天台宗の総本山・比叡山延暦寺への参拝を終えて、ケーブルカーで山を下ってきた。
ホテルの送迎バスを利用するには1時間ほど時間がありそうなので、JR湖西線「比叡山坂本駅」近くでランチを食べることに。

選んだのは駅前にある中国料理店「登煌」。
この日も猛暑日で食欲もそれほどないし、この暑さではとても遠くまで歩く気にはなれない。
田舎の駅とはいえ、比叡山のお膝元でかつては明智光秀が築いた坂本城もあった観光地。
「中国料理 登煌」の立体看板もなかなか立派である。

店内は予想以上に綺麗だった。
駅前ロータリーに面して大きなガラス窓が設置され、明るい室内は東京にあるお店と比べても遜色ない。

私たちが案内されたのは窓際のテーブルで、ロータリーからの視線が気にならないよう笹で目隠しがされていた。
駅前とはいえ、とても落ち着いた雰囲気である。

メニューを開くと、中華料理の定番メニューが並び、麺類や点心もある。
値段も街中華と高級中華の中間といった具合で、観光客相手の店としては悪くない。
電車の時間の都合で40分ぐらいでは食事を済ませたいので、私も妻も麺類をチョイスした。

私が選んだのは「酸辣湯麺」(880円)。
私が昔よく食べに行っていたお店では「スーラータンメン」と読んでいたので私がその名で注文すると、店員さんは「サンラータンメンですね」と応じた。
「スーラー」と読むか「サンラー」と読むか、お店によってまちまちなのでこのメニューを注文する時はいつも何と発音するかで迷ってしまう。

酸味と辛さが持ち味のこの中華麺は、暑い夏でも食欲をそそる。
スープのとろみといい、とき卵の具合といい、見た目はとても美味しそうだ。
一口食べて、いつものようにテーブルにあったお酢をドバッと加える。
これが私の酸辣湯麺の食べ方である。

スープの中に隠れている中華麺もツヤツヤで、喉越しがいい。
暑さで食欲がなかったのだが、やっぱり酸辣湯麺ならペロリと完食してしまう。
このお店の酸辣湯麺は穏やかな味で、私にはもっと酸っぱくて辛い方が好みなのだが、それでも十分合格点を与えられるレベルだった。
とにかく、見知らぬ駅前に酸辣湯麺があっただけでも儲けものと言えるだろう。

ちなみに妻は、「五目入りやきそば」(770円)を注文した。
運ばれてきたのは妻が苦手なかた焼そば風だったが、妻は美味しいといって食べていた。
メニューには「五目入りあげそば」も並んでいたので、ひょっとするとお店の方で間違えたのかもしれないが、妻が美味しいなら問題はない。
私も一口もらったが、個人的にはやはり酸辣湯麺だなと思った。

駅前に「登煌」があったおかげで、旅先での時間を有効に使えた。
坂本から比叡山に観光に行くなら、この店はオススメである。
延暦寺でも蕎麦や団子は食べられるが、おそらくこちらの方が充実したランチが食べられると思う。
食べログ評価3.37、私の評価は3.50。
「中国料理 登煌」 電話:077-579-0956 営業時間:11:30~14:30/17:00~21:00 定休日:月曜・第2火曜 https://www.ton-kou.com/