京王井の頭線の駒場東大前駅のホームに降りると、「東大生募集」とか「東大生のソウルフード」といった東大生縛りの広告が所狭しと貼られている。
ここはまさに、東大生のための駅という印象だ。
せっかく初めてこの駅で降りたので、東京大学のキャンパス内にあるレストランでランチを食べることにした。
妻が一度行きたいというので付いてきたが、正直ほとんど期待していなかった。
ここが目指すレストラン「ブラッセリー ルヴェ ソン ヴェール駒場」。
お世辞にも、おしゃれな建物とは言えない。
ただ一歩、中に足を踏み入れると、大学の学食とは少し違うお店であることはすぐにわかった。
決して華美ではないが、落ち着いた老舗レストランといった趣がある。
お店のホームページを見ると・・・
『 ルヴェソンヴェール駒場は、東京大学駒場構内の“旧制一高”の同窓会館を、全面的に改修し2004年に、東京大学のゲストハウスとしてオープンしました。
昭和初期の建物であることから、全体的なデザインやエントランス、1階から2階に上がる階段部分などは当時の面影を残したまま工事が行われました。』
エリート教育の一環として作られたフランスレストランかと想像していたが、どうやらその歴史はまだ15年ほどらしい。
レースのカーテンが程よく外光を遮り、気持ちの良さそうな窓辺の席でお客さんがくつろいでいる。もう少し暖かくなると、テラス席も用意されているらしい。
ただ、学生らしき人影はまったくなく、ほとんどはファミリー客だ。店の人に聞くと、学生さんはほとんど来ないという。
メニューを見て、少し驚いた。
「本日のランチ」というのが2種類あって、肉料理か魚料理を選んで、サラダバーとデザート、コーヒーがセットになって、それで1000円。フランス料理のセットで1000円はなかなかお目にかかれない。
限定20食のランチコースも、2000円でいただけるという。
これって、ものすごくお得ではないのか・・・。
まずは、サラダバーからいただく。
1000円ランチとは思えない、充実したサラダバー。
ドレッシングは3種類。クルトンやチーズもかけ放題である。
人参にも大根にも味付けがされていて、とても美味しい。
あまりに美味しかったので、2皿目をお代わりしてしまった。
そして、メイン料理が登場。
私が選んだのは、「Aランチ お肉料理」。本日の肉料理は「豚バラ肉の煮込み タイム風味」だ。
トロトロに煮込まれた豚バラ肉。
見るからに美味しそうだ。
付け合わせのジャガイモもホクホクだ。
美味しいのだが、個人的には、肉が多少カスっぽく感じたのと、マスタードが欲しいと思ったのが気になった点だ。
一方、妻が選んだのは「Bランチ お魚料理」で、本日の魚料理は「サゴシのポワレ ヴィネガー風味のオニオンピューレ添え」だという。
私は知らなかったが、サゴシとはサワラのことで、成長するに従ってサゴシ、ナギ、サワラと名前を変える。妻は知っていたようだ。
まあ、普通に美味しい。
食後のデザートは瓶に入った「プティ・パンナコッタ」。
そして、ホットコーヒーもいただいて、素敵なランチは終わる。
ここは本当にとても素敵なレストランだった。カジュアルで安くて質が高い。
東大生が利用しないのが、もったいないほどだ。
食べログ評価3.50、私の評価は3.60。