<きちたび>「世界一幸福な国」フィンランドで乗った電動キックボードが、4月から日本でも解禁へ

コロナ禍ですっかり変わってしまった日常。

私の旅行計画もめちゃくちゃになってしまった。

しかし、過去の旅行を振り返るだけでも楽しいので、緊急事態宣言が解除されたタイミングでこれまで行った旅行の話を絡めながら<きちたび>の新規投稿を始めてみようと考えた。

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今回取り上げるのは、森と湖の国フィンランド。

日本ではサンタクロースとムーミンの国という印象が強い北欧の国だ。

私は2019年の夏に初めて訪れた。

このフィンランドが「世界一幸福な国」に4年連続で選ばれたそうだ。

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BBCの記事を引用しておく。

このランキングは米調査会社ギャラップのデータを元にまとめられたもの。149の国と地域を対象に、自分の幸福度を評価してもらった。社会的支援や個人の自由、国内総生産(GDP)、汚職の深刻さといった指標も考慮されている。

フィンランドは「パンデミックの最中、人命と生活を守るのに役立つ、他者との相互の信頼関係に関する複数の指標で非常に高い順位を示した」と、著者たちは指摘した。

米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、人口約550万人の北欧フィンランドは新型ウイルスの感染者が7万人強、死者が805人と、欧州諸国の大半よりもはるかにうまくパンデミックに対処できている。

引用:BBC

ちなみに日本は、幸福度ランキング56位だったそうだ。

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私が訪れたのは首都のヘルシンキだけだが、決してキラキラした印象はなく、実に朴訥とした街である。

フィンランド人の精神性、あるいは考え方を表わす「SISU(シス)」という言葉があるという。

北欧流ワークライフデザイナーの芳子 ビューエルさんが、この「SISU」について書いている文書を引用させていただく。

SISUには相応する的確な日本語訳がありませんが、おおむね「過酷な状況や劣勢にあっても何かを継続する志や我慢強さ、忍耐力、強い精神性」というのが近いイメージでしょうか。

フィンランドをよく表わすこの言葉が世界的に知られるようになったのが、1939年から40年まで続いた冬戦争と言われています。フィンランドはもともと小国ゆえ、つねに周りの国々の争いに翻弄されてきた歴史があり、過去には4つの国を挙げての戦争を経験しています。この冬戦争はソビエト連邦がフィンランドに侵攻した戦争で、フィンランドはこの侵略に抵抗し、多くの犠牲者を出しながらも独立を守りました。

この戦争ではフィンランドはソビエト連邦に比べ、兵隊数では1/4、戦車数では1/220、そして航空機では1/30と、どう見ても劣勢でした。しかも最低気温がマイナス50度にもなる過酷な環境下で地上戦を戦い抜くには、「継続性のある努力とあきらめない精神力」が必要とされていたわけです。

引用:東洋経済ONLINE「幸福な国「フィンランド」と日本の決定的な差」

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しかし、フィンランドは質実剛健だけの国ではない。

鉄道、バス、タクシー、飛行機、フェリーにシェアサイクルなど、タイプや運営事業者の異なるいろいろなモビリティサービス(交通手段)を共通のプラットフォームで利用し、目的地まで最適のルートで移動できるようにする「Mobility as a Service」、通称「MaaS(マース)」という考え方をいち早く実践したのがフィンランドである。

2019年私がフィンランドを訪れた目的の一つは、この「MaaS」を体験することだった。

その時に書いた記事を転載する。

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姉妹サイト「旅したい.com」から転載

<フィンランド>「MaaS先進地」ヘルシンキで、話題のシェア電動スクーター「Lime-S」に乗ってみた

🇫🇮フィンランド/ヘルシンキ 2019年8月2日~5日

「MaaS」という言葉を最近日本でもよく耳にするようになりました。

「Mobility as a service」の略で、テクノロジーを使ってあらゆる交通手段をシームレスにつないで目的地まで移動しようという新しい交通の考え方です。

その先進国として世界から注目されるのが北欧のフィンランド、中でもヘルシンキです。

ITにあまり強くない私も、せっかくなのでほんの少しだけ体験してみました。

シェア電動スクーター

「電動スクーター」というものをご存知でしょうか?

