平昌オリンピック④ 小平奈緒の金

やはり一発勝負のスピードスケートはハラハラする。

絶対王者として女子500mに臨んだ小平奈緒が見事金メダルをつかんだ。

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14組に登場した小平。メガネは1000mの時のオレンジと黄色ではなく、黒縁だった。解説者が「獲物を狙うような目」と言ったが、まさに前をきつく睨みつけた表情。集中していることがテレビを通して伝わった。

スタートの時、ピクッと小さく動いた。

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しかし、最初の100mで10秒3を切った。素晴らしいスタート。そのまま伸びやかなスケーティングでゴールを駆け抜けた。

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タイムは36秒94のオリンピック新記録。平地リンクでの世界最高タイムだった。

13年間、二人三脚で記録を伸ばしてきた結城コーチとハイタッチ。いつも控えめな小平が何度もガッツポーズをした。

小平の後ろには、世界記録保持者、オリンピック三連覇を狙う韓国のイ・サンファがまだ控えている。ライバルにプレッシャーはかけた。後は結果を待つだけだ。

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地元の大歓声を受けてリンクに上がったイ・サンファ。スタートのタイムは小平を上回った。

しかし結果は37秒33。3大会連続の金メダルはならず銀メダルに終わった。

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レース後、小平がイ・サンファに歩み寄り、彼女の肩を抱いた。地元の絶大な期待を受けながら果たせなかったライバルを優しく労わる。

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日韓の微妙な関係の中で、長年ライバルとしてしのぎを削ってきた両者。二人にしかわからない感情がこの瞬間交わされたのだろう。

今回のオリンピックで、私には最も印象的な感動的なシーンだった。

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主将に選ばれた選手は金メダルを取れない。

そんなジンクスが平昌の主将に選ばれた小平の周りでも囁かれたという。それを500mに対する絶対的な自信で跳ね返した。

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これで今大会の日本のメダル数は長野五輪の10個に並ぶ過去最多タイとなった。まだ複合男子のラージヒルがある。女子パシュートもある。最多記録を更新するのは確実だろう。

過去2大会の屈辱とものすごいプレッシャーに打ち勝った小平選手に最大限の拍手を送りたい。

本当におめでとう。

 

 

 

 

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