<きちたび>アイルランドの旅2019🇮🇪 リープ・カードを買ってルアス&ダート&ダブリンバスを乗り回す

🇮🇪アイルランド/ダブリン 2019年8月5日~8日

ダブリンの公共交通機関の中心は、2階建てのダブリンバス。そのほかに、路面電車のルアスや近郊列車のダートがあります。

あまり連携の良くないこれらの公共交通を利用する際、オススメとされるのが緑色の「リープ・カード」。日本のスイカ・パスモと同じようなチャージ可能な交通カードです。

短期の旅行者でも本当に便利なのか、私もリープ・カードを買ってダブリン市内を乗り回してみました。別の選択肢もあったようです。

リープ・カードを買う

これが「リープ・カード」です。

緑色で、カエルのシルエットが入っています。英語で「Leap」は飛躍。だからカエルなのでしょうか?

「地球の歩き方」にも、こう書かれています。

数日以上滞在するならプリペイド式ICカード型乗車券のリープ・カードの購入がおすすめ。ダブリン都市圏のほとんどの交通機関で利用でき、しかも割引料金になるので長期滞在する人には利用価値が高い。

「地球の歩き方」より

ダブリンの街を歩くと、この緑色のカエルをよく見かけます。

こうした看板を掲げたコンビニやお店で、リープ・カードを買うことができます。

鉄道の駅や路面電車ルアスの主要な停車場には、こうした自動販売機があり、ここでも買うことができます。

私は、コノリー駅という鉄道の駅にあった自動販売機で購入しました。

カード購入のためのデポジット5ユーロを払い、希望の金額を選んでチャージしておきます。私は20ユーロをチャージしましたが、結局使い切れませんでした。

デポジットの5ユーロも含め、現地に銀行口座を持っている場合に限り返金が可能です。つまり、一般の観光客は余っても返金できないと考えた方がいいでしょう。

なので、いくらチャージするか、そもそもリープ・カードを買うかどうかも、その人の行動の仕方によると言えそうです。

路面電車ルアスに乗る

旅行者にとって最も利用しやすいのは、路面電車「ルアス」でしょう。

こちらが、ダブリン市内を走る「ルアス Luas」。アイルランド語で「スピード」を意味します。

2004年から営業を始め、徐々に路線を拡張してきていますが、それでも南北に走るグリーンラインと東西に走るレッドラインの2路線のみ。東京などと比べるとシンプルなものです。

グリーンラインとレッドラインが交差するようになったのは最近のことで、ウィキペディアなどの情報も古いので、2019年夏現在の路線図を掲載しておきます。

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出典:Luas https://www.luas.ie/map/

私が一番よく利用したのは、宿から歩いて5分ほどの停車場「St.Stephen’s Green」。2004年の開業時にはグリーンラインの始発駅でした。

比較的大きな停車場でチケットの販売機もあるので、ここでリープ・カードを買うことも追加のチャージをすることも可能です。

ダブリン滞在2日目、北アイルランドに行くため、朝7時前にここからルアスに乗り、コノリー駅に向かいました。

停車場にこんな改札機が立っているので、乗る前にタッチ、降りた後に再びタッチするとカードから料金が差し引かれます。

正確に言うと、乗る前にタッチすると正規料金が引かれ、降りた後に再びタッチすると割引が受けられる仕組みでした。

平日の朝7時と言えば、東京ではもう通勤ラッシュが始まっていますが、ダブリンではこんな感じ。

車内の座席は限られていますが、それでも支障がありません。人口が少ないことのメリットでしょう。

グリーンラインはリフィー川を越えて、観光客が集まるオコンネル通りへ。

「O’Connell – GPO」停車場で降りると、1分ほど歩いてレッドラインの「Abbey Street」停車場に移動します。

東京の地下鉄の迷路のような乗り換えに比べると、簡単な乗り換えです。

この「Abbey Street」は便利な停車場で、東にむかうルアスに乗れば、北アイルランド方面の列車が出発するコノリー駅、西に向かうルアスに乗れば、アイルランド西南部方面の列車が出発するヒューストン駅に行くことができます。

ただ帰路は注意が必要です。この「Abbey Street」で乗り換えて宿に近い「St.Stephen’s Green」停車場に戻ろうと思うと、グリーンラインの停車場は往路とは違う「Marlborough」停車場となります。道幅の影響なのか、この界隈ではなぜかグリーンラインは一方通行で別のルートを通っているからです。

