東京都の1日の新型コロナウィルス新規感染者が初めて800人を越えた。
過去最多の822人を記録したという。
医療現場も逼迫しているとして初めて最高の警戒レベルに上げ、小池都知事はこれを受けて「年末年始コロナ特別警報」を発出した。
しかし、具体策は何も提示されなかった。
PCR検査数も増えていないので、実際の感染者はもっともっと多いだろう。
結局みんなが「ステイホーム」をもっと徹底するしかないはずなのだが、どういうわけかこの冬、小池さんの口から「ステイホーム」という言葉が聞かれない。
それにしてもである。
どうして欧米の10分の1の感染者数で医療崩壊が起きるのだろう?
日本はそれほど危機管理能力のない国なのか?
そう思っていたところ、今夜のBS-TBSの報道番組に出演した上昌広医師は、日本の医学界のマネージメントに問題があると指摘していた。
そうそう、私がずっと感じていた問題がようやく指摘された。
日本のメディアに欠けている視点だ。
もし欧米並みの感染者が出る事態になったら、どのように対応するのか?
テレ朝の「報道ステーション」に出演した赤十字病院の出雲医師は、コロナを指定感染症から外し、重症者だけを入院させるよう制度を変えるべきと主張する。
これも重要な提言だろう。
想定外では済まされない問題であり、メディアはこうしたもっと本質的でシビアな問題に切り込まなければならない。
さてそんな日、私は三鷹公共職業安定所、通称「ハローワーク三鷹」に行った。
7月から4週に1回のペースで通ってきたが、失業給付をもらうためにここを訪れるのも、今日が最後になる。
日本社会に用意されたセーフティーネットを初めて実感する貴重な経験をさせていただいた。
ハローワークの駐輪場にはママチャリがたくさん止まっていた。
コロナ禍で仕事を失った人の中には、飲食業などに従事してきた女性が多い。
私のような気楽なシニアと違い、子育て中のお母さんたちにとって収入を失うことはすぐに家族の生活を直撃する。
この冬、私はコロナよりも、経済の方を心配している。
吉祥寺の街を歩いていても、閉店した店舗の空きスペースがなかなか埋まらないのを見ていると、ハローワークに来ている人たちが仕事にありつけるのはまだまだ先だと感じてしまう。
今日は初めて午後に出頭を命じられ午後1時すぎに行ったのだが、案外待つ人が少なくて最後の失業手当を受ける手続きはスムーズに終わった。
今月初めに武蔵野税務署で受けた面接は当然「不採用」となったが、これも求職活動として実績になったようだ。
私の場合、来年3月から部分的に年金をもらえるようになる。
無駄遣いさえしなければ、東京と岡山を往復しながら、静かな年金生活者としての暮らしを送ることができるだろう。
ハローワークに通っている若い人たちが、1日も早く新しい仕事を見つけられるよう祈りながら家路についた。
今朝、この冬初めての氷点下を記録した東京。
これからますます感染者の数は増えるだろう。
上昌広医師は、番組の中でこんなことを言っていた。
「コロナは風邪の一種ですから、寒くなると患者は増えるんです」
それは何も驚くようなことではなく、想定されていたことが起きているだけなのだ。
寒くなればコロナの感染は拡大すると多くの専門家は指摘していた。
しかし、医療の受け入れ態勢は整備されないまま、欧米の10分の1で医療崩壊が危惧されている。
実に残念なことだ。
果たして、どうすれば一般国民の行動変容は起きるのか?
一人一人の責任ある行動ができなければ、厳しい冬が待っているだけである。