こちらが、電動スクーター。私たちが宿泊した宿のすぐ近くに並んでいました。

ヘルシンキの街を歩くと、このように至る所でこの電動スクーターを見かけます。これは、最近日本でも増えてきた「シェア自転車」のように、スマホを使って利用できるシェアリングサービスとして急速に普及しています。

こんな感じでヘルメットもかぶらず気楽に乗っています。

電動なので、自転車と違って漕がなくてよく、スピードも出ます。ヘルシンキではみんなゆっくりと走っていましたが、最高25kmほど出るそうです。

中には2人乗りしている人たちもいます。

馬力も結構あるようです。そして何より楽しそう・・・。

「私もこれに乗ってみたい」

ヘルシンキ滞在中の、私の新たなテーマができました。

DNAのSIMカード

シェア電動スクーターを利用するためには、スマホが使えなければなりません。

私は海外ではなるべくスマホを使わない主義で、何か調べたい時には宿のwi-fiを使い街中では勘に頼って旅をします。だから多くの旅行者が利用しているプリペイド式のSIMカードというものを使ったことがありませんでした。

でもそんなことは言ってはいられません。

早速ネットで調べ、SIMカードを買いに行きます。

お店は、ヘルシンキ中央駅にほど近い商業ビルの中にありました。

フィンランドで最もポピュラーなのは、ここ「DNA」という会社のSIMカードのようです。

DNAのSIMカードは空港や街中のキオスクでも買えるようですが、参考までに私が行ったお店の地図を載せておきます。

せっかくなので旅行中EU内のほかの国でも使えるSIMカードが欲しいと思ってやる気なさそうな店員のお兄ちゃんに聞いてみたのですが、「そんなものないよ」と言いながら5日間使えるプリペイドSIMを出してくれました。

こちらが私が購入したSIMカード。

DNA社「Super Prepaid 4G」

価格は5ユーロ、日本円でわずか600円ほどです。

仕組みはとてもシンプルで、4Gネット使い放題で1日0.99ユーロ。

5ユーロ分チャージされているので、電話などしなければこれ1枚で5日間ネットが使い放題となります。めちゃめちゃ安くないですか・・・。

さらに使いたければ、追加のチャージも可能で、有効期間は使い始めから6ヶ月。よく意味がわかりませんが、最後にチャージしてからさらに12ヶ月有効とも書いてあります。

さらにさらに、EUなど100ヶ国以上で使用可能と書いてありました。

あの店員のお兄ちゃんと言うことが違うと思いましたが、ほかの国でも試してみましたが、つながりませんでした。何か設定の問題かもしれません。

中には、こんなカードが入っています。

金属が付いた部分がSIMカードで、お使いのスマートフォンの規格に合うサイズ(ミニ・マイクロ・ナノ)に切り取って日本のSIMカードと差し替えます。

電源をONにすると、そのままネットに接続しました。私が使用するネット検索や地図のチェックなどでは全くストレスはありません。

ノキアを生んだ国フィンランドは、高速通信が普及しているのです。

この記事を書きながら、DNAのSIMカードについてとても詳しく解説しているサイトを見つけましたのでリンクを貼っておきます。

「フィンランド用短期滞在格安携帯ネットシムカードDNA Super Prepaid」

出典:キートスショップ

MaaSの象徴「Whim」

フィンランドのMaaSを象徴するのが、世界初のMaaSアプリ「Whim」です。

Whimを紹介する前にまずはMaaSについて簡単に説明しておきます。

国土交通省の説明によると、MaaSとは・・・

MaaS は、ICT を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念である。利用者はスマートフォンのアプリを用いて、交通手段やルートを検索、利用し、運賃等の決済を行う例が多い。

いまだに「MaaS」は「MaaS」で、日本語の簡単な訳はありません。それほど一言では言いにくいのですが、私たちが慣れ親しんだ交通の概念、例えば車は所有するものとか、自動車は自転車より優れているとかいった概念は根底から覆るかもしれません。

