今日は敬老の日。
総務省が発表した日本の高齢者の人口は過去最多の3617万人で、総人口に占める割合、すなわち高齢化率も28.7%と過去最高となり3.5人に1人が高齢者となった。
日本の高齢化率が世界一なのは変わらないが、驚くのは2位のイタリア(23.3%)にぶっちぎりの大差をつけてのダントツの一位だということだ。
こんなに年寄りが増えて、日本はどうなってしまうのだろう?
私も残り2年半で高齢者の仲間入りをするが、その頃には高齢化率30%の大台を突破するかも知れないと思うと、長生きするのが申し訳なくなってくる。
団塊の世代も70歳を超えたため、今年は70歳以上という切り方で分析した記事をよく目にした。
何と日本人女性の4人に1人が70歳以上なのだという。
これって、驚くべき数字と言わなければならない。
日本は今、かつて人類が経験したことのない「超お婆さん国家」となっているのだ。
敬老の日のニュースに合わせて、長寿のチンパンジーをお祝いする動物園の話題が紹介された。
そのチンパンジーは40数歳で、人間の年齢だと80歳ぐらいだそうだ。
そんなニュースを見ながら、私の頭に一つの疑問が頭に浮かんだ。
人間という動物は、他の生き物と比べて恐ろしく長生きなのではないか?
長寿のシンボルとされる鶴や亀は、実際にはどのくらい生きるのだろう?
4連休で各地の人出が急増したというニュースを聞きながら、街にも出ずに自宅に引きこもっている私は、動物の寿命について調べてみることにした。
すると、こんなことがわかった。
まずは、鶴の寿命から・・・
ウィキペディアによれば、動物園で飼育されている鶴で50年から80年程度、野生だと30年ぐらいしか生きないらしい。
鳥類としては長生きなのだろうが、人間に比べると大したことはない。
ならば、亀はどうか?
確実な長寿記録としては152年という記録が最高らしいが、不確実なものもいれれば200年以上生きたというゾウガメもいたようだ。とはいえ、一般的なクサガメの寿命は30〜40年ほどだという。
ある意味では、人間の平均寿命80歳超というのは動物界では驚異的な長寿ということになるのだろう。
そんなことを調べていたら、どんどん興味が湧いてきて、動物の寿命について調べてみることにした。
ネットで調べるといろいろな情報が出てくるのだが、どうも出典の定かでないものが多い。
全体的に見ると、人間よりも長寿な動物といえば、貝類やクラゲといったものが上位に来るようだ。
そんな中に、「ナショナルジオグラフィック」のサイトで「最も高齢な動物たち、6つの例」という面白い記事を見つけたので引用させてもらおうと思う。
◆ 1. 明王朝時代の二枚貝
生まれた当時中国を支配していた王朝の名を取って「明」(ミン)と名付けられた深海の二枚貝をご存知だろうか。この貝は2006年に命を終えたとき、それまでに記録された世界最古の生き物だと考えられた。
このアイスランドガイ(学名Arctica islandica)は507年間生きた後、不慮の死を遂げた。
2006年、科学者らが気候変動の調査のため、研究室に持ち帰ろうとアイスランド沖で引き揚げた約200個の貝を船上で冷凍した。この時に貝はすべて死んだが、研究室で調べたところ、そのうちの1つが非常な高齢であるとわかり、明と名づけられた。
泥の中にはもっと高齢の貝が潜んでいるかもしれないが、明は死後の名声を得ることができた幸運な貝だったとも言える。
出典:ナショナルジオグラフィック
果たして、死後にどうやって年齢を測ったのだろう?
507歳という根拠が説明されていないが、研究者が冷凍しなければこの貝はもっと生きられたということになる。
◆ 2. 巨大なホッキョククジラ
2007年、130歳のホッキョククジラが死んだ。このクジラはその年、エスキモーが国際捕鯨委員会監視下での先住民生存捕鯨の最中に捕えたもの。
クジラの首から百年以上前に製造された銛の尖頭が出て来たため、クジラの年齢が特定できた。専門家によると、発見された尖頭は1880年頃に操業していたニューイングランド地方の工場で作られたものだったという。
ホッキョククジラは、極寒ながら食物の豊富な北極の環境に適応し、代謝がゆっくりであることなどから、およそ200年は生きられると考えられている。
出典:ナショナルジオグラフィック
ホッキョククジラは、脊椎動物では最も長寿な生き物としていろんなサイトで紹介されている。
ただ、こちらも人間が飼育して確認した年齢ではない。
◆ 3. 鯉の花子
信憑性が疑われてはいるが、日本の岐阜県で飼われていたコイで1977年に永眠した花子は、226歳という堂々たる年齢だったという。魚の鱗は年輪のように数えることができ、鱗から花子の年齢が推定された。
コイは観賞用の生き物としてアジアで人気があり、最高級のコイは数千ドルもする。平均的な寿命は47年ほどだ。
出典:ナショナルジオグラフィック
鯉も長生きという話は聞いたことがあるが、226歳というのはどの程度信じられるのだろう?
