<きちたび>香港の旅 2019〜香港の離島へ!坪洲島(ペンチャウトウ)へのサンセットクルーズ

🔶「旅したい.com」から転載

<香港>歩き疲れた時にオススメ!坪洲島(ペンチャウトウ)へのサンセットクルーズ

🇭🇰香港 2019年6月28日

深セン出張の合間を縫って、深センと香港の街を歩き回り、足がクタクタになりました。深夜便の出発までまだ少し時間がありましたが、もう歩く元気がありません。

そんな時、ひらめいたのが船に乗ることです。香港の船と言えば、香港島と九竜半島を結ぶスターフェリーが有名ですが、できればマイナーな船に乗りたいと思い、中環埠頭をふらふらしていると、見知らぬ島の名前が目に止まりました。

坪洲島。ペンチャウトウと読むそうです。

船は15分後に出ると表示されていたので、この島の場所さえ知らないまま私は坪洲島行きのフェリーに乗ることにしました。

それは思いがけず素敵な時間潰しのクルーズとなりました。

中環フェリーターミナル

香港駅に着いたのは夕方の5時半ごろでした。予約した飛行機は夜中の出発なので、まだ3−4時間香港で過ごすことができます。

私は船に乗ろうと決め、スターフェリーが発着する中環(セントラル)・フェリーターミナルへと向かいました。

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香港駅からフェリー埠頭へつながる渡り廊下の左手には、道路をまたぐように作られたアップルストアがあります。

アップルストアが入っている建物は、「国際金融中心 International Finance Centre」と呼ばれる複合施設で、地下には香港駅があります。

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中心となるのは世界で9番目に高い地上93階建ての超高層ビルです。

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一方、渡り廊下の右手には絵葉書に登場する大観覧車があります。

個人的には、観覧車の中央、「100」と書かれた部分がモニターになっていて映像が変わるのが印象的でした。

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そんな近代的な景観を見ながら渡り廊下の突き当たりまで来ると、なぜかおばちゃん達が野菜を売っている。このアンバランスが香港です。

この野菜市場の奥が、九龍半島に渡るスターフェリー乗り場です。

ただ、スターフェリーには30年前に乗ったことがあるので、この日は別の船に乗って離島に行ってみようと考えました。

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階段を降り、海辺に沿って西へと歩きます。いくつもの埠頭が並び、小ぶりのフェリーが停泊していました。観光船というよりも市民の足、庶民のフェリーです。

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スターフェリーの隣の6番埠頭を覗くと、たまたま15分後に出る船があります。特に目的地があるわけでもない私は、この船に乗ってみることにしました。

それが、夕方6時発の坪洲島行きフェリーでした。

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香港の万能交通カード「オクトパス」を持っていれば、改札にタッチするだけで改札終了です。

私が乗ったのは高速船だったようで、料金は29.60香港ドル(約409円)でした。普通船だと月曜から土曜日は片道15.90香港ドル。日曜祝日は1.5倍ほどになるようです。

サンセットクルーズ

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船は定刻に6番埠頭を出発します。

岸壁からバックで離れ方向を変えると、国際金融中心の93階建てビルが目に飛び込んできました。陸地から見るのとはまた違う香港ならではの景観です。

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座席は決まっていないので、私は迷わず2階のデッキ席を選びました。海風を浴びながら好きなだけ写真を撮るためです。

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船は西に進みました。

香港島のビル群と低く垂れ込めた雲。

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雲に隠れた太陽から降り注ぐ夕日の中を、無数の船がシルエットになって交差します。

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深く考えもせず、足が疲れたので船に乗ろうと思った私の直感は、なんと素晴らしい選択だったのか。

しかも日が沈む前の最高の時間。

まさに、サンセットクルーズです。

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海風がデッキ席を吹き抜けていきます。

香港島のビル群の上には、いつの間にか青空も顔をのぞけています。

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大小様々な船が、東へ西へ、北へ南へとすれ違っていきます。

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振り返ると、右手に香港島、左手には九龍半島。

その間をさえぎるヴィクトリア・ハーバーこそ、海洋都市香港を生み出した母なる海峡なのです。

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海上交通の一大拠点として発展した香港は、やはり海から眺めるのが一番正しい楽しみ方なのだと勝手に納得しながら、一路坪洲島を目指します。

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坪洲島は香港島の西に約8km。

国際空港や香港ディズニーランドがある大きな離島「ランタオ島」のすぐ東にあります。

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途中、南の方向に3本の巨大な煙突が見えました。

気になって調べてみると、南丫島(ラマ島)という離島にある火力発電所の煙突だということがわかりました。香港の電力はこの発電所でまかなっているようです。

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沖に出て香港の方向を振り向くと、香港島の上に巨大な積乱雲が立ち上っているのが見えました。

