<きちたび>誰もがカメラマン!テラスから撮った「百塔の町」プラハの朝

時差ぼけで毎朝早く目覚めたので、テラスに上がり写真を撮った。テラスは屋根と同じ高さなので、街を見下ろすのではなく、下から見上げるのでもない、ちょっと珍しい角度の写真が撮影できた気がする。

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こちらの写真はプラハ到着の翌朝5時すぎに撮影した。

東には、「聖サルヴァートル教会」の上に5人の聖人像がある。真ん中のこの像は右手を上げている。誰だか知らないが、私は密かに麻原彰晃を想起した。

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聖サルヴァートル教会は、1601年に建てられたプラハで最初のイエズス会の教会である。15世紀のチェコで起きた宗教改革の指導者ヤン・フスの一派が勢力を増す中で、フェルディナント1世は、フス派に対抗する宗教勢力としてカトリックのイエズス会をプラハに招いた。

ハプスブルク家の保護のもと、イエズス会は一帯に巨大な宗教施設を築いた。それが「クレメンティヌム」と呼ばれている。現在は図書館などとして利用されているという。

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北には、「アッシジの聖フランチェスク教会」の丸いドームが見える。

この教会の前には、プラハを都として発展させた神聖ローマ皇帝カレル4世の像がたつ。

そして西を見ると・・・

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屋根の向こうに「カレル橋の橋塔」が見える。屋根の上にはエアコンの室外機やパラボラアンテナも並び、人がそこで生活している様も知ることができる。

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橋塔のさらに先に目をこらすと、ヴルタヴァ川の対岸マラー・ストラナ(小地区)の街並みがまだ眠りについている。プラハ城のお膝元、かつての城下町だ。日本大使館もこのエリアにある。

バロック様式の「聖ミクラーシュ教会」では、モーツァルトが演奏したことがあるという。

そして南・・・

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街灯が灯るあたりはヴルタヴァ川河岸の通りだ。「Smetanovo nábřeží」と書いてある。グーグル翻訳にかけてみると「スメタナのウォーターフロント」という訳が出た。だいたいそんな意味なのだろう。

そして名も知らぬ尖塔の上に、美しい月がかかっていた。

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この尖塔の隣に「スメタナ博物館」がある。

チェコを代表する作曲家スメタナはこの川辺の家に住んでいた。彼が作曲した「モルダウ」はいつも震えるような感動を与えてくれる名曲だ。私の中では、「プラハの春」「ビロード革命」と言ったチェコの激動と抵抗の歴史はいつも「モルダウ」のメロディーとともに思い起こされる。

三脚の位置を調整し、超望遠で狙う。

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尖塔の先端と月が重なった。プラハに着いて最初の朝、会心の一枚だ。

午前6時に近づく。東の空が色づいて来た。

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聖人たちの頭上に「タケコプター」のようなものが付いているのが気になる。天使の輪なのだろうが・・・

そして、午前6時40分ごろ・・・

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屋上のテラスにも朝陽が届いた。

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日本で見る朝日とはやはり違う。空を切り取るシルエットの違いだ。

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西には綺麗な青空が広がって来た。一日中このテラスでのんびり過ごしたい気分だが、7時にはゲートが開く。街に出かける時間だ。

翌8月11日。

この日は雲がかかった。

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近頃は、ぴーかんの青空よりも雲が芸をしてくれている空が好きだ。

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それでも朝は一時的に晴れ間も広がった。しかし、7時に出かけた後すぐに雨が降り出し、結局一日中雨が降った。

3日目の朝。

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西の空を見て思わず声をあげた。「ストラホフ修道院」の上に大きな赤い雲が広がっていた。

夢中でシャッターを押す。

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なかなか実際に目で見ているような色が出ない。私のカメラ技術の限界だ。

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対岸のマラー・ストラナ地区も朝陽に染まる。聖ミクラーシュ教会の前に建つ黒い屋根は、カレル橋の小地区側の橋塔だ。2つの大きさが違う。

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坂に沿って赤い屋根がひしめく。白い壁が暖色に染まる。プラハの街は絵になる。

もっといろいろな季節に、いろいろな雲の下で撮影してみたい、そんな風に感じさせる「スタジオ・カレル・モスト」の素敵なテラスだ。

ここに来れば、誰もがカメラマンになること請け合いだ。

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<参考情報>

私がよく利用する予約サイトのリンクを貼っておきます。



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