<きちたび>福岡の旅2020③ 天神の再開発で「元祖もつ鍋楽天地 天神本店」が・・・

🇯🇵 福岡/福岡 2020年10月25日

プライベートで福岡に行くのは初めてなので、夕食も何か福岡らしい店でと思い、人気もつ鍋チェーンの天神本店を事前に予約した。

ところが・・・

Googleマップを頼りにその場所に行ってみると・・・

そこは工事現場になっていた。

「天神ビッグバン」という文字が見える。

九州最大の繁華街である福岡の天神地区では、今いくつもの再開発事業が進められていて、その総称が「天神ビッグバン」なのだそうだ。

国家戦略特区にしていされ容積率が大幅に緩和されることで、10年間に30棟のビルが建て替えられるという。

福岡市役所脇にこの区画でも、「天神1丁目南ブロックのまちづくり」が進められていて、ビルの建て替えが行われるようだ。

この通りに面していた商業施設「天神ビブレ」は今年2月に閉店。

周辺のお店もすでに移転していた。

私が予約したお店はどうなってしまったのだろう?

予約した時間は店が開く午後5時だが、こんな場所にお店があるのだろうか?

絶望的な気持ちで路地を見つめていると、一人の男性がフェンスに覆われたビルの中から出てきた。

彼は、赤い電飾看板を路上に設置していたのだ。

「もつ鍋専門店 楽天地」

これぞ、私が東京から予約したお店だった。

電飾看板は回転するようになっていて、「ようこそ博多へ!」とにこやかなお兄さんが出迎えてくれた。

赤い看板は暗い通路の奥へと続いている。

どうやらお店はこの通路の奥にあるらしい。

秘密の場所に足を踏み入れるようなワクワク感と不安な気持ちを抱えながら通路を入っていくと、2番目の看板には「元祖もつ鍋楽天地がよかろうもん」と書いてあった。

場末のキャパレーを訪ねる気分だ。

通路の奥に待っていたのは、今時珍しいほど古ぼけた建物だった。

ここって、本当に日本か?

香港の路地裏にでも紛れ込んだ感じだ。

店の周囲はフェンスに囲まれ、この一帯で営業しているのは、このもつ鍋屋ただ一軒のようだ。

「すごいところに来ちゃったな」

まるでパレスチナ人になった気分だ。

建物を見上げてみる。

アクリルのひさしは壊れていて、2階部分にだけ灯がついている。

どうやら、ここがお店らしい。

もつ鍋専門店「元祖もつ鍋楽天地 天神本店」。

1977年創業、もつ鍋を博多を代表する料理にまで広めた伝説の人気店だ。

その怪しげな入り口から中に入ると・・・

当然のごとくエレベーターなどはなく、階段で2階へ上がる。

階段を上がると、換気のために扉が開けっぱなしになっていた。

私が一番乗り。

店に入ると、体温を測られ、手のアルコール消毒を求められた。

店構えとは裏腹に、コロナ対策にはかなり気を使っているようだ。

カウンターの一番奥に案内される。

カウンター上にはアクリル板の仕切りが設けてある。

店員は2人、いずれも若いお兄さんだ。

私の後から、一人お客さんがやってきた。

こちらがメニュー。

人気NO.1は、「もつ鍋満足コース」(2190円)。

もつ鍋1.5人前に、小鉢、豆腐、食べ放題のチャンポン玉がセットになったフルコースだ。

74%のお客さんがこのコースを選ぶという。

でも、私はこんなに食べるつもりはないので、「もつ鍋 単品コース」(1090円)と生ビール(540円)を注文した。

こんな工事現場のようなお店にお客さんが来るんだろうかと思っていると、次から次へとお客が入ってくる。

若者ばかりだ。

カウンター席はすぐに一杯になり、人数の多い客は3階に上がるように言われている。

3階にも席があるようだ。

まず、生ビールが来た。

目の前では、お兄さんが手でキャベツを割っている。

ガスコンロの上に、鍋が置かれた。

これが一人前だ。

鍋の中はシンプルで、もつとニラとキャベツ。

豆腐やチャンポン玉が欲しければ別料金となる。

もつ鍋の作り方が書いてあった。

  1. 火を付けたらなるべく強火のまま触らんでじっと待ってて下さい。
  2. 野菜がしんなりしてきたら火を中火に。スタッフが忙しくてまぜに来られない場合はごめんなさい!! ご自身でおまぜ下さい。まぜ終わったら出来上がり!!です。
  3. さあ!お肉は煮すぎないうちに食べましょう。すき間ができたら豆腐を入れて。少し色がついてきたら召し上がれ。
  4. お肉が足りなくなったら迷わず「ぷりもつ」追加。途中で入れるとぷりぷりうまーい。
  5. 具が少なくなったらチャンポン投入。満足コース、ざんまいコースの方はチャンポン食べ放題、スープは無料。煮込めば煮込むほど、トロトロうま〜い。

「ぷりもつ」追加は880円、豆腐は260円、チャンポン玉は260円だ。

そんなことをしているうちに、鍋が煮立ってきた。

野菜がしんなりしてきたら中火にして、お椀にとって食べる。

もつもキャベツもいい色に煮えた。

甘辛い特製ダレはさすがに美味い。

唐辛子を適当にかけて・・・

一気に食べてしまった。

鍋の中身を食べ尽くしてしまった後で、チャンポン玉を最後に入れるのを忘れたことに気がついた。

でも、今はダイエット中、この店の雰囲気を味わえただけで十分満足だ。

私の隣のカップルは「満足コース」を注文し、1.5人前×2人分の鍋は、ニラの巨大な山のようになっていた。

私が食べ終わる頃には、店内はもう満席。

こんな工事現場の中に取り残された飲食店が満席になるとは、ちょっと想像できない光景だ。

会計をしながら、お兄さんに「いつまでここやるの?」と聞いたら、「決まってないです」と言った。

でも、立ち退きが迫っていることは間違い無いだろう。

「楽天地」は天神だけでも数軒の姉妹店を営業しているので、いざとなればここを閉めるだけだが、閉店する前に伝説の店に来られたのはちょっと得した気分だった。

店が綺麗で美味しい店は他にいくつもあるようだが、私にとっては最高のもつ鍋体験だった。

食べログ評価3.66、私の評価は4.00。

「元祖もつ鍋楽天地 天神本店」
電話:050-5869-0380
営業時間:17:00~24:00
定休日:無休
https://www.rakutenti.jp/

2泊3日福岡&対馬の旅2020

① 博多駅直結「博多めん街道」で味わう「元祖博多だるま」の「博多セット」

② 初めての太宰府で「九州国立博物館」にガッカリ

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④ 「ANAクラウンプラザホテル福岡」の朝ごはんが凄い!

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