要するに、目的地に行くために最適な交通手段を見つけ一括決済する時代がやってくると、鉄道・バス・タクシーという交通手段の他に、Uberやシェア自転車のようなシェアリングサービスも既存の交通手段と区別なく、一番便利なものをテクノロジーが選んでくれ、利用者はスマホの指示するままに交通手段を乗り継ぐと目的地に到着するのです。

そうした未来の交通MaaSを世界で初めて具体的な形にしたのが、フィンランドで生まれた「Whim」です。

「Whim」の公式サイト(英語)はこちら。 https://whimapp.com/

スマホにアプリをダウンロードし、必要な情報を入力すると誰でも使えます。

クレジットカードなど決済情報も入れるとWhimで全ての交通手段の決済が一括してできるようですが、ちょっと心配なのでそこまではやりませんでした。

私もアプリをダウンロードして使ってみました。

「かもめ食堂」のロケ場所を見た後、ハカニエミマーケットまでのルートを検索すると・・・

上のような画面が出てきました。

1分歩いて地下鉄に乗るか、7分歩いて67番のバスに乗るか、6分歩いて78番のバスに乗るか?

地下鉄やバスの時刻表データと連動しているので、ある程度正確な情報が得られるようです。

でもこんなこと、Googleマップでもできますよね。そう、Whimの実験的導入が始まった2016年当時は画期的なサービスでしたが今では一般化してしまいました。つまり、Whimが登場したことで世界的なMaaSブームが起きたということのようです。

結局私は、地下鉄でもバスでもなく、路面電車トラムを使ってハカニエミマーケットに行きました。

Uberアプリもダウンロードしてみましたが、やはり利用しませんでした。

結局は、勘を優先するアナログの方が、私には向いているようです。

でも時代はMaaSに向かっています。三井不動産がWhimを開発したフィンランドの「MaaS Global社」に出資し、2019年中に首都圏で実証実験を始めると発表しました。

いよいよ日本にも、Whimがやってきます。

私も電動スクーターに乗る

ということで、「Whim」にはあまりハマらなかった私ですが、街を颯爽と走る電動スクーターには興味津々です。

私たちが宿泊した宿の周辺は再開発エリアだったため、路上にはたくさんのシェア電動スクーターが置かれていました。

観察していると、いろんな会社がシェア電動スクーターのサービスをやっているのがわかりました。

水色の「TIER」は、ベルリンに本拠を置くドイツの会社。

オレンジ色の「VOi.」はスウェーデン発のサービスだそうです。

ちょっと地味なこちらのシルバーのは「hoop」。ドバイの会社です。

写真にはありませんが、Uberの元役員が立ち上げたアメリカの「Bird」のスクーターも見ました。

まさにヘルシンキは、スクーター戦国時代といった様相です。

そんな中で私が選んだのは、米シリコンバレー発の「Lime-S」。

電動キックボードの先駆け的存在で、世界中にサービスを広げ、KDDIも出資して近々日本への上陸を狙っています。

「Lime-S」の公式サイト(英語)はこちら。

https://www.li.me/electric-scooter/

早速、Limeに狙いを定めアプリをダウンロードしてみました。

必要な情報を入力し、決済のためのクレジットカード情報も登録します。

位置情報へのアクセスを許可してアプリを開くと、なんと自分の周辺のどこにLimeの電動スクーターがあるかが一斉に表示されました。

それぞれのスクーターの充電状況もわかるので、近くにあって十分に充電されているスクーターを選んでスマホを頼りにその場所まで乗りに行きます。

ヘルシンキでは電動スクーターの置き場所が決まっていません。道端に放置してあるスクーターをスマホで起動させて利用し、目的地で放置するのです。

日本に上陸したとしても、きっと置き場所は決められ、ヘルメットの着用が義務付けられるのでしょう。ヘルメットを持ち歩くのはいかにも不便で、普及のネックになりそうです。

