人形町の泊まって周囲をぶらぶらする旅。
ディナーは老舗の蕎麦屋にした。

「室町 砂場」。
明治2年創業、今年ちょうど150周年を迎える老舗だ。

最寄駅は、JR総武線の新日本橋駅。

目の前に見えるのは、今年9月にオープンしたばかりの「コレド室町テラス」。
台湾の誠品書店とコラボした新しい本屋「誠品生活日本橋」が話題だ。

こんな日本橋室町の路地には、老舗の飲食店がポツポツと佇んでいる。

「室町砂場」も、そんな路地裏にあった。
入り口に植えられた柳の木が、往時の風情をかすかに感じさせる。

料理を食べながらゆっくり過ごしたい客には、2階の座敷が用意されているらしいが、手軽にそばだけ食べたい私たちは1階席のテーブルがちょうどいい。

蕎麦屋らしい小さなテーブル。
小上がりもある。

窓の外には小庭があって、気取りはないが老舗の粋が生きている。

おそばの種類は豊富にあるが、この店で食べたいのは「天ざる」と「天もり」。
今ではどこの蕎麦屋にもある「天ざる」「天もり」は、この店が発祥だという。
しかし、「天ざる」「天もり」と言っても、私たちが普通にイメージするものとは全然違うのでややこしい。

まずは、「瓶ビール 小」(500円)を注文。
付け合わせは「梅くらげ」。私の大好物だ。

そして、こちらが「天ざる」(1600円)。

冷たくて白いそば。
「天ざる」は、さらしな粉を使用した白いそばが特徴だが、通常のざるそばに付き物の刻み海苔は乗っていない。

温かくて甘辛いつけ汁。
そして、つけ汁の中に天ぷらが浮かんでいる。
芝海老と小柱のかきあげだ。

「天ざる」とは言っても、天ぷらの盛り合わせは出てこないのだ。
これが、室町砂場発祥の「天ざる」。
戸惑う客が多いと見え、メニューにはこんな注意書きが・・・。

『一品料理の天ぷらとざる・もりのセットではございません。』
その上で、自信満々にこんな説明が添えられている。
『 “天ざる”“天もり”は当店発祥。天ぷらそばを、暑い夏でも食べ易くと冷たいセイロでのつけ麺スタイルにしたのが始まりです。』

一方、こちらは「天もり」(1600円)。
つけ汁は「天ざる」とまったく同じだが、そばが違う。

挽きぐるみなどを使用したというそばは、そば本来の香りと色を持った美味しいおそばだ。

さらしなの白いそばと比較すると、ご覧の通り。
まったく違う。
どちらが好きかは個人の好みだが、間違いなくどちらも美味しい。

甘辛汁に冷たいそば。
そばはするっと食べてしまう。
男の人にはちょっと足りない気もするが、汁に入っているかき揚げのおかげで後からお腹が膨らんでくるので、食べ過ぎには注意しましょう。
老舗の蕎麦屋、江戸っぽい夕食でした。
食べログ評価3.79、私の評価は3.80。
「室町 砂場」 電話:03-3241-4038 営業時間: 月~金 11:30~21:00(L.O.20:30) 土 11:30~16:00(L.O.15:30) 定休日:日曜・祝日
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