停車場には到着するルアスの目的地と到着までの時間が表示されます。

ルアスの良さは、路線のわかりやすさと時間の正確性です。

レッドラインに乗り換えて「Busáras」停車場で降ります。

コノリー駅まで行くルアスもあるのですが本数が少なく、一つ手前の「Busáras」はすべてのルアスが通ります。ここで降りて歩いてもコノリー駅までは1−2分の近さです。

このルアス、車内で切符を買うことはできません。

事前に停車場の自動販売機で購入する必要があります。ただ日本のような改札があるわけではないので、無賃乗車は簡単にできます。

ただ、気をつけてください。

時々、STTという制服を着たいかつい2人組がルアスに乗り込んできます。

彼らは無賃乗車を防止するための検札官。いずれもラガーマンのような強そうな男たちです。乗り込むと、車内に厳しい視線を送ります。乗客たちの間に緊張感が走るのを感じます。

彼らが一人一人の切符を確かめることはありませんが、その威圧感が抑止力になるのでしょう。

リープ・カードを使わない場合、ルアスの1回券はゾーンごとに料金が決まっていて一番安いもので2.10ユーロ、1日券を買うと7.30ユーロとなります。

近郊列車ダートに乗る

ダブリンから気軽な遠足に出かけるなら近郊列車「ダート DART」がオススメです。

「ダート」はアイルランド国鉄が運営する路線で、ダブリン湾沿いの住宅街やリゾート地を結びます。

こちらがダートの駅、トリニティ大学の裏手にある「Pearce Station」駅です。

こちらは日本の駅と同様、リープ・カードを自動改札機にタッチしてホームに行くスタイルです。

ダブリン滞在3日目、私はこの駅からダートに乗って、南に向かいました。

車両も、日本の電車とあまり変わらない通勤電車です。

ダートは、ダブリン湾岸の再開発エリアや高級住宅地を抜け、南に向かいます。

10分ほどすると左手に海が見えてきました。

ダブリン湾です。

このまま南に進むと、アイルランドの主要港ダン・レアリーやドーキー城、ブレイ・ヘッドなどのリゾート地があり、アイルランド出身のアーティスト、エンヤやU2のボノの屋敷があるのです。

ちなみに、ダブリンからダートで北へ向かうと、マラハイドやホウスといった港町があり、歴史ある城やビーチ、マリーナなどがあって市民の憩いの場になっているそうです。

ただ、この日はあまり時間がなかったので、途中の駅で降りて引き返すことにしました。

「Blackrock」という駅です。

ちょっと江ノ電を想起してしまう海が見える駅。

ダブリン中心部から15分。駅周辺は江ノ電同様、ちょっとリッチな人たちが暮らす住宅街でした。

トラブルを避けるため、一旦駅を出てから再び改札をして帰りのダートに乗り込みます。

ダブリン市内に到着する直前、グーグルの建物に気づきました。

最寄駅は「Grand Canal Dock」。このエリアは、1990年代から再開発が進められ、グーグルをはじめ多くの多国籍企業が進出しています。

アイルランド政府は外資を誘致するため税制を優遇する政策を取っているため、グーグルは2003年にアイルランドに進出して以来データセンターなど1000億円の投資を行ったとされています。

EUの中でも高い経済成長を維持し、アメリカの多国籍企業の欧州戦略の拠点となっているダブリン。その一端をダート沿線に見ることができます。

帰りはアイルランド国鉄のターミナル、コノリー駅で降りました。

ちなみに、ダブリン市内からBlackrock駅までの片道料金は2.70ユーロ。これをリープ・カードで払うと2.10ユーロに割引されます。

ダートの路線図は、アイルランド国鉄のサイトからご確認ください。

またダート沿線の情報については、旅行サイト「tripnote」の【アイルランド・ダブリン】ローカル電車DARTで巡る沿線の個性光る街12選という記事がとても参考になります。

