働き方改革

秋晴れの朝、目黒に行った。

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「ホテル雅叙園東京」、昔の目黒雅叙園だ。

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入り口には立派な生け花。季節はもうすっかり秋だ。

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いつもマダム達で賑わっている雅叙園も、さすが平日の朝は静かだ。

ここに何をしに来たかと言うと、ビジネスセミナーを聴講するためだ。テーマは今流行りの「働き方改革」だ。朝10時から午後5時まで、様々な講師の話を聞いた。

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この1日セミナーで記憶に残ったことをいくつか書き残しておきたい。

① 労働生産性

「働き者の国」日本の労働生産性は、OECD加盟国34カ国中21位で、G7先進7カ国の中で最下位なのだそうだ。トップのルクセンブルクの生産性は日本の2倍以上、2位はノルウェイ、3位はアイルランドだそうだ。

働き方改革とは、単なる時短ではなく、この労働生産性をいかにして他の先進国並みに高めるかという視点が重要だと教えてもらった。

② 文化の変革

多くの講師が語ったのは、単に残業規制を進めるのが働き方改革ではないこと。大切なのは、「会社の文化を変えることだ」と口をそろえる。「経営改革」と表現する人もいた。仕事のやり方を変えずに労働時間だけを削ろうとすると、現場が疲弊し業績が落ちる。本来の働き方改革は一人一人の社員の生産性を高め、会社の業績を伸ばすものでなければならないという。確かにその通りだろう。

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元Googleの人材開発担当者だったピョートルさんは、「日本人は好奇心が足りない」と話した。

なぜ日本企業は世界のトップから落ちたのか? ピョートルさんは「新しいビジネスの考え方」として5つのキーワードをあげた。

1. 新しい行動パターンを作る、2. 一見愚かなアイディア、3. 競争が厳しい飽和マーケットにも参入、4. まずマネタイズしない、5. 経験がない創立者。

例えば民泊のAirB&B、今では世界最大のホテルチェーンであるハイアットグループを時価総額ではるかに凌ぐ宿泊業の世界ナンバー1に成長した。彼らは上記の5つの条件を満たしただけでなく、そのビジネスを通して世界の人をつなぎ「世界平和」に貢献するという目標を掲げている。単なる金儲けの企業には、人材が集まらない時代になったのだ。

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日本企業の問題として、「ピラミッド型構造」をあげた。彼は「ピラミッドって、お墓なんですよね」と笑わせた。言われてみれば、確かにそうだ。お墓の一番下で、従業員が死んでいるのが古い日本企業のイメージだという。

自社にこだわる「クローズド型」、上意下達の「トップダウン」、そしてユーザー無視の「商品重視」。これも今の世界のトレンドから取り残される要因と指摘した。

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そして会社の役割は、従業員がその能力を十分に発揮できるような環境を提供することだと、ピラミッドから木のイメージへの転換を説いた。

ピラミッドから木への転換は、終身雇用制度の終焉を意味すると私は感じた。若者は木の方が魅力的だろうが、シニア社員は適応できるか。私の会社にどのように当てはめられるのか、現実は理想通りには行かなそうだ。

私自身は、ピラミッドより木の方がはるかにしっくりくる。多様なスタッフが集まり、誰もやったことのないような仕事をするのが好きだ。自由な雰囲気の職場で、みんなが私服で仕事をする今風の会社は楽しそうだと感じる。

単純作業は機械に任せてクリエイティブな仕事だけを人間が行う。今世界が目指している仕事のやり方は、間違っていないと思う。ただ、全ての人がその流れについていけるか? 社員教育で、みんながクリエイティブな仕事ができるようになるのかは、やはり疑問だ。

ピョートルさんはこれから従業員に求められる能力を「変化に適応して、新しいものを生み出す」ことと話した。

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自動車産業に、アップルやグーグル、さらにダイソンなど異業種が続々と参入する時代だ。数年前には予想もしなかったライバルが現れて、業界の勢力図が一夜にして激変する。

今流行りの「働き方改革」は、単なる残業削減ではなく、企業文化や組織の抜本的な改革が求められているのだということがよくわかった。

 

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