香港 民主派圧勝

過激化した若者たちと警官隊の衝突で、実施が危ぶまれた香港の区議会議会選挙。

香港当局は、予定通り実施することを選択した。

結果は、民主派が議席の85%を獲得し圧勝。

私の予想は完全に外れた。

私は、一部の学生がまだ大学構内に止まっていることを理由に香港当局は延期を発表するのではないかと思っていた。

もし実施されるのであれば、中国本土から新規住民を大量に送り込み、親中派に投票することを予想していた。

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しかし、選挙は予定通り行われ、投票所には長い列ができた。投票率は過去最高の71%。もともと政治より経済に関心が高い香港では、考えられないほど多くの人が一票を投じた。

投票所の前にできた長い列は、私が現役記者として取材した1994年の南アフリカでの全人種参加の初めての選挙と同じような高揚感を感じた。

得票率では、民主派が57%に対し、親中派が41%。今回は小選挙区制が民主派に絶対多数を与えた形だ。

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この選挙結果は、香港に何をもたらすのだろうか?

林鄭月娥行政長官は、「社会の現状に対する市民の不満が反映された。香港政府は今回の選挙結果を尊重する」との声明を出した。

彼女は香港市民の怒りに理解を示していて、中国政府との間で苦しい立場に立たされていた。問題は、中国政府からどのような指示が来るかという一点だ。

区議会議員にはさほどの権限はないので、直接的な影響はない。ただ、中国にはチベットやウイグルなど力で押さえ込んでいる民族問題を抱えている。今回の敗北で中国国内の規律が乱れることは絶対に許されない。

一方で、今回の選挙結果が、香港市民の意思を国際世論に強く印象付けたのは間違いない。中国政府も迂闊に手を出しにくくなった。

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私が期待するのは、中国が治安回復を優先して、しばらく静観するというシナリオだ。中国には、長いタイムスパンで問題を解決するという伝統がある。

選挙までに成果を出さないといけない民主主義国家と違い、選挙がない中国では何年、何十年という時間軸でゆっくりと飲み込んでいくという大蛇のような技がある。

「一国二制度」を守ると言っても、あと二十数年経てば、香港は中国に完全に取り込まれることになっているのだ。植民地としてイギリスに奪い取られた香港がめでたく中国に戻ってくるのだ。

その頃には、香港も中国も変わっているだろう。

今、無理して国際的な非難を浴びなくても、治安状況さえ回復すればしばらく静観することはできるだろう。

でももし香港の治安状況が改善しなかったり、中国本土に飛び火するような事態が起きれば、そんな悠長なことは言っていられなくなる。断固たる行動に出るだろう。

中国が断固たる行動に出る時は、私たちが戦慄するような事態が起きる可能性もある。

香港の若者たちには、暴力ではなく一般市民と足並みをそろえた民主的な闘争の道を選んでもらいたいと心から願う。

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