■「旅したい.com」から転載
<フランス>奇跡の光景!パリ凱旋門に沈む日食を見た1994年の夕暮れ
🇫🇷フランス/パリ 1994年5月10日
パリの目抜き通りシャンゼリゼが20万人の人で埋まりました。
その目的は、パリ有数の観光名所である凱旋門の中に沈む世紀の日食を見ることです。
凱旋門の中に沈む日食が観測されるのは史上初めてのこと。
まさに歴史的な天体ショーということで、集まった人々の熱気もすごいものがありました。

私たちは、凱旋門から遠く離れたコンコルド広場近くにテレビカメラをセットし、世紀の瞬間を待ちます。
しかし、この日は雲が多く、日食が始まった午後7時半には太陽は雲の中にすっぽりと隠れていました。
それでも辛抱強く待ちます。シャンゼリゼ通りを埋める人の数は、その間もどんどん増えていきます。
そんな人々の願いが通じたのでしょう。
午後9時3分、まるで三日月のように欠けた大きな夕陽が凱旋門の中に姿を現したのです。
テレビカメラではバッチリ世紀の瞬間をとらえました。
でも残念ながらスチール写真はありません。
ネットで検索すると時事通信が配信した写真が残っていましたので、ここではその写真をお借りします。

私たちが撮影した映像は、日本でも何度も放送されました。ひょっとするとご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
前回この位置に日食が観測されたのは1733年のことでした。
その時にはまだ凱旋門が建てられておらず、この日初めて凱旋門と日食という夢のコラボが実現したのです。
私がパリで過ごした3年半の中でも、忘れられない瞬間となりました。