原谷苑

桜の季節に京都を訪れるのは初めてだった。

ということは、もう二度と京都の桜を見ることはないかもしれない。ということで、せっかくだから桜の名所という所をもう一つたずねてみることにした。

あるサイトに京都の桜の「横綱」と紹介されていたのが「原谷苑」だ。あまり調べもせず、時間を節約するためにタクシーに飛び乗った。

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金閣寺近くの山の中。住宅地の中に突然、桜の園が出現した。

入場料は1500円。醍醐寺と同じだ。

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さして広くもない園内。色の濃い紅しだれ桜を中心に様々な種類の桜が咲き誇る。ご丁寧に桜の下にはツツジが植えられている。右を向いても左を見ても、上を向いても下を見てもピンクの世界が広がる。

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ところどころにユキヤナギの白い花も配され、まるで紅白まんじゅうのようだ。

訪れる客の9割以上が女性。特におばさんたちだ。

「うわー、きれい。うわー、きれい」と口々に叫んでいる。

女性という生き物は、どうしてこうもピンクが好きなのだろうか?

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確かに写真に撮るときれいに見えるが、実際のところ、ものすごく人工的で品のない庭だ。

個人的にはまったく好きではない。はっきり言って、ここに来たのは大失敗だった。こんな桜、京都でなくてもどこでも作れる。SNSの写真で人を騙す悪徳商法だ、と少し腹立たしくなった。

おかげで、交通機関のあまりない住宅街にタクシーの行列ができ、大騒ぎだ。少なくともオヤジが行く場所ではない。時間と金の無駄であった。

入園後、わずか10分で出た。今回の京都出張で唯一の失敗だった。

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やはり京都の桜は、伝統的な街並みや寺社仏閣とセットで味わうから素晴らしいのだ。

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街角で見かける一本の桜の木も、先人たちの美意識が反映されている。ただ適当に植えているのではないのだ。

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松があることで桜が映える。

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知恩院を飾る幕も、長い年月の中で季節の彩りと調和する色が選ばれているのだろう。

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原谷苑は“京都の桜”にあらず。

私の独断と偏見ではあるが、写真では伝わらない圧倒的な違いを私は感じた。

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