専門者会議が悪なのではなく、犯人はクルーズ船の際に医療崩壊を恐れて検査をしないと決めた厚労省と、習近平と東京五輪を気にして本腰で対策に当たろうとしなかった安倍政権にあると思っている。
でも、西村さんの立場に立って考えれば、当初矢面に立っていた加藤厚労相が全然使えないので、突然安倍さんから担当大臣に指名され、満塁のピンチで急にマウンドに立たされた。
持ち前の卒なさで、それなりにうまくやってきたものの、言うことを聞いてくれない人や組織に囲まれて、調整がなかなか進まない。本当に大変だろうと同情している。
今回のコロナ対策では、普段陽の当たらない知事さんたちに脚光が当たった。みんないいところを見せようと頑張る。「自分が知事だったら、もっとうまくやってやる」と西村さんも思っているかもしれない。
「吉村vs西村」と世間は面白がるが、所詮大した話ではない。
私は以前から書いている通り、今回のコロナ対策に関しては、知事たちに腕をふるってもらい、多くの人の知恵やアイデアを引き出し、政府はそれを支援しながらいい所採りするぐらいの度量が求められるマターだと思う。
安倍さんが一向に動こうとせず、厚労相も経産相も国土交通相も頼りにならない以上、西村さんに頑張ってもらうしかない。
2月ごろには、心から政府の対応に苛立っていた私は、もはや何も期待しなくなってしまった。
西村さんの健闘をお祈りしている。