イラン合意破棄

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トランプさんがまた暴れた。

オバマ政権が国際社会と連携して、苦労してまとめたイラン核合意を破棄すると発表したのだ。

トランプさんは何が気に入らなかったのか? テレビを見てもよくわからない。米朝会談を睨んだ対応などという解説をする人もいたが、結果的にはそういう効果もあるだろうが、まさか北朝鮮のためにイランとの関係をぶち壊すことはないだろう。

そこで、トランプさんの会見内容を読んでみた。

イスラエルとユダヤロビー、石油業界、さらに軍需産業などの影を強く感じる。

彼らはまさに伝統的な共和党の支持母体。世界から「アメリカの敵」が消えてしまうと困る人たちがいるのだ。

せっかくなので、トランプさんの会見全文を日経新聞から引用しておく。

 

『 米国のみなさん、今日、私はイランが核兵器を獲得することを防ぐための我々の努力について最新の発表をする。

イラン政権はテロに資金提供する主導的な国家だ。危険なミサイルを輸出し、中東の混乱をあおり、テロリストの代理人や武装派組織ヒズボラやハマス、タリバン、アルカイダのような民兵を支援している。

長年にわたりイランとイランの代理人は米国大使館や軍事施設を爆撃し、米国軍人を何百人も殺害、誘拐、投獄し、また米国市民に拷問を加えてきた。

イラン政権は自国民の富を略奪してこれを資源に混乱とテロの上に長く君臨してきた。この政権が核兵器を追求することに何の行動もとらないほど危険なことはない。

2015年に米前政権はイランの核開発計画に関して他国と歩調を合わせて合意に至った。これは「包括的共同作業計画(JCPOA)」と呼ばれている。

理論的には「イラン合意」と呼ばれるものは米国とその同盟国をイランの核爆弾の狂気から守るためのものだった。実際にはこの合意によりイランはウランの濃縮を続け、長期的には核戦争の勃発間際に至るようなことを許してしまった。

合意は経済制裁を解除し、代わりに政権の核活動に非常に弱い制限しか与えなかった。シリア、イエメンやその他全世界に対し、意地の悪い、悪意ある行動を無制限に許した。

米国が最大の影響力を持てたときに、この破滅的な合意はイラン政権に数十億ドル、その一部は現金を手渡したことになる。一般市民として私や全米市民にとりとてつもないきまり悪さだ。

その時点で建設的な合意は簡単に成立できたはずなのにそれがなされなかった。イラン合意の根底にあるものは、殺意ある政権が平和的な核燃料プログラムだけを望んでいる、という巨大な絵空事だ。

今日、このイランの誓約は虚偽である確証が得られた。先週、イスラエルはイランが長い間隠匿していた諜報(ちょうほう)記録を公表し、イラン政権がこれまで核兵器を開発していた事実があると結論づけた。

この核合意は実のところ恐ろしく、一方的に決定されたもので、決してあるべき行為ではない。これは世界に平和をもたらすものではなく、今後もそれはあり得ない。

この合意が締結されて以降、イランの軍事予算は40%も増加する一方で国内経済は極めて不振に陥った。経済制裁が解除されるとイランの独裁政権は新たな資金を使って核装備が可能なミサイルを開発し、テロを支援し中東やそれ以外の地域に破壊をもたらした。

核合意の交渉内容は非常にお粗末だったため、イランがたとえ完全に合意内容を遂行したとしても、イラン政権は短期間に核によって国の包囲を突破することが可能だ。核合意のサンセット条項はまったく受け入れることができない。

もし私がこの合意内容を維持することを許したとしたら、まもなく中東で核兵器開発競争が起こるだろう。イランが核兵器を装備する前に各国が核兵器を装備したいと思うだろう。

さらに悪いことに核合意で設定された検査修正条項では、違法行為を防止し、感知し、制裁を与えるメカニズムが欠如しているばかりか、イランの軍事施設など重要な場所を検査する無条件の権利も要していない。この合意はイランによる核兵器開発への野望をくじくことができないばかりか、イラン政権による核兵器を装備した弾道ミサイル開発の事実を表明すらできていない。

最後に、この合意内容はテロの支援を含めたイランの不穏な活動を抑制することがまったくできない。

この合意がなされて以降、イランの恐ろしい野望は一段と燃えたぎっている。こうした状況に照らして昨年10月に私はイラン核合意は再交渉か撤廃すべきだと主張した。その3カ月後の1月12日、同じことを再度表明した。もしこの合意内容を修正できなければ、米国はこの合意から離脱することを明示した。

過去数カ月にわたり我々はフランス、ドイツ、英国など世界の同盟国と関係を築き、中東の同胞とも協議してきた。脅威に対する理解と、イランが核兵器を持つべきでないという確信を共有している。

協議に基づき、腐敗した現在の合意の枠組みではイランの核爆弾保有を防げないということは明かだ。イラン合意は根幹から欠陥があり、我々が行動を起こさなければテロ支援国家が世界で最も危険な兵器を手にすることになるだろう。

従って米国はイランとの核合意から離脱することを表明する。

数カ月以内に、イランに対する制裁を再開するための大統領覚書に署名する。最高水準の経済制裁を制定する予定だ。イランが核兵器を取得することを支援する国も米国から厳しい制裁を受ける。

米国は核脅威によって人質にとられることはない。「米国の終わり」を唱える国が地球上で最も破壊的な兵器を得ることは許さない。

今日の発表のメッセージは明確だ。米国は今後口先だけの脅迫はしない。私は約束をしたら守る。この瞬間にもポンペオ国務長官が金正恩(キム・ジョンウン)との会談の準備のため、北朝鮮に向かっている。計画が練られ、関係も築かれている。何かしらの取引が成立することを期待する。中国、韓国、日本との協力によって全ての人にとって安全と繁栄が実現するだろう。

イランとの合意から脱退するにあたり、米国は同盟国と共にイランの核脅威に対する包括的で持続的な解決策に取り組んでいく。同盟国と共に取り組んでいく。これはイランの弾道ミサイルの脅威の除去、世界的テロ活動の停止、中東における威嚇的な行動の防止が含まれる。

一方で、強力な制裁も完全に発効される。もしイラン政権が核開発の野望を抱き続ければ、かつてないほどより大きな問題を抱えることになるだろう。

最後に、長く苦しみ続けてきたイラン国民にメッセージを送りたい。米国民はあなたたちとともにある。独裁者が政権を握り、誇りある国家を人質に取ってから40年近くがたつ。8000万人のイラン国民のほとんどは悲しいことに、イランが平和のなかで隣国とともに繁栄し、世界から称賛を集めていたことを知らない。

だがイランの未来は人民のものだ。彼らは豊かな文化と古代から続く土地の正統な継承者だ。イラン国民は彼らの夢を正当に扱う国家、歴史に対する名誉、そして神への栄光に値する。

イランの指導者は新たな合意の交渉は断ると言うだろう。断ってもかまわない。もし私が彼らと同じ立場にいたら、おそらく同じことを言う。だが真実は、彼らはイランとイラン国民のすべてに利益をもたらす新しくて継続できる合意を欲するだろうということだ。

彼らが(新しい交渉を)するという時、私は準備があるし、そうしたいし、できる。イランにとってすばらしいことが起こるだろう。中東で私たちすべてが欲している平和と安定に向けて、すばらしいことが起こるだろう。あまりにも多すぎる苦しみと死、破壊があった。それを終わらせよう。ありがとう。神の祝福あれ。ありがとう。』

 

「正義の味方」が暴君に変わった時、世界に何が起きるのか?

危険な実験が続いている。

 

 

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