犬と音楽

江國香織さんのエッセイを読む。「雨はコーラがのめない」。雨とは、彼女が飼っているオスのアメリカン・コッカスパニエル、要するに犬の名前だ。 彼女の作品を読むのは初めてだ。電車の中で簡単に読める短編がいいかなと思って、図書館…

あんぽん②

佐野眞一著「あんぽん」、孫正義さんのその後だ。 孫正義が16歳、高校を退学してアメリカに渡った経緯が書かれている。佐野氏は孫の恩師たちから話を聞いて回る。どの教師にも孫は強い印象を残している。 小学校の恩師は、孫のかっと…

あんぽん①

佐野眞一の「あんぽん・孫正義伝」を読み始めた。孫正義さんはまぎれもなく日本の同時代人として最も興味深い人物のひとりである。まずはそのルーツが描かれる。 孫正義は昭和32年8月11日、佐賀県鳥栖市本鳥栖町無番地で生まれた。…

宴のあと

三島由紀夫の「宴のあと」を読んだ。恥ずかしながら三島の作品を読むのは初めてだ。まず思ったのは月並みだが、文章のうまい作家だということ。 「この女主人の名を福沢かづという。かづは豊麗な姿のうちに一脈の野趣があって、いつも力…

日中戦争史

中公新書の大杉一雄著「日中十五年戦争史・なぜ戦争は長期化したか」を読み始めた。 与党が圧勝し、改憲勢力が衆参で初めて2/3を占める新たな政治状況が生まれる中で、過去の悲惨な歴史を学ぶ必要を感じる。 明治維新から日清日露を…

魯迅と日本

魯迅の「吶喊(とっかん)」を読む。 魯迅初期の作品をまとめたもので代表作「阿Q正伝」「狂人日記」などを収録する。 この本の冒頭に収録されている「自序」に魯迅の日本時代が書かれていた。 「私は、かつて四年あまりの間、しょっ…

なぜ戦争へ①

NHKスペシャル取材班編著「日本人はなぜ戦争へと向かったのか〜外交・陸軍編」を読んだ。 半分は研究者へのインタビューで期待したほどの中身ではなかったが、その中で興味を引いたのが永田鉄山という陸軍将校の存在だ。 山県有朋を…

日中国交正常化

中公新書の「日中国交正常化・田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦」を読んだ。 中央大学の服部龍二教授が情報公開された資料や関係者からの聞き取りをもとに国交正常化交渉の舞台裏を描いた本だ。日中国交正常化40周年を前にした20…

愛の暴走族

レトロなクラシック喫茶店「BAROQUE」で、北村薫・宮部みゆき編「とっておき名短編」を読む。 最初に登場する作品は、穂村弘著「愛の暴走族」。わずか4ページの短い作品だ。 とても印象的な作品だったので、そのまま書き写させ…

南京事件③

中公新書の「南京事件」をようやく読み終えた。著者の秦郁彦氏は、すでにイデオロギー論争になっていた南京事件について、出来るだけ多くの資料を集め実証的な検証を試みたのだと思う。 それでも様々な立場の人々からの批判は免れないの…

米内光政

いつものように公園一周のジョギング中、気がついたことがある。 池の水量がいつの間にか増えているのだ。七井橋のすぐ下まで水面が上がって来ている。どうしてなのか? ネットで調べてみても何の情報も得られない。なぜだろう? 阿川…

南京事件②

南京事件の話を続ける。秦郁彦氏の本の続き、南京事件に至る経過が書かれている。それによると・・・。 昭和12年7月7日 盧溝橋事件 7月11日 近衛内閣5個師団の河北派遣声明 7月末 北京・天津地区を占領 8月31日 北支…

南京事件①

図書館で中公新書の「南京事件」を借りた。著者は拓殖大学教授の秦郁彦氏。昭和61年の出版だ。ちょうどこの頃、南京事件に関する論争が熱を帯びていた。秦さんは執筆の目的をこう書いている。 「昭和47年の日中国交回復は一つの分岐…

海賊

伊勢志摩サミットが始まった。ホストの安倍さんは張り切っているが、かつてのようにサミットが注目を浴びることはない。私が報道の現場を離れているから、そう感じるのだろうか? 安倍さんは唐突に、「世界経済はリーマンショック前の状…

起業家

サイバーエージェントの藤田晋社長が書いた「起業家」という本を読んだ。 ITバブルを生き延びて日本を代表するIT企業に成長したサイバーエージェントの舞台裏を正直に書いたものだ。 この中で、意外なことが書かれていた。サイバー…

沈黙

遠藤周作著「沈黙」を読んだ。 江戸時代の日本、しかも九州の片田舎で繰り広げられていたキリスト教徒弾圧の情景が生々しく描かれている。 この小説は踏み絵を踏んだ一人の外国人司祭の心の葛藤が主題だが、その中で遠藤さんは棄教した…

蒼ざめた馬を見よ

五木寛之さんの「蒼ざめた馬を見よ」。初期の短編を集めた文庫本を読んだ。 ソ連の有名作家が密かに書いたとされる長編小説を世に出すために、新聞社を辞め、レニングラードでスパイもどきの活動をすることになった日本人記者・鷹野を主…

いのけん

図書館で「いのけん」という本を借りた。 「いのけん」とは「井の頭公園検定」の通称。2012年の井の頭自然文化園開園70周年、2017年の井の頭恩賜公園開園100周年を記念して始まったらしい。残念ながら、何年に最初の検定試…

大河の一滴

「林住期」に出会い、五木寛之さんの本を少し読んでみることにした。 「大河の一滴」・・・平成11年、1999年の世紀末に幻冬社から初版が出ている。 17年後の今読むと五木氏自身、世紀末のムードに影響を色濃く受けているように…

沖縄

沖縄国際映画祭に行ってきた。 那覇のメイン会場を視察して、桜坂劇場という小さな映画館で短編映画を2本見る。それぞれ福島と飯能を舞台にした地方創生映画だ。地方創生の予算を使ったこうした映画作りがはやっている。沖縄国際映画祭…