変な台風

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「異常気象」という言葉もすっかり聞き飽きてしまったが、今年の台風12号は、まさに私たちの常識を打ち破る画期的な台風だった。

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小笠原から八丈島の東へ回り込んだ台風が、西向きに進路を変え、日本列島を東から西へと縦断したのだ。

当初、東京から北陸に抜けると予報されていた。

土曜に予定されていた立川の花火大会は中止、隅田川の花火大会は日曜に順延された。

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土曜日の午後から降り始めた雨は、激しくなったり弱くなったりしながら夜まで続いた。

しかし、進路が南に逸れたため、東京への影響はさほどでもなかったのだが、神奈川から静岡にかけての太平洋岸には思わぬ被害が出た。

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海に突き出した南熱海のホテル「アカオリゾート」。

入江に作られた自慢のレストランの巨大ガラスが高波に直撃され割れた。テレビでは、窓に打ち付ける高波の映像が映し出された。まるで昔の映画「ポセイドン・アドベンチャー」のようだ。

湯河原の海沿いの国道では、通行中の車が高波の被害にあった。助けに向かったパトカーや救急車までも巻き込まれた。一人の犠牲者も出なかったのは、まさに奇跡だろう。

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台風は伊勢湾に上陸した後、瀬戸内海を西に進む。

わざわざ西日本豪雨の被災地の真上を通ったのだ。我が家の親たちが暮らす岡山を直撃するということで、ちょっと心配したが、あまり風も吹かず雨も思ったほどではなかったようだ。

その後、台風は九州を北から南に縦断。まさに日本列島にできるだけ公平に雨を降らそうと意図したようなコースだ。

そして、九州南部で停止。グルっと小さな円を描いて再び勢力を盛り返し、中国へと向かうという。何か、誰かが操縦しているような台風である。

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このように台風を逆走させた犯人は、「寒冷渦」だった。

この寒冷渦は寒冷低気圧とも呼ばれ、ウィキペディアによると・・・

『 中緯度地域で偏西風(厳密にはその最も強い部分であるジェット気流)の蛇行が激しくなると、蛇行が低緯度側へ張り出した部分(気圧の谷)が切り離されて独立した渦となることがある。この部分は極からの寒気が入り込んでいる部分であるので、周囲よりも寒冷な低気圧となる。』

つまり、偏西風の蛇行が激しくなって、一部切り離された寒気が台風と同じ反時計回りしながら南下してきたものなのだ。

台風はこの寒冷渦の反時計回りの回転に促されて、東から西、さらに南へと進んだ。そして九州まで来たところで、寒冷渦が消えてしまったので勢いが止まり、北に張り出しているシベリアからの高気圧の淵を回る形で中国へと向かおうとしているのだ。

偏西風ははるかに北を流れていて、台風のことは放ったらかしだという。

今年の夏は、世界的に記録的な猛暑が続いていて、中国では連日の40℃超え、カリフォルニアやスウェーデン、ギリシャでも山火事が猛威を振るっている。

人間がもたらした温暖化だが、人間はなす術なく自然に翻弄されるだけである。

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