<ご当地グルメ>岡山・倉敷「カフェ・エル・グレコ」の「レアチースケーキ」&「コーヒー」

この週末、岡山は雨。

急に思い立って、午後から農作業を一旦中断しドライブに出かけることにした。

行き先は倉敷。

岡山県第二の都市だが、白壁の街並みが残る美観地区は全国から観光客を集める観光都市でもある。

この秋、友人たちが我が家に遊びに来る計画があるため、私も案内できる程度には岡山の良い場所を知っておく必要があると思い、実に十数年ぶりに倉敷を訪ねた。

倉敷へは岡山市の中心部から30分ほどの距離だが、私たちの家は岡山市の東側に位置するため車で1時間ちょっと走らねばならない。

雨の週末ということで少し渋滞していたが、久しぶりに訪ねた倉敷の街は昔に比べて綺麗に整備された印象を受けた。

市営駐車場に車を停め少し歩くと、そこは写真で見る趣のある街並み。

雨にもかかわらず多くの観光客がそぞろ歩きを楽しんでいた。

雨の倉敷も悪くない。

特に目的があったわけでもないので、とりあえず目についた喫茶店に入ることにした。

有名な大原美術館の隣にある老舗喫茶店「カフェ・エル・グレコ」。

建物を覆うツタと赤い看板テントが印象的な倉敷を代表する有名店だ。

この建物はもともと、大原美術館の創設者で倉敷紡績の社長だった大原孫三郎が事務所として使っていたもので、大正14年に建てられた。

事務所の移転に伴ってそれが喫茶店に生まれ変わったのは1959年、私が生まれた翌年のことだそうだ。

その時植えられたアイビーの木が大きく成長し、建物全体をツタの葉が覆い尽くす美しい景観を作り上げた。

店名の「エル・グレコ」とは、大原美術館に所蔵されているスペインの画家エル・グレコの傑作「受胎告知」に由来している。

私も小学生の頃、遠足で大原美術館に行ってことがあるが、その名画の良さは全然わからなかった記憶しかない。

有名店なのでさぞ混雑していると思ったが、店の前に行列もできていないので入ってみることにした。

店内は大正・昭和の時代にタイムスリップしたような独特の雰囲気だった。

上下に開閉する格子状のガラス窓。

ツタの葉をすり抜けたやわらかな光がとても魅惑的だ。

予想に反して店内はさほど混雑しておらず、すぐに席に案内された。

板張りのフロアにゆったりとテーブルが置かれ、少しレトロな照明がぶら下がっている。

窓の緑がやはり印象的だ。

メニューを見ると、飲み物のほかにはカステラ、レアチーズケーキ、トーストのみ。

昭和の時代にはよく見かけた純喫茶というジャンルのお店のようだ。

私の好きなミルクセーキもあったが、この日は涼しかったのでコーヒーとレアチーズケーキを注文してみた。

席について改めて店内を見回す。

レンガを積んだカウンター、厨房はガラスの扉で仕切られている。

吉祥寺にもこんなお店があったら、きっと人気になるだろうと思う。

咳から見上げるツタの葉は一段と美しく、当時の人たちの西洋に対する憧れを強く感じさせる。

私は何でも「昔は良かった」などと懐古主義者ではないが、大正浪漫漂う当時のデザインには時代を超えて伝わる普遍的な美意識があると思う。

「コーヒー」が運ばれてきた。

値段は720円、かなり高い。

観光地価格と言って仕舞えばそれまでだが、他の倉敷の人気カフェと比べても高い気がする。

フルーツパフェなどで稼ぐカフェと違い、純喫茶なので仕方ないのか・・・。

銀の小さなミルクカップが懐かしい。

東京ではほとんど見かけなくなったが、岡山には老舗の喫茶店がまだいくつも残っていて時々お目にかかることがある。

どうせならお砂糖も壺か角砂糖だと嬉しいのだが、残念ながら今風の愛想のないスティックタイプだった。

やや遅れて、「レアチーズケーキ(ブルーベリーソース)」も運ばれてきた。

こちらは660円、コーヒーよりも安い。

縁の部分のクリームが丸く盛り上がっていて、可愛らしい。

食べてみると、思った以上に塩味が強めでパンチがある。

とても美味しい。

特に下に敷かれたパイ生地の部分に塩分が多いようだ。

ブルーベリーソースとの相性も良く、これは注文して正解だと思った。

倉敷らしい歴史を感じさせる純喫茶。

女の子たちが集まるパフェのお店に抵抗があるシニアには落ち着けるいいお店だと思う。

食べログ評価3.52、私の評価は3.50。

「カフェ・エル・グレコ」
電話:086-422-0297(予約不可)
営業時間:10:00~17:00
定休日:月曜
http://www.elgreco.co.jp/index.html

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「岡山のご当地グルメ」

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