<きちたび>カナダの旅 2016 バンクーバー編③🇨🇦 スタンレーパークのサイクリングと至福のウエストエンド朝散歩

🇨🇦 カナダ/バンクーバー 2016年8月16日~17日

バンクーバーは、「木」が美しい街です。

それもそのはず、バンクーバーの歴史は19世紀、製材所から始まりました。
今でも、林業がバンクーバー市で最大の産業なのだそうです。

街中にのびのびと育った樹木、手入れの行き届いた庭。あまりに美しい住宅街に目を奪われてしまいます。

気持ちのいい街だなあ。

日本のような電柱や電線がなく、樹木が本来あるがままに枝を伸ばし、爽やかな木陰を住民に提供してくれます。

できれば車を使わず、お散歩かサイクリングでバンクーバーの街を心ゆくまで楽しみましょう。

スタンレーパーク

バンクーバーに行ったら、スタンレーパークでサイクリングをしようと決めていました。

ホテルのフロントでレンタサイクルのお店を紹介してもらい、デービー通りの自転車屋さんまで歩いて行きます。

こちらではレンタサイクルのことを、「BIKE RENTAL」というらしいです。
半日のレンタルで、1台25ドルほどから。
マウンテンバイクやロードレーサーを借りると、さらに高くなります。

バンクーバーでは、自転車に乗る際は必ずヘルメットをかぶります。

日焼けを気にする妻のいでたちは、明らかに怪しい。

それでも自転車を借りたら早速、ダウンタウンの北側に隣接する「スタンレーパーク」に向かいます。

広さは4㎢、東京ディズニーランドの8倍もある広大な公園です。

スタンレーパークの始まりは1888年。当時のカナダ総督ダービー・スタンレー16世にちなんで名付けられました。
開園当初からあった熊の飼育設備が整備され、オオカミやバッファローなどが飼育される動物園が作られました。

しかし、今ではこの動物園はありません。
飼育環境の劣悪さが問題となり、1994年に住民投票で閉園が決まったのです。
そして、高齢で引き取り手のなかったホッキョクグマが死ぬのを看取って、1997年、動物園は完全に閉鎖されました。

ちょっと、市民の意識の高さを感じさせるエピソードです。

スタンレーパークの外周、海沿いには、「シーウォール」というサイクリングロードが整備されています。
ここを自転車で走ることが、バンクーバーで一番の楽しみだと、私が読んだガイドブックでは紹介されていました。

私は当然フラットな道だと思っていたので、妻にもそう説明していたのですが、いきなりアップダウンがあるのです。
しかも借り物の自転車はちょっと重く、妻は漕いだまま上り坂をあがることができず、仕方なくおりて自転車を押します。

みるみるうちに、妻の機嫌が悪くなるのを感じます。
「全然平らじゃない」とか、「腰が痛くなる」とか、次々に文句が飛び出します。

ところが、こんな時にかぎって、私が道を間違えてしまったのです。
公園の入口あたりでサイクリングロードが二手に別れているのですが、前の人たちにつられて迷うこともなく道なりに進んだのですが、これが失敗でした。
しばらく進むと海沿いに行く道には自転車進入禁止の標識、なぜかサイクリングロードは森の中へと伸びています。

前を行く人たちは、森の方に入って行きます。
しかも、舗装道路が砂利道に変わりました。
「あれっ、変だなあ」と思いながらも、森の道をゆっくり進みます。

都会の公園とは思えない原生林の趣。

「樹齢どれぐらいだろう」 森好きの私はそんなことを考えていました。
立派な幹を持つ木々が、美しい森を作っているのです。
バンクーバーのシンボル的存在であるスタンレー公園、確かにここはすごい。
ところが自転車の方は、砂利道に加えて上り坂、一段と重くなります。

妻の機嫌も、ますます悪くなっていました。

ようやく森を抜けて、海沿いの高台に出ました。
眼下に、海沿いのサイクリングロード、シーウォールが見えます。
「やはり、間違えた」
ここで、道を間違えたことがはっきりしたので、来た道を戻ることにします。

重い雰囲気を引きずってイングリッシュ・ベイまで戻ったところで、妻はもうそれ以上自転車に乗る気力がなくなっていました。
「ビーチに自転車を止めて待っているので、一人で走ってきていい」と言います。
明らかに怒っています。