2階建のダブリンバスに乗る

ダブリン市民の一番の足と言えばダブリンバス。

黄色と青のツートンカラーの2階建バスです。

市内各地に120路線というネットワークが広がり、バス路線を把握することがダブリン市内のスムーズな移動には欠かせません。

ただ、短期の旅行者にとっては課題が多く、一番利用しにくい交通機関でもあります。

ダブリンに到着した日、私は最寄りのバス停からダブリンバスに乗ってみました。街中の地理もまだわからないので、一番の中心地オコンネル橋に行くバスを選びました。

運転手にオコンネル橋と伝え運転手が言う料金を現金で支払います。私の場合は、2.15ユーロでした。

ここで問題です。

バスの車内ではお札は一切使えません。小銭が必要です。さらに、バスの運転手はお釣りをくれません。代わりにくれるチケットにお釣りの金額が書いてあるので、ダブリンバスのオフィスにそれを持っていくとお釣りをもらえる仕組みです。

バスを降りた私が向かったのは、オコンネル通りにあるダブリンバスのオフィス。ここでバスの路線図がもらえるというので訪ねたのですが・・・

平日の夕方、まだ営業時間中のはずなのに閉まっています。

どうやらこの日はたまたま営業していない日だったようです。今もその理由はわかりません。

翌日、私が北アイルランドに行っている間に妻がダブリンバスの路線図を入手してくれました。

インフォメーションセンターで手に入れたそうです。

ただ予想よりもざっくりとしたもので、宿の最寄りのバス停を通るバスが市内のどこを通ってどこへいくのかと行った細かい情報は出ていません。

ダブリンバスのオフィスやウェブサイトにはもっと細かい情報があるようなので、もう少し勉強する必要がありそうでしたが、結局その時間はなくダブリンバスを乗りこなすという野望は果たせませんでした。

それでもダブリン滞在、145番のバスが宿の近くとヒューストン駅を結んでいることを知り、2度ほど駅からの帰りに使ってみました。

ヒューストン駅で運転手に行き先であるリーソンストリートというバス停の名前を告げ、リープ・カードを読み取り機にタッチします。カードで払うと、現金より割引となりますし、小銭やお釣りの心配もありません。

おまけに、リープ・カードだと妻の分も合わせて1枚のカードで2人分払うことが可能なのもいい点だと思いました。

そして、2階建バスからの眺めはやはり違います。

145番のバスはリフィー川沿いを走るので、高い視点からダブリン中心部を眺めることができました。

ヒューストン駅近くにあるギネスビールの工場もちょっと奥まで見ることができます。

特に2階の最前列に座ると、目の前の視界が開け、ダブリンの街を覆い尽くすような巨大な入道雲も楽しめました。

リープ・ビジターカード

果たして、私の場合、リープ・カードを購入したのは正解だったのでしょうか?

ダブリンには3泊しましたが、初日は街の中心部をひたすら歩き、2日目は終日北アイルランドに日帰りで行き、3日目の午前中は地方都市を往復。結局ダブリン市内で過ごす時間は限られていました。

リープ・カード購入に5ユーロのデポジットを払い、20ユーロのチャージをしました。使い切れませんでしたが、返金はできません。つまり25ユーロ払って、ルアスに5回、ダートに2回、ダブリンバスに妻の分を含めて3回乗ったことになります。

でも結果的には、それぞれ1回券を買ったとしても、さほど金額は変わらなかったような気がします。

リープ・カードのメリットは、小銭を心配しなくていい点と割引が受けられる点、そして最大のメリットは一日の上限が10ユーロなので、乗れば乗るほどお得になる点でしょう。

もしリープ・カードをもっと有効に利用したいなら、一度のチャージ金額を減らして使い残しがないよう小まめにチャージする。または、カードを使って市内を移動する日を集中させて、上限を超えるだけ使い倒すことが考えられます。

でも、帰国後少し調べていると、やはり別の選択肢があった気もします。

実はリープ・カードには、旅行者用にプリペイド式の「リープ・ビジターカード」というものがあります。

24時間で10ユーロ、72時間で19.50ユーロだそうです。これで全ての交通機関に乗り放題です。さらにバスに乗る際も、運転手に行き先を告げることなく、カードリーダーにタッチするだけでどのバスにも乗れるのです。

私の場合、どうやらこのビジターカード3日券にするのが一番お得だった気がします。

3日の滞在で20ユーロチャージした段階で、ビジターカードに負けているということなのです。

ただし、ビジターカードは通常のリープ・カードのように自動販売機で買うことはできないのでご注意を。ダブリン空港のコンビニ「SPAR」や空港のインフォメーションデスクで購入できるようです。

公共交通機関を利用される方は、自分の行動パターンを考慮して、適したカードの購入をお勧めします。

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