妻がまた孫の子守りに行くことになり、私は一人で吉祥寺ランチを食べることに。
午前中、マンションの耐震工事に関する説明会に出席した後、一旦家に戻って何が食べたいか自分のお腹と相談してみる。
導き出された結論は冷やし中華。
記録的な大雨が過ぎ、夏のような青空が広がっていたからだ。
吉祥寺で冷やし中華といえば「さくらい」だったがすでに閉店してしまっているので新たなお店を探さねばならない。
思いついたのが随分昔に一度だけ行ったことのある中華料理店だった。

吉祥寺駅の東、少し場末感が漂う「みその通り」にある老舗中華「中華街」。
雑居ビルに張り付いた2本の龍も色褪せて、あまり吉祥寺っぽさのないお店である。
中国人の女性が接客し、厨房で調理しているのもおそらく中国人だろう。

入り口のドアは開けっぱなし。
近くにいた店員さんに「冷やし中華ってやってる?」と聞くと、やっているというので入ってみることにした。
店内も雑然としていて下町の町中華、または中国本国にある食堂のようだ。

テーブルの上に置かれたランチメニューを見ると、「ラーメン・炒飯セット」が660円、「マーボー豆腐定食」が770円と今時珍しい良心的な価格だ。
壁に貼られている「飲茶セット」(1200円)も気になる。

いやいや、私は冷やし中華を食べにきたのだ。
雑念を振り払いアラカルトのメニューを開くと、実に多彩な中華料理が写真付きでずらりと並んでいた。
麺のページには確かに「冷やし中華」(990円)があるのだが、他にも「ジャージャー麺」や「豚角煮ソバ」、「酸辣麺」、「フカヒレ姿煮麺」など魅力的なメニューが並んでいて見ているだけで目移りしてしまう。

再び雑念を振り払い初志貫徹、「冷やし中華」と「青島ビール」(480円)を注文した。
すぐに「青島ビール」のボトルが運ばれてきた。
ただグラスが見当たらないので、「コップください」と声をかけると中国人女性スタッフが「青島ビールは瓶から直接飲んだ方が美味しいの」と平然と答える。
ここは日本ではなく、中国にいるようだと感じた。

しばらくして、お目当ての「冷やし中華」もやってきた。
ただ見慣れたものとは少し様子が違う。
具材がどこか中国風、鶏と豚のチャーシューとキクラゲ、揚げた薄皮などが無造作に並んでいた。

食べてみると、ゴマだれが少し薄い。
別に不味いわけではないが、特別美味しいわけでもない。
考えてみると「冷やし中華」は日本発祥の料理。
中国人コックに作ってもらったのがそもそも失敗なのだ。

美味しそうな中華料理が次々に運ばれてくる他のテーブルを眺めながら、この店で食べるなら冷やし中華以外がいいと思った。
次来ることがあれば「飲茶セット」を食べてみよう。
食べログ評価3.45、私の評価は3.30。
「中華街」 電話:0422-21-3070 営業時間:11:00~翌8:00 定休日:無休 http://www.chukagai-kichijoji.com/
<吉祥寺グルメ>テイクアウト2021「中華街」の「ジャージャー麺」&「海老ニラ饅頭」&「当店しか作れない唐揚」 @中華料理@各国料理