たっぷりと水蒸気を含んだ風が香港島にぶつかり、巨大な雲を作るのでしょう。

海の上はきれいに晴れていました。

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香港島を出てちょうど30分。

船がスピードを落として、方向を変えました。坪洲島の港に到着したのです。

日が沈もうとしているのは、坪洲島ではなく、向かいのランタオ島です。

坪洲島の夕日

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坪洲島に上陸します。

この建物が、坪洲島のフェリー乗り場です。

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フェリー乗り場の前は広場のようになっていて、東側に小さな集落が並んでいます。船を降りた人たちはみんな仕事帰り、想い想いに家路につきます。

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「坪洲」と書かれた碑が立っていました。

かなり古びた印象です。

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後で見つけたのですが、「地球の歩き方」に坪洲島についてこんな記述がありました。

19世紀初頭にはサンゴや牡蠣殻を原料とした石灰工場が10ヶ所以上もあり、1960年代にはマッチ、陶磁器、藤製品の製造が盛んだったという。今は約7000人の島民のほとんどが船で中心部に働きに出る。しかし、寂れてしまったおかげで昔ながらの暮らしや自然が残っているとも言える。

「地球の歩き方」より
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寂れたからこそ、ゆっくりした時間が流れる坪洲島。

犬もつぶらな瞳で私を見つめます。

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まずは帰りの船の時間を調べ、19時40分のフェリーに乗ることにしました。ちょうど1時間ほどあります。

私はあえて集落の方向ではなく、海岸線に沿って北に歩くことにしました。

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無駄に歩き回るのではなく、ぼんやり夕陽を眺めようと思ったのです。

島の西側の海岸線には遊歩道があり、ベンチが置かれていました。

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ベンチに座ると、目の前に海。その先にランタオ島があります。

時間は午後7時40分すぎ、ちょうど日の入りです。

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隣のベンチに座ったおじさんのラジカセが中国風の音楽を奏でています。

香港・坪洲島の夕暮れ。実にのどかです。

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太陽が山の向こう側に沈むと、雲が赤く染まり始めます。

上空は風が強く吹いているのでしょう。雲がどんどん流れていきます。

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何をするわけでもなく、30分ほどベンチに座って海を見ていました。

暑くもなく、寒くもなく、気持ちのいい夕暮れでした。

夕暮れの坪洲島

フェリーが出発する30分前になったので、ベンチを離れて少し集落を歩いてみました。

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フェリーが到着した時、家路につく人で賑わった広場「露坪街」には、もう人通りがありませんでした。

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古びた建物が狭い敷地にひしめきます。

坪洲島の面積は1平方キロほど、小さな島に7000人が暮らしているのです。

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広場の突き当たりには、古びた廟があります。

坪洲島には古くから漁民が暮らしており、200年以上前に海の守護女神の廟、天后廟が建てられました。

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昼間はこの廟の扉は開いているようだが、この時間にはもう閉じられていた。

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天后廟から南に延びるこの路地が、島のメインストリート「永安街」です。

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ほとんどのお店はすでにシャッターを下ろし、いくつかのお店がまだ営業を続けていました。

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飲食店もいくつか営業していて、窓越しに見た店内は思いのほか賑わっているようでした。

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永安路と交わる細い路地を東にたどると、5分ほど歩くと東灣の砂浜に出るそうです。

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集落をぐるっと回って港に戻ってきました。

もうすっかり日が暮れて、静かな海が広がっています。

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夜のフェリーに乗る乗客は多くはありません。

わずか1時間の滞在でしたが、坪洲島に来たのは正解でした。

香港ナイトクルーズ

帰りの船は、午後7時45分発のフェリーでした。

行きは高速船でしたが、帰りは普通船。だから運賃も15.90香港ドルです。

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また2階のデッキ席に陣取ります。

昼間の蒸し暑さが嘘のように、爽やかな夜風が気持ちよく流れます。

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船の左舷に橋が見えました。香港中心部と離島をつなぐ橋のようです。

昼間と違い、夜の海上は視界がききません。ある意味では、面白くない船旅です。

ところが・・・

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15分ほど走ると、前方に香港島の灯りが見えてきました。

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さらに10分ほど走ると、高層ビルの灯りが間近に見えてきました。

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光量が不十分なので、私の写真では十分表現できませんが、海から見る香港島の夜景はとても魅惑的でした。

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香港の輝く摩天楼を眺めながら、船はゆっくりとヴィクトリア・ハーバーを進んでいきます。

素敵なナイトクルーズです。

ビルの灯りが海を照らし・・・

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夜空に立ち込める雲にも反射しています。

わずか220円の運賃でこんな素敵なナイトクルーズが楽しめる、坪洲島から中環へのフェリーは夜に乗るのがオススメだと思いました。

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香港の夜景を楽しみながら、40分足らずで6番埠頭に到着しました。

普通船とは言うものの、高速船と時間的な違いはさほど大きくはありません。

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疲れ切った足にも優しい、とても素敵な船旅でした。

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