我が家の通りにまた新しいお店がオープンした。

「ベトナム・フレンチ」のお店のようだが、ベトナム・フレンチとは一体何なのか?
気になって、フォー好きの妻と出かけてみた。
店の名前は「Vietnam French De Salita (デ・サリタ)」という。

おしゃれなお店である。
オープンからまだ間もないというのに、店内はお客さんでほぼ埋まっていた。
聞くと国分寺などに「De Salita」という同名の店舗を展開する会社がオープンしたお店らしい。吉祥寺では我が家でも何度か行った「焼肉 いのうえ」がこの系列だという。

女子の間では、ベトナムといえば可愛い小物の国なのだそうだ。
だからか、店の壁には様々な額や小物、写真集などがびっしりと飾られている。

古びた味わいのどっしりしたテーブルの上に、三角のモダンな小皿が置かれている。
女性雑誌に登場しそうなSNSを意識したお店のようだ。
この場所は、ちょっと前までハワイ料理のお店が入っていた。人気店らしくオープン当初は週末には若い人たちの行列ができていたが、気がついたら閉店していた。お店を継続するのは、大変なのだろう。

さて、肝心のメニューだが、ちょっと選ぶのが難航した。
ベトナム料理といえば、フォーと生春巻と思っている我が家にとって、ここのメニューはちょっと変わっていた。しかも値段も高い。
これが「ベトナム・フレンチ」ということなのか?
確かにベトナムはフランスの植民地で、食事にもフランスの香りが色濃く残っている。だが、私がベトナムに行っていた1980年代にはその値段は驚異的に安かった。
おまけに、まだオープンして間がないせいか、店員が一向に注文を取りに来ない。頼もうと思って店員を見つめたり、軽く手を上げてみても全然目が合わないのだ。
ちょっと、何だかなあ、というのが第一印象だ。

いろいろ悩んで注文した1皿目は「ブルーマンゴーと鶏肉のサラダ」(880円)。
青パパイヤならぬブルーマンゴーという食材に惹かれて妻が頼んだのだが、その量の少なさにちょっと驚く。さすが、ベトナム・フレンチだ。

この短冊状に切られた白いウリのようなものだブルーマンゴーだ。
鶏肉、パプリカ、人参、パクチーなどと和えてある。味は酸味があり、タイ料理のソムタムから辛さを抜いたような感じだ。
量は少ないが、味は美味しい。特にブルーマンゴーの甘酸っぱさはとてもいい。
これで、値段が500円ぐらいだったら文句ない。

2皿目は、「海老のカラフル生春巻」(780円)。
何がカラフルだかわからなかったのだが、確かに本当にカラフルだ。

お皿を彩っているのは、野菜パウダーだという。
左からカボチャ、紅芋、人参、ブロッコリーの4色だ。これを生春巻につけて食べるのだそうだが、野菜パウダー自体にはほとんど味がない。

そして生春巻につけるソースは、右がマンゴーソース、左がピーナッツペースト。
圧倒的にピーナッツペーストの方が美味しい、と私は思う。

そして肝心の生春巻だが、これはどうも我が家の嗜好には合わなかった。
大きなエビが入っているのだが、ベトナム春巻きの素朴さが失われている気がした。
やはり、ベトナム・フレンチなのだ。

そして3皿目は「渡り蟹エキスの濃厚HOTフォー」(1280円)。
本当は普通のフォーが食べたかったのだが、この店のメニューにはなかった。それでもベトナムと名のつく店に来たからには、フォーを食べねばと思い注文したらこんなものが来た。

蟹の殻の後ろにパクチーがたっぷり入っている。
ただ、フォーの姿はこの段階では確認できない。

蟹の殻をよけ、パクシーを沈めるとやっと麺が見えて来た。
スープはフランス料理に登場するような渡り蟹エキスの黄色いスープだ。
私の好きなフォーとは似ても似つかぬ見た目である。

妻と取り分けてお椀に入れる。ちょっと美味しそうに見える。
だが、食べるとどうもいけない。これは合わない。美味しくない。
これも個人の好みの問題だが、普通のフォーが好きな私と妻にはまったく合わなかった。
この店にはもう二度と来ないかもしれない、ということで意見が一致した私たちは、せっかくなのでコーヒーを頼むことにした。

「コンデンスミルクベトナムコーヒー」(500円)。
アイスもできるが、ホットを頼んだ。ベトナムコーヒーはガラスのコップで出てくるのが普通だが、ホットを頼んだせいか普通のコーヒーカップで出て来た。2人分のコンデンスミルクが大きめのミルクポットに入っている。
コーヒーは少しフレーバーのある濃い目のものだった。コンデンスミルクを入れると甘いベトナムコーヒーが出来上がる。これは悪くない。
ひょっとしたら、このベトナムコーヒーだけを飲みに、また来ることがあるかもしれない。
食べログ評価3.05、私の評価は3.00。