織り込み済み

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EU離脱をめぐりイギリス議会はメイ首相が提出した離脱案を大差で否決した。

しかし、このニュースにマーケットはまったく反応しなかった。

 

否決は「織り込み済み」だったということのようだ。

確かに、メイ首相がまとめた案は否決されるだろうと見られていた。悪いニュースであっても、それが事前に予想されていれば市場は事前に織り込んでしまう。そういうものだ。

しかし、この「織り込み済み」という用語も多分に後付けの要素が強い。良い材料も悪い材料もその結果として株価が大きく動けば「サプライズ」、動かなければ「織り込み済み」と分析される。ただ、一時的に「織り込み済み」とされていたニュースも少し経ってから激震を引き起こすことがある。

「織り込み済み」というのは、あくまでもマーケットが描くメインシナリオに沿った形で織り込んでいるだけであって、すべての悪材料を織り込んだわけではない。今回のケースで言えば、誰もハードクラッシュを望んでいないので、きっとEUが期限の延期に応じるだろうというのがメインシナリオなのだ。

人間の予想など、ほとんどあてにはならない。イギリスがどこに向かうのか、今の段階では誰にも予想がつかないのだ。

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織り込み済みという意味では、この人の引退も予想されたことだった。

稀勢の里がついに引退を決断した。

横綱としては史上最悪の8連敗。あがいて、あがいて、結局は不名誉な記録を作っての引退となった。

「土俵人生において、一片の悔いもない」と、稀勢の里は引退会見で語った。

決して「潔い」引退ではなかった。

それでも最後まで稀勢の里を応援する声が聞かれたのは、絶頂から一転奈落に転落した横綱のあまりに悲劇的な運命に誰しもが同情を禁じ得なかったためだろう。

大関時代には決して人気があったとは言い難かった稀勢の里。課題だったメンタルの弱さを克服して、待望の日本人横綱に登りつめた時、日本中が予想以上の歓喜に沸いた。本当に人の運命はわからない。そして世の中の評価も、ある日突然変わってしまうのだ。

サプライズがあるから面白い。

サプライズがあるから怖いのだ。

「織り込み済み」という言葉など、私はまったく信用しない。

 

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