<岡山@グルメ>総社「オステリア ezaki」の「おまかせショートパスタランチ」&「スフォリアテッラ」

岡山市立図書館の利用者カードを作った。

私は岡山市民ではないが、岡山市内の家と農地を相続し、毎月1回は東京から通っていると説明したら中央図書館の職員の皆さんがカードを作ってくれた。

岡山市立図書館は私が訪ねた中央図書館を含めて10ヶ所の図書館があり、このカードがあればどこでも本を借りたり返却したりすることができる。

吉祥寺では日常的に吉祥寺図書館を利用しているため、岡山の滞在が長くなるにつれ不便さを感じていた。

本当にありがたいことだ。

早速、岡山の観光ガイドやキャンプ関連の本などを借り、母のためにひざ痛の関連本を3冊借りた。

その中に、非常に役立つグルメガイドがあったのだ。

『岡山のおいしい店300選』

タウン誌の編集者が選んだオススメの飲食店がずらりと並んでいた。

もちろん私が行ったことのある店はほとんど含まれていない。

農作業も一段落したことだし、妻を誘ってその中の1軒を訪れてみることにした。

私が選んだ店は古代史の舞台となった吉備路にあった。

妻もその店が一番気になっていたということで、店選びは揉めることなく即決だった。

備中国分寺の五重塔を望む田園地帯。

その店は目立った看板もなく細い路地を入った集落の中にあった。

「オステリア・エザキ」

築100年の古民家を改装した素敵な建物、大正10年に建てられたというからまさに我が家と同じ頃建てられた住宅ということになる。

イタリア付きのオーナーが6年前にオープンしたこのお店は、なんとイタリア人女性シェフが作るショートパスタの専門店だった。

お店の裏側にある小高い丘は「江崎古墳」。

6世紀後半から7世紀前半に作られたと見られる暦とした前方後円墳である。

吉備路は大和と並ぶ日本有数の古墳地帯、全国4位の規模を誇る造山古墳など巨大な前方後円墳が近くに点在している。

開店時刻の午前11時、店内に入ると高い天井を太い梁が縦横に走り、実に上手にリフォームされていた。

オーナーに聞くと、地元総社市にある「木まま」という工務店に依頼したという。

「いくらぐらいかかったんですか?」と聞くと、「それなりに」との答えが返ってきた。

でも、大きな窓から気持ち良い風が流れ込み、こんなリフォームができたら我が家ももっともっと素敵になるだろうと夢想した。

今日この店を選んだ理由の一つは、雑誌に載っていたこの古民家の写真を見たことだった。

写真から想像していた以上に素敵な家である。

玄関を入るとすぐに目に飛び込んできたのが、壁にかけられていたこのオブジェである。

よく見ると、すべて形の違うショートパスタの数々。

オーナーがイタリアから取り寄せた70種類以上のショートパスタを自作でこのオブジェにまとめたものらしい。

日本ではパスタといえばスパゲッティなどのロングパスタが主流で、これほど多様なショートパスタを扱うお店は全国でもここだけだろうとオーナーは胸を張った。

オーナーが「これも見て」と指差したのは花びらのように繊細なショートパスタ。

こうして額に入れて展示されるとまさに芸術品である。

私はこれまでショートパスタにこれほど関心を持ったことがなかった。

地域ごとに異なるショートパスタがあり、伝統的なもの以外に新しいショートパスタが今も生まれているのだろう。

面白いと思った。

さて、テーブルに案内されメニューの説明を受ける。

ランチメニューは1種類だけ。

2種類のショートパスタにサラダとアンティパストがセットになって1700円。

ドリンクとデザートは別料金だ。

田舎のレストランにしてはちょっと高めだなと思ったが、その価値は十分にある「おまかせランチ」だった。

最初に運ばれてきたのはサラダ。

オーナーが目の前でイタリアから取り寄せたというちょっとスパイシーなオリーブオイルをかけてくれる。

お皿の中央には一際目立つ大きなオリーブが一つ。

これはイタリア中部ウンブリア州産だそうで、とんでもなく美味しい。

妻が「このタネ植えてみよう」と言うので、二人で食べたオリーブの種を持ち帰ることにした。

続いて、3種類の前菜アンティパスト。

牛の尻尾のブルスケッタとズッキーニを使った料理が2品、オーナーがちゃんと説明してくれたのだが頭に入らなかった。

個人的には、ズッキーニの花を使った前菜が一番美味しかった。

そしていよいよこの店自慢の2種類のショートパスタが登場する。

まずは、車輪型をしたショートパスタ「ロテッレ」。

イタリア全土で食べられているポピュラーなものだという。

イワシとフェンネルが添えられていて、見た目もとても美しい。

フェンネルの黄色い小さな花も入っていて、食べると爽やかなハーブの香りが口の中に広がった。

美味しい。

これほど本格的なイタリア料理は東京でもなかなかお目にかかれない。

続いては、断面がS字になっているショートパスタ「カザレッチェ」。

オーナーがアマルフィ海岸の南にある小さな町で食べた味を忘れられず再現したものだそうで、アンチョビの汁で味付けした塩味の強いパスタだ。

パスタは固茹でにされ、味もしっかりしていてとても旨い。

さすがショートパスタを売りにするだけのことはある。

ランチを食べ終わり、追加で「エスプレッソコーヒー」(250円)をいただく。

窓際に置かれた食器棚から自分の好きなカップを選び、オーナーが運んできた「マキネッタ」と呼ばれるエスプレッソメーカーから濃いコーヒーをカップに注ぐ。

嬉しいことにエスプレッソはマキネッタのまま提供されるので、1杯目を飲み終わった後、おかわりが可能なのだ。

妻は「本日のドルチェ」(350円)を注文した。

今日はキャロットケーキと柿のシャーベットだった。

これはこれで美味しかったのだが、その後に運ばれてきた私が注文した「スフォリアテッラ」(500円)に比べたら陳腐に感じてしまう。

それほど初めて食べた「スフォリアテッラ」は印象的なドルチェだった。

ナポリ名物の焼き菓子だそうで、貝殻をかたどったひだが何層もあるパイ生地の中にリコッタチーズやカスタードクリームが収まっている。

口に入れるとサクサクパリパリという独特の食感があり、圧倒的な存在感を放つ。

これは最高に美味い。

まさか岡山の田舎でこんな美味しいイタリア家庭料理が味わえるなんて想像もしていなかった。

偶然見つけた最高のレストラン。

しかし残念なことに、来月で閉店することがすでに決まっているという。

会社を定年後お店を始めたオーナーの体調面の問題だそうだ。

こだわりにこだわって作ったお店だとわかるだけに、本当に残念である。

でも閉店前に駆け込みで訪れることができ、料理だけでなく美しくリフォームされた古民家もとても参考になった。

これからも東京では出会うことのできない田舎のお店を探して岡山県内を探索してみたいと思った。

食べログ評価3.21、私の評価は4.00。

「オステリア ezaki」
電話:080-3058-8105
営業時間:[月~金]11:00~14:00
               [月・火]18:00~20:00
定休日:土曜、日曜
https://osteria-ezaki.com/
※2023年7月21日で閉店予定

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