🇭🇰香港 2019年6月26〜29日
仕事で深センと香港に出張したのですが、帰国便でトラブルです。
利用したのは旅行サイト「エアトリ」で予約した日本航空の香港〜羽田便。でも実際にはキャセイドラゴン航空とのコードシェア便でした。
結論から言えば、オーバーブッキングで予約した便に乗れず、翌朝のキャセイ便に振り返られたのですが、その顛末についてまとめました。
急いでいなければ、振替に応じるのも旅の面白さかなと思えた体験談です。
キャセイドラゴン航空
会社の出張なので、なるべくトラブルを回避する目的で日本航空便を予約しました。エコノミークラス往復で、6万1500円でした。
ただ実際に飛行機の運航に当たっていたのは「キャセイドラゴン航空」。初めて利用する航空会社です。

キャセイドラゴン航空は、香港を拠点とする航空会社で、1985年に「香港ドラゴン航空」として設立されました。
2006年には、キャセイパシフィック航空の100%子会社となり、キャセイグループの一員として中国やアジアの各地を結んでいます。
私が利用した羽田線は、2015年に新規開設し、日本航空との共同運行という位置付けになっているようです。

ただ、親会社のキャセイと比べるとセカンドブランド感が強く、機体はちょっと古いエアバスA320。
国際線には通常用意されている座席のモニターもありません。
その代わりに、wi-fiや機内エンターテイメントシステムが用意されていて、パソコンやスマホで楽しむことができると書いてあります。
私もスマホで試してみたのですが、wi-fiもまったく繋がらず断念しました。

それでも超格安のLCCほどのけちけちでもなく、機内食もちゃんと提供されました。
私はヌードルを選びましたが、2種類から選ぶことができます。
早朝の便なので比較的空いていて、三人席にゴロンと寝っ転がってくつろぐお客さんも多く、私も真似をして横になって過ごせたので、機内は楽でした。

肝心のフライトも至って順調で、羽田をほぼ定刻の6時35に出発し、現地時間9時30分に到着しました。香港と日本の時差は1時間ですから、飛行時間は4時間弱です。
初めてのキャセイドラゴン便は、素晴らしくもない代わりに、特段問題もありませんでした。
しかし、問題は帰国便で待っていたのです。
オーバーブッキング
深センで2泊して、帰国便に乗るために香港国際空港に着いたのは、28日午後9時20分ごろでした。

予約便は午後11時55分発で、2時間半以上前に空港に到着したことになります。
キャセイドラゴン航空のカウンターはまだガラガラで、パスポートを提示してチェックインの手続きをしようとした時です。
「ご予約の便が満席で、別の便への振替をお願いできないでしょうか?」
カウンターで対応する若い男性職員がちょっと困った顔をして、英語でそんなことを言うのです。
「私はちゃんと予約した。オーバーブッキングなのか?」とたずねると、男性職員は素直に認め、翌朝8時45分に羽田便があると提案してきました。
オーバーブッキングは珍しいことではありませんが、一般的には早い者順であり、出発の2時間半前に空港に来て乗れないというのは稀です。
私は翌日特に予定がありませんでしたが、「私は急いでいる。どうして私なのだ?」と抗議しました。すると、男性職員は「乗れないのはあなただけではない」と言うのです。
事実、私の隣のカウンターでも別の男性客がもめていました。
Meal Voucher

男性職員は別の女性職員たちと相談した末、「Meal Voucher」と印刷された食券を私に渡しました。
金額は、75香港ドル(約1035円)。
これを使って時間を潰して、夜10時にまたカウンターに戻って来てくれと言うのです。様子を見ながら対応を検討するということのようです。

