コロナ禍と九州豪雨を無視するように、退職祝いの沖縄旅行2日目。

昼過ぎまでプールで過ごして、ランチはホテル近く、恩納村にある伝説のドライブインに行ってみることに・・・。

「シーサイドドライブイン」。
1967年に沖縄初のドライブインレストランとしてオープンした伝説的なお店だ。

私たちの世代には超懐かしい映画「アメリカングラフィティー」の世界がそこにはあった。
それもそのはず、冷蔵庫の製造業者として米軍基地に出入りしていた創業者が、基地内のレストランを見てそのスタイルを気に入り、アメリカ文化にたっぷりと影響を受けて地元だった恩納村にこの店を開いたという。

店の前面にはテイクアウト専用のカウンターがあって、地元のおじさんたちが昼飯を買い求めていた。
テイクアウトでもよかったのだが、せっかくなので店の中も見てみたい。

店内に入るといきなりアメリカンなお人形が迎えてくれた。
なんか見覚えある。
そう、ベティ・ブーブ。「ベティちゃん」という名前がとっさに蘇ってきた。
戦前から愛されたアメリカを代表するキャラクターである。

店内は満席だった。
それでも、待っているのは私たちの前に1組だけ。用意されている紙に名前を書いて席が空くのを待つ。

窓の外には恩納村の静かな海が広がっていた。
決して豪華なレストランではないが、店名の通りまさにシーサイドの最高の場所に立っている。

コロナ対策の徹底もベティちゃんの役目のようだ。
しかし、この店にいるのはベティちゃんだけじゃない。

「昭和のなつかしいおもちゃ達」と書かれたガラスケースには、アトムやドラえもん、アラレちゃんからヤッターマンまで、様々なキャラクターたちが大集合していた。
アニメキャラクターだけではない。

トイレ前の壁にはピンクのオープンカーが飾られてジュークボックスまで置いてある。
私たちより上の世代には懐かしい1950年代のアメリカ文化がまだ大切にされていた。

そして何故か熱帯魚の水槽まで・・・
おそらく創業者の趣味の世界をすべてここに集めだのだろう。

しばらく待っていると、窓際の席が空き、そこに案内された。
そこに置いてあるメニューがまた面白い。

創業当時の写真を使ってアメリカンな店の歴史を紹介しているページがあると思えば・・・

裏表紙にはかわいいアイスクリームがズラリ。
そして中を開くと・・・

うなぎ丼にかつ丼。
次のページには・・・

酢豚にビーフチャーメン。
どんどんアメリカから離れていく。
ここはそんな何でもありのワンダーランドなのだ。

そんな豊富なメニューから妻が選んだのは「野菜サンド」(250円)と「アイスミルク」(250円)。
安い!
ケチな妻がこの店でいいと即断したのは、なんと言ってもその圧倒的な安さが理由だった。

野菜サンドはトマトときゅうりをはさんだだけのシンプルなサンドイッチだったが、そのパンは今時の日本ではお目にかかれないパサパサのパン。
でも妻は「発展途上国に来たみたい」と言いながら美味しそうに食べた。
ちなみに「アイスミルク」は普通の牛乳だったらしい。

一方、私が注文したのは「フィッシュバーガー」(280円)と「バニラシェイク」(450円)。

激安バーガーが何種類か並ぶ中で、店員さんに聞いて「フィッシュバーガー」を選んだ。
これが大正解。
見た目は安っぽいが、魚のフライはカリカリっと揚って予想外に美味しい。

シェイクも3種類の中から選んだが、これも素朴で甘くてなんだか懐かしい味がした。
よく見ると、表面にバニラビーンズの粉が見えている。

近頃、東京ではハンバーガーは高級で手の込んだものが当たり前になったが、初めてマクドナルドでハンバーガーやシェイクを体験した時のワクワク感を思い出した。
ハンバーガーって、安く食べられるカッコいい食べ物だったなあ。
古き良きアメリカと沖縄の文化がチャンプルーされた「シーサイドドライブイン」。
一度は行ってみる価値のあるお店だと思った。
食べログ評価3.55、私の評価は3.50。
「シーサイドドライブイン」 電話: 098-964-2272 営業時間: 24時間営業 定休日: 水曜? http://www.seaside-drivein.com/