平均寿命が47歳だとすると、ちょっと長寿すぎる気もするが・・・。
◆ 4. 知恵という名のアホウドリ
「ウィズダム(知恵)」と名付けられたアホウドリは、鳥の世界で最も高齢な母鳥かもしれない。2012年に62歳で推定35羽目のヒナを孵し、今も太平洋のミッドウェー環礁国立自然保護区で元気に生きている。
高齢な鳥はほかに、82歳のソデグロツルや、80歳を超える個体もある飼育オウム、フラミンゴなどがいる。そう、フラミンゴは長生きだ!
出典:ナショナルジオグラフィック
こちらはどうやら研究者がずっと観察しているようなので、年齢は確かそうだがそれでも人間と比べると特段長寿というわけではない。
◆ 5. ロンサム・ジョージはまだ中年
ゾウガメも長寿で有名だ。イギリス史上最高齢とされたゾウガメのトーマスは、昨年、ネズミに齧られた脚の傷が細菌感染し、130歳でこの世を去った。2012年にガラパゴス国立公園で亡くなったロンサム・ジョージは、まだ中年と言える推定100歳だった。
トーマスよりももっと高齢のカメもいる。
18世紀にジェームズ・クックがトンガ王国に献上したトゥイ・マリラ(Tui Malila)は188歳まで生き、インドのアドワイチャは2006年の死亡時には少なくとも150歳、もしかしたら250歳だった可能性もあるとされる。「ダーウィンのカメ」として知られるガラパゴスゾウガメのハリエットは、およそ176歳まで生き、2006年にクイーンズランド州のオーストラリア動物園で大往生した。
出典:ナショナルジオグラフィック
このニュースは私も記憶がある。
ゾウガメはまさに長寿の代表格だが、ネズミに脚をかじられて死んだというのは知らなかった。
◆ 6. 不死のクラゲ
高齢の個体名を挙げることはできないが、1880年代に地中海で発見された、厳密には決して死なないクラゲ、ベニクラゲ(学名Turritopsis dohrnii)を忘れてはいけない。
このクラゲは死ぬ代わりに、成熟個体から若返って未成熟のポリプに戻ることができ、そのサイクルを繰り返す。我々人間が不死になりたければ、ベニクラゲと仲良くするとよいかもしれない。
出典:ナショナルジオグラフィック
死なない生き物というのはズゴイ。
一般的に単純な生き物の方が長生きするらしく、海綿などは1500年生きるという記事も目にした。
そう言われてみると、人間でも、あれこれ悩まずに単純に生きている人の方が長生きなような気もする。
動物の話の後で恐縮ではあるが、アメリカでは今、一人の高齢女性の死が大きな議論を呼んでいる。
亡くなったのは、米連邦最高裁判所でリベラル派の代表格だったルース・ギンズバーグ判事で87歳。
クリントン大統領が指名し、27年間最高裁の判事を務めた。
アメリカの最高裁判事は終身制なので、いつ亡くなるかによってアメリカの司法判断が大きく変わってくるという。
現在は最高裁判事9人のうち5人が保守派、4人がリベラル派だが、その比率はトランプ政権で逆転した。
トランプ政権の4年間に亡くなった最高裁判事は彼女で3人目となり、その都度保守派の判事が選ばれてきた。
早速トランプ大統領は、リベラル派のギンズバーグ判事の後任に保守派の判事を指名しようと動き始めた。
もし議会で承認されれば、当分の間アメリカの司法は保守派が圧倒的に優勢となる。
民主党は大統領選挙後に後任を決めるよう要求しているが、トランプさんと共和党は大統領選前の指名承認を目指していて大きな政治問題になっている。
長生きしすぎるのも問題があるが、人間、死ぬタイミングも重要なのだ。
これ以上、トランプさんが世界を混乱させないよう、ギンズバーグさんの後任選びにも関心を持って見守っていきたいと思う。