仕方がないので、空港内のエスニック料理店に入り、食券でビールとレモンティーを注文しました。
料金は合わせて73香港ドル。食券の範囲内ですが、おつりはくれません。
その店で20分ほど時間を潰して再びカウンターに戻りましたが、事態は一向に好転していませんでした。
男性職員は、翌朝の便への振替に応じてくれればホテルを用意すると言い、少しでも早く帰国したいなら1時間遅い全日空の深夜便もあるので、問い合わせることは可能だと言うのです。
何れにせよ予約便に搭乗できる目処は立たず、再び75ドル分の食券を渡され、11時に再びカウンターに来るように言われました。
お腹はいっぱいだし、もう飲み物もいらないんだけど・・・。
ホテル券と1000香港ドル
そうしているうちに、だんだん待つのに疲れてきました。
満員の深夜便に乗るよりも早くホテルに入ってゆっくり寝た方が得かもと思い始めたのです。それに、航空会社がどんなホテルを用意してくれるのかにも興味がありました。
しばらく空港内で考えをめぐらせ、妻に連絡して帰国が少し遅れることを伝えてから再びカウンターに戻りました。

「翌朝便への振替に応じるのですぐにホテルを用意してほしい」
私は男性職員にそう伝えました。
ところが、事態はすんなりとは進みません。
「全日空とも調整しているので、とにかく11時にまた来て欲しい」の一点張りです。ちょっとイラつきますが、こういう場合、怒ってもいいことはありません。
そして11時にカウンターに戻ると、「全日空便もいっぱいで、キャンセル待ちになるので、今からホテルを手配します」と伝えられました。

こちらが、ドラゴン航空が用意したホテルのバウチャーです。
これをホテルのフロントに示すと、部屋が提供されるそうです。
ただ、もらったのはそれだけではありませんでした。

振替に応じた代償として、500香港ドル札を2枚を渡されたのです。
1000香港ドルといえば、およそ1万3800円です。
書類にサインするよう求められます。ちゃんと読みませんでしたが、おそらく1000ドル受け取る代わりにこれ以上の要求をしないという誓約書なのでしょう。
さらにもう一つ、アップグレード券ももらいました。次回以降キャセイドラゴン航空を利用する際に使えるそうで、エコノミー料金でビジネスクラスに乗れるチケットです。果たして再びドラゴン航空を使うことがあるかどうか、その時までこのアップグレード券を持っているどうかはなはだ怪しいですが、ありがたく頂戴しました。
時間はすでに夜11時半を回っています。空港について2時間、虚しい交渉はこうしてようやく終わりました。
REGAL AIRPORT HOTEL
ドラゴン航空が用意してくれたホテルは空港直結の「リーガルエアポートホテル REGAL AIRPORT HOTEL」でした。

空港ロビーから渡り廊下を通って歩いて数分の距離です。

もう深夜12時が近いというので、広いホテルロビーは照明も落とされ、眠りについているようでした。
予想外に立派なホテルで、屋外プールや屋内プール、6つの飲食店など設備も充実しているようです。
まあ、私の場合はただ寝るだけなので関係ありませんが・・・。

でも、ホテルのチェックインカウンターはフル稼働。順番待ちの行列ができていました。
24時間空港では深夜に到着したり出発したりする客が多いほか、私のように航空会社の不手際でホテルをあてがわれた人もいるのでしょう。
バウチャーを渡すとチェックインはスムーズで、おまけに朝食付きだと知らされました。

部屋も広々したツインで、ソファーやデスクもあります。

タイル張りのお風呂場には、ちゃんとバスタブも設置されていました。
早速、熱いシャワーを浴びてベッドに飛び込みます。
「もっと早く振替に応じて、ホテルに来ればよかった」
そう、思いました。

翌朝は6時半に起きて、食堂へ。

朝食ビュッフェはとても充実しています。
様々なエアラインのスタッフが宿泊しているようで、フライトを前にしたキャビンアテンダントたちもここで朝ごはんを食べています。
スッチー好きには最高のホテルかもしれません。
Booking.comの評価8.1 私の評価は8.5 詳しい情報や予約は下記からどうぞ。 REGAL AIRPORT HOTEL チェックイン15時、チェックアウト12時

オーバーブッキングのおかげで、羽田にたどり着いたのは9時間ほど遅くなりましたが、いいホテルに泊まってお金までもらえる、ちょっと面白い体験でもありました。
定年後の旅は、時間に余裕があるので、こうしたトラブルも楽しめるかもしれない。
そんな妙な感想を持った今回の香港空港での体験でした。