「逃亡犯条例」に反対する抗議活動が続く香港。
日本人にも昔から馴染みの深い街だが、急速に進む「中国化」の波に香港の人たちは恐怖心を抱くようになった。
一方、香港と接する「中国のシリコンバレー」深圳。
若者が圧倒的多数を占めるこの街は、ものすごいスピードで巨大化し、今や香港を見下すほどの発展ぶりだ。
2019年6月、出張で2つの街を訪れた際、私が見た2大都市の今を姉妹サイト「旅したい.com」に書いたので、そのダイジェストを転載する。
1.広深港高速鉄道

2018年9月に営業運転を始めた「広深港高速鉄道」。ついに香港まで乗り入れた中国版新幹線に今回初めて乗ってみた。
香港から深圳中心部の「福田駅」までわずか14分。
料金も1000円ほどで、思いのほかリーズナブルに設定されている。

香港側のターミナルとなるのが「香港西九龍駅」。まるで空港のような巨大施設だ。
ここは香港の中にできた中国の飛び地のようになっていて、列車に乗る前に出入国管理が行われる。
いわば「中国化する香港」を象徴する場所なのだ。
そのため利用する人も少なく、旅行者には便利な移動手段だ。
香港と中国の関係に興味がある方には、広深港高速鉄道に乗ることをオススメしたい。
詳しくは、こちらの記事へ。
参照記事
「<香港・中国>香港から深圳までわずか14分!広深港高速鉄道に乗ってみた」
「旅したい.com」より
2.盒馬鮮生

中国の巨大IT企業「アリババ」が仕掛ける次世代型スーパーマーケット「盒馬鮮生(ファーマーションシェン)」。
深圳中心部にある店舗を訪れると、日本では見たことのない未来のスーパーマーケットを体験することができる。

出口にレジがなく支払いはすべてスマホ決済。
天井に設置されたレールを宅配用のバッグが走っていく。
キャッシュレス決済先進国・中国の目に見える事例を見るにはぴったりの場所だ。
詳しくは、こちらの記事へ。
参照記事
<中国>深圳ハイテク散歩④ アリババが仕掛ける新型スーパー「盒馬鮮生」
「旅したい.com 」より
3.中環至半山自動扶手電梯
香港中心部の中環エリアは坂の街。
一番低い所が繁華街で、山の上に行くほど高級住宅街になるという構造だ。
この山の手の住民たちの足として整備された一本のエスカレーターがある。

「中環至半山自動扶手電梯」、日本語にすると「ミッドレベル・エスカレーター」とか「ヒルサイド・エスカレーター」などと呼ばれる。
私も今回初めてこのエスカレーターに乗って、山の手の半山エリアまで行ってみた。この坂を歩いて登るのは大変だが、エスカレーターに乗れば楽に香港の様々な表情を見ることができる。

街のあちらこちらに、こんなカワイイ壁画も・・・。
「世界一高い」と言われる香港の住宅事情も垣間見えるオススメの街歩きだ。
詳しくは、こちらの記事へ。
参照記事
<香港>中環セントラルエリアの足「ミッドレベル・エスカレーター」が面白い
「旅したい.com」より
4.蘭芳園
ミッドレベル・エスカレーター沿いにある1951年開業の老舗大衆食堂「蘭芳園」。
日本のインスタントラーメンを使った人気メニューがあるというので食べに行った。

私が注文したのは、出前一丁を使った「葱油雞扒撈丁(鶏肉フライと出前一丁)」と「凍絲襪奶茶(ストッキングようなアイスミルクティー)」。
ミルクティーも開業以来の人気メニューだという。
特別うまいというわけでもないが、何でもありの香港を象徴するようなお店で一見の価値はある。ランチタイムは行列なので、時間をずらして訪れたい。
詳しくは、こちらの記事へ。
参照記事
<香港>「ミッドレベル・エスカレーター」沿いの茶餐廳で出前一丁を食す
「旅したい.com」より
5.古法足道
短期の旅行だとどうしても欲張って歩き疲れてしまう。そんな時に助かるのが、マッサージ店だ。

香港の中環地区で見つけたフットマッサージ店「古法足道」。
欧米人ビジネスマンが多く通う人気店で、安心してくつろぐことができる。

温かなお湯に足を浸すだけで、疲れ切った足に血が通ってくる。
さあ、もうひと頑張り・・・街に出かけよう。
詳しくは、こちらの記事へ。
参照記事
<香港>歩き疲れた時にオススメ!「古法足道」のフットマッサージ50分
「旅したい.com」より
6.坪洲島
香港でちょっと時間が余った時、そして歩き回るのにも疲れた時にオススメなのが離島への船旅だ。

香港の喧騒を離れ、海から眺める香港島の上には大きな積乱雲がかかっていた。
行き先は、坪洲島。時間が止まったような昔の香港がここにはある。
何をするでもなく島をぶらぶらして、沈む夕日を眺めた後、再び香港へ。

帰りの船から見る香港の夜景も美しい。
船のデッキに流れる夜風が心地よく、ちょっと得した気分になれる坪洲島へのショートトリップだ。
詳しくは、こちらの記事へ。
参照記事
<香港>歩き疲れた時にオススメ!坪洲島(ペンチャウトウ)へのサンセットクルーズ
「旅したい.com」より
7.深圳湾創業広場
深圳という若い街にはいわゆる歴史的建造物というものがない。そのため観光ガイドブックを見ても、あまり魅力的な観光地は乗っていないのだが、私にとっては中国が誇る巨大IT企業の拠点を見に行くのが楽しみだ。

たとえば、テンセントが新しい本社を建てた「深圳湾創業広場」。
中国政府と名だたる大企業が共同で開発した一大ソフトウェア基地の中にある。官民が総力を挙げて新たな街をつくり、全国から優秀な若者を集め、シリコンバレーを上回るスピードで未来の技術開発に取り組んでいる。
様々な分野のベンチャー企業を育成する仕組みがそこには用意され、チャイニーズドリームを求める若者たちがTシャツ姿で闊歩している。
今の中国を感じるには、いい場所かもしれない。
詳しくは、こちらの記事へ。
参照記事
<中国>深圳ハイテク散歩② テンセント新本社ビルと深圳ソフトウェア産業基地
「旅したい.com」より
民主化デモが続く香港は、私にとって今最も関心の高い場所の一つだ。
香港と深圳、2つの街を多面的に見ることによって、きっと感じることがあるはずだ。香港の若者たちが抱く不安と恐怖。それを少しでも感じることで、私たちが生きる今の世界を考えるヒントも得られるだろう。
香港の民主化運動については、こちらの記事もどうぞ。
参照記事