スクーターが見つかったら、ハンドルに付いているQRコードにスマホをかざしLimeアプリで読み取ります。

これだけでロックが解除され、課金が始まります。

料金はロック解除に1ユーロ+利用時間1分ごとに0.15ユーロです。ダラダラしているとそれなりの金額になってしまうので気をつけてください。

右ハンドルに付いたレバーがアクセルで、これを下に押し下げるとスタートします。結構加速がいいので、最初はゆっくり行きましょう。

ブレーキは左ハンドルだけ。

要するに、右ハンドルのアクセルと左ハンドルのブレーキを使ってスピードをコントロールする以外の機能は何もないので、ある意味ものすごく簡単です。

スクーターに乗って公園を走る私の姿を、宿のベランダから妻が撮影していました。

初めてでも、簡単に乗れます。確かに自転車に比べて圧倒的に楽です。

公園をぐるっと回って、公道に出て、自転車レーンを走って宿の前まで走りました。ヘルシンキでは自転車レーンが整備されているので、危険性は全く感じません。

返却の際は、アプリでロックのボタンを押すと、カメラが立ち上がるのでそれで乗り捨てるスクーターの写真を撮ります。

道路の真ん中などに放置しないようチェックするためのようです。

これで返却終了。使用履歴が表示されます。

私の場合、午後4時10分から6分間利用し、走行距離は、1.1kmだったようです。

料金は2.80ユーロ(約330円)でした。

ロック解除に1ユーロとして、1分あたり0.30ユーロの計算になります。ネットの情報とちょっと違いますね・・・?

でも、とても楽しかったので、また機会があれば使ってみたいと思います。

「Lime-S」の利用の仕方を説明しているサイトがありましたので、リンクを貼っておきます。

「シェア電動スクーターLimeの使い方、招待コード【欧米観光に便利】」

出典:EUROPE NAVI

さて、世界的に進む「MaaS」社会。

果たして、どんな未来が待っているのでしょうか?

個人的には、ちょっとワクワクします。

以上が2019年に私が体験したヘルシンキでの「MaaS」体験だ。

当時は日本でも「MaaS」熱が盛り上がっていたが、最近コロナ禍とともにこの言葉も聞かなくなったなあと思っていたが、実は密かに進んでいて4月からは日本でも「電動キックボード」のシェアサービスが本格的に始まるそうだ。

日本経済新聞の記事を引用しておく。

電動キックボード(キックスケーター)のシェアリングサービスが4月から国内で本格的に始まる。警察庁が一部の地域でヘルメットの着用無しでの走行を認可するのを受け、Luup(ループ、東京・渋谷)など4社が提供する。スマートフォンアプリを使い、拠点で借りて好きなタイミングで返却できる。新しい移動手段として定着するかが焦点だ。

ループのほかEXx(エックス、東京・港)、mobby ride(モビー・ライド、福岡市)、はしごメーカーの長谷川工業(大阪市)の4社が4月以降、東京都渋谷区、千葉県柏市などでサービスを始める。自動車免許が必要で、時速は15キロメートルまでとする。

スマホアプリでクレジットカードを登録すると、無人の貸し出し拠点からキックボードに乗り、別の拠点で返せる。価格は30分100~200円になる見込み。

警察庁が産業競争力強化法に基づく特例措置で、4月から電動キックボードの「ノーヘル」走行を渋谷区など認可を受けた地域に限り正式に認める。これを受け、各社がシェアを始める。

引用:日本経済新聞「電動キックボード、シェアサービス4月から Luupなど4社」

警視庁がノーヘルを認めるとは意外だったが、ノーヘルでなければシェアサービスのメリットはない。

東京のような交通量が多くて道が狭いところではなかなか難しいが、田舎の観光地などでは便利かもしれない。

シェア自転車は漕ぐのが結構重労働なので、電動スクーターが普及すれば私も利用するだろう。

コロナ対策でも、感染防止と経済の両立が難しいように、こうした新しいサービスでも安全性と利便性のバランスが難しい。

これまでのような安全を全てに優先する発想のままであれば、新サービスはまったく普及しないだろう。

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「SISU(シス)」のような我慢強さと物事をポジティブに受け入れるおおらかさ。

日本人がフィンランドから学ぶことは大いにありそうだ。

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吉祥寺@ブログ

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