「残って妻の機嫌をとった方が得策だろうか」
私は、少し悩みました。

でも、こういう時は少し離れていた方がいいかもと思い直し、一人でシーウォールを一周することにしたのです。

シーウォール一周サイクリング

シーウォールは、一周8.8キロもあります。
一方通行で、右手は海、左手には森が続きます。

途中、タヌキやアヒルを目撃したと思えば、ヨットハーバー越しに摩天楼が見える場所もあります。
老若男女、多くの人たちが自転車でこの外周道路を回ります。

その傍には遊歩道があり、歩いたり走ったりする人たちも大勢います。
本当に健康的に人生を謳歌する人々、バンクーバーを象徴するすごい公園です。

1時間ほどかけて一周して戻ると、どうやら妻の機嫌もなおったようでした。

シャア自転車「mobi」

自転車と言えば、私たちが訪れた2016年に独自の自転車シェアリングのサービスがバンクーバーで始まりました。

「mobi」と呼ばれるサービスで、市内の所々に専用駐輪場が設置されていました。

水色の可愛いデザイン。

アプリから会員登録し、年会費を払えば誰でもすぐに使えます。
年会費は、30分間乗り放題で99ドル、60分乗り放題が129ドルだそうです。

旅行者でも利用は可能で、1回だけだと割高ですが、ロングステイの人には悪くない移動手段です。
ただ、バンクーバーは坂が多いので、自転車は結構大変です。

至福のお散歩ウエストエンド

自転車で懲りた私たちは、朝の散歩を日課にしました。

まだ涼しい朝のお散歩、住宅地を抜けてスタンレー・パークの方まで歩きます。

「バーナビー通りはきれいだな」
バンクーバーに着いた当初、宿の前の通りに感心していたのですが、実は緑豊かな美しいストリートが街のあちこちにあることを「発見」したのです。

中でも、ダウンタウンの西部「ウエストエンド」と呼ばれる住宅地を散策することが、バンクーバーでの一番の思い出となりました。

街の至る所に、見上げるような巨木が残されているのです。

樹木と住宅が、自然に融合した実に美しい町並みです。

何気ない交差点にも緑があふれ、ロータリーの植え込みもちゃんと手入れが行き届いています。

高級住宅街は日本でも美しいとは思いますが、これほど大きな木がある住宅街の風景はなかなかないでしょう。

歩くたびに、本当に素晴らしいとつくづく感じたものです。

さすが、林業の街バンクーバーです。
しかし私たち日本人こそ、昔から「森と共に生きる生活」を営んできた民族でした。

「私たちも、もっと緑豊かな住環境を作っていきたい」そう思いました。

美しい庭と住民の意識

翌日も、ウエストエンドをお散歩します。

バンクーバーは、今日も快晴です。

半袖、短パンでちょうどいい、気温と湿度。

日本の暑さから逃れ、バンクーバーで夏を過ごす人たちの気持ちも、納得です。

散歩をしていると、ウエストエンドに住む住民たちの意識の高さを感じます。

住宅の前には、決まって奇麗に手入れされたお庭があります。

自らの家を飾るだけでなく、一人一人の営みが美しい街を作っているのです。

一軒一軒、庭先の工夫を見て回るだけでとても楽しい時間が過ごせ、庭いじりが趣味の妻にはとてもいい刺激になったようです。

歩いていると、思わぬ発見もあります。

道端にすごくカワイイ巣箱がぶら下がっているのを発見しました。

小さな木製の家型の巣箱があれば・・・、

枝で編んだボール状のものもあります。

一体、どんな鳥が、やってくるのでしょうか?

「コヨーテと共存を」と書かれたポスターも見かけました。

コヨーテは、北アメリカ大陸に生息するイヌ科の動物で、小型のオオカミのような生き物です。近年オオカミの減少に伴って、コヨーテは増えていると言われていて、カナダの女性シンガーがコヨーテに襲われて死亡する事件も起きています。

なぜこの街角にこんな看板が掲げられているのかはわかりませんが、この街の住民はきっと動物愛護精神に富んでいるのでしょう。

「コミュニティー・ハーブ・ガーデン」という共有の花壇もありました。

料理に使うハーブを栽培していて、必要な分だけ自由に取ってもいいよということでしょうか。

犬を遊ばせるための公園「DOG PARK」もありました。

子供たちが遊ぶ遊具の下にはケガを防ぐためのウッドチップが敷いてあったり、

こうして少し歩いただけで、ここに暮らす人たちが何を大切にしているのか、その暮らしぶりが伝わってきて、日本に帰って真似してみたくなる何かがきっと見つかることでしょう。

ウエストエンドの朝散歩、バンクーバーにいらしたらぜひトライしてみてください。

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