新年の三連休を利用して、岡山に帰省した。妻は年末年始の体調不良のためキャンセルし、三男と2人の旅となった。朝6時20分、吉祥寺駅発のリムジンバスで羽田空港に向かった。
主な目的は、裏山の竹やぶを何とかすることだ。
チェーンソーを購入し、毎年年末に帰省して竹を切るようになってもう何年になっただろう。
おそらく、5年?
最初は自分のチェーンソーを持つのが格好いいと思ったのが始まりだ。
埼玉にあるコマツの教習所でチェーンソーの基礎を習った。学科が中心で木を切る実技はほとんどなかった。
そしてネットで調べて、チェーンソーを売っている会社を見つけわざわざ買いに行った。この店も確か埼玉だった気がする。
林業用の外国製のヘルメットや長靴、手袋なども買った。色はオレンジ。日本のものに比べて圧倒的に格好いい。本当は上下のウエアも欲しかったのだが、実際にどれほどできるか予想がつかなかったので、とりあえずは我慢することにした。
裏山の竹やぶは荒れ放題だった。びっしりと竹が密集し昼間でも日が差し込まない。足を踏み入れることさえ困難な状況だった。
最初の年は、妻と2人で作業を始めた。私はおっかなびっくりチェーンソーを扱って竹を切った。これはなかなかの重労働だ。竹を切ること自体はそれほど難しくはない。しかし、竹は長くて扱いにくいうえ、想像以上に重いのだ。
それでも、作業そのものはとても楽しかった。日頃使わない筋肉を使い、爽快な疲労感が清々しかった。
妻は剪定バサミを使って竹の枝を切り落とす作業を担当したが、案外面白かったようだ。
2年目からは三男が同行してくれるようになった。男2人で作業をすると、1人の時よりずっとスピーディに事が進んだ。チェーンソーの扱いにも少しずつ慣れてきた。
それ以来、毎年年末の岡山行きが続いた。一般的に木の伐採は冬が適している。夏は山は生命の息吹に溢れ、作業がしにくい。最近ニュースにもなるマダニも厄介だ。
一番の理由は暑さ。夏に無理をするとあっという間に倒れてしまう。その点冬はいい。寒くても作業を始めると、すぐに暑くなってくる。一日中作業していても、暑さにやられることはない。
今年は暦の関係で、新年になった。就職が決まった三男はこれが最後の竹やぶとの格闘となるだろう。
それにしても、竹の生命力は凄まじい。二日ほどの作業で少しずつスペースを作っても、春になると新しい竹が生えてきて、一年でもとの高さに成長する。
だから毎年同じような作業を繰り返しているに過ぎないのだ。無駄といえば無駄である。少し竹を切った場所には太陽の光が差し込むようになり、ますます若竹の成長を促す。
これまでは竹を切る行為そのものを楽しんでいたのだが、そろそろ抜本策を考えるべきかもしれない。
息子にネットで竹の駆除方法を調べさせた。竹にドリルで穴を開け、強めの除草剤を流し込んでガムテープで穴を塞いでおく。すると3カ月ほどで枯れるらしい。ホールセンターで除草剤コーナーをのぞくと、確かに竹の駆除用という薬が売られていた。
これを使って根絶やしにすることも真剣に考える必要がある。というのも、竹というものは地下茎でどんどん勢力範囲を広げていくため、すでに他の人の敷地にまで侵食し始めているのだ。これは放置できない事態だ。
ただし、この作業は夏にやるのだという。竹の成長が一段落したところを狙うのだ。しかも、一本一本穴を開け除草剤を流し込む必要がある。これまた根気のいる作業だ。
今年の夏に試してみようと思う。果たして、どのような結果になるか。
本格的には退職後に一気に片付けるしかないだろう。
大変ではあるが、ちょっと楽しみでもある。
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