髑髏城の七人

舞台が360度回転するアジア初のステージアラウンド劇場「IHIステージアラウンド東京」に行った。劇団☆新感線の舞台「髑髏城の七人」を見るためだ。

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夕方6時すぎ。夕暮れのウォーターフロントにその劇場はたっていた。狭い入り江の向こう側に有明の高層マンション群がそびえる。

最寄駅はゆりかもめ線の「市場前駅」。今話題の豊洲市場のすぐ近くだ。

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ステージアラウンドシアターという新しいスタイルの劇場はオランダで生まれた。ここ東京はアジアで初めて、世界でもおそらく二番目のステージアラウンド劇場となる。あくまで仮設劇場で数年で取り壊される予定だと聞いた。

1300人収容の客席が回転し、その円周部にセットが組まれていて役者たちはそのセットを縦横無尽に動き回りながら演じていく。セットチェンジが必要ないため、大掛かりなセットが組めるのが特徴だ。今回の舞台でも、セットの中に川が作られ、実際に水が流れる川で決闘シーンが展開される。

残念ながら劇場内は撮影禁止。舞台が始まる前は写真ぐらい撮らせれば、SNSで拡散されるだろうにと思った。

ただロビーは撮影OKだった。

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仮設とはいえなかなか立派な建物だ。しかし、女子トイレの動線は如何ともしがたい。幕間には、長い長い行列ができる。客の大半は女性だ。

劇団☆新感線は、35年以上の歴史を持ち、年間20万人を動員する人気劇団。その代表作が「髑髏城の七人」だ。1990年の初演以来、キャストや趣向を変えながら何度も再演されて来た。そして今回、ステージアラウンドというまったく違う形式で、新たな「髑髏城の七人」が上演されているのだ。

キャストは、小栗旬、山本耕史、古田新太ら人気の役者を揃えた。このキャストによる最初の3ヶ月は「髑髏城の七人・花」と題され、すでに完売だ。

そして次の3ヶ月は「髑髏城の七人・鳥」。キャストが一新される。阿部サダヲ、森山未來、早乙女太一、松雪泰子といったこちらも豪華な面々だ。このチケットは今週末発売予定だが、こちらも早々に売り切れると見られている。

実際の舞台は、客席の回転だけでなく、ステージを切り取るスクリーンも動き、シーンによっては広く、場面によっては狭く、セットを切り取っていく。客席が回っているのかスクリーンが動いているのかわからなくなる不思議な感覚だ。客席の回転は予想以上にスムーズで、舞台に集中できる。スクリーンには舞台に合わせて墨絵のような映像が流れ、舞台に広がりを演出する。

どんなセットを組むか、どこで客席を回転させ、どこでスクリーンを動かすか。演出家はいつもと違う思考が求められる。それでも一流演出家はこの劇場を使ってみたいだろうと思う。これまでにない演出が可能になる。芝居という最も肉体的な原始的な世界にもテクノロジーの進化が変化をもたらせている。

カーテンコールでは、客席を一周させ、セットを全て見せながら、役者が挨拶する。観客はそこで初めて、どのようにセットが組まれていたのかを知ることができる。これもステージアラウンドならではの演出だろう。

舞台が終わると夜10時を回っていた。休憩を挟んで3時間半の公演だ。これを昼夜2公演やる役者たちもご苦労様である。

外に出ると、劇場の向こう側に都心の美しい夜景が広がっていた。

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せっかく東京に住んでいるんだから、たまにはこうした劇場文化にも触れないともったいないとは思う。一時は、事業部長として演劇やコンサートを主催した時期もあったのだ。

ただ、どうもこのところ、静かな暮らしに慣れてしまい、強い刺激を求める気持ちが弱くなってしまっている。

まあ、それはそれで居心地がいいのだ。

 

 

 

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