なおみ 全米制覇

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決勝は、かつての女王セリーナ・ウィリアムスとの対戦だった。

私は、大坂なおみが勝つだろうと確信していた。

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WOWOW独占放送なので、生では見られなかった。

朝起きて、ネットでなおみの優勝を知った。6−2、6−4のストレート勝ちだ。

日本人初のグランドスラム制覇だが、まあ、当然だろうと私は思った。

それほど今大会の大坂なおみは、強かったからだ。

それにしても、テレビ放送は何とかならなかったのだろうか?

最近、動画配信サービスに押され元気のないWOWOWにとって、なおみの活躍はまさに恵の神だろうが、これだけの歴史的な試合は無料放送で日本中が楽しめた方が良かった。

スポーツはやはりライブでハラハラしないと、感動も目減りしてしまうのだ。

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さて、試合の話だ。

憧れのセリーナとの決勝戦、しかも全米オープンの決勝である。アメリカ育ちのなおみにとっては文字通り最高の舞台だったろう。

だから、彼女は緊張していた。まだ20歳、しかももともとメンタルの弱さが指摘されてきた彼女にとってはなおのことだ。出産でしばらく試合を離れていた元女王の復帰を待ち望んでいたニューヨーカーたちは、ほとんどがセリーナを応援した。アメリカ育ちのなおみが地元で完全アウェイの状況に置かれる厳しい試合だった。

それでもなおみは終始落ち着いて試合を進めた。セリーナが審判に抗議し、試合がしばしば中断する異様な雰囲気の中でも冷静さを保った。

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彼女は、変わった。

錦織のように、技術と精神力で戦うタイプではない。天性の身体能力に恵まれている。そんな彼女が課題だったメンタルの弱さを克服したら、どこまで強くなるのか誰にもわからない。

彼女は従来の日本人の枠に止まらないすごい選手になることだろう。

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表彰式に臨んだなおみ。会場からはセリーナの出産後初の全米制覇を期待したファンからブーイングが浴びせられた。

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セリーナから肩を抱かれたなおみは、泣きながら優勝インタビューでこんなことを語った。

「ちょっと質問じゃないことを語ります。みんな彼女(S・ウィリアムズ)を応援していたのを知っている。こんな終わり方ですみません。ただ試合をを見てくれてありがとうございます。本当にありがとう」

笑える愛らしいインタビューが人気だった大坂なおみの初優勝のインタビュー。自分の置かれている状況をきちんと理解して、なんと日本人らしい奥ゆかしい発言ではないか。

きっと今回の全米オープンは、新旧女王の交代劇として、テニスの歴史に刻まれることになるだろう。そして同時に、彼女の優勝インタビューも語り継がれるのは間違いない。

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まずは、彼女の優勝を心から讃えたい。

そして二重国籍の彼女を、日本人としてテニス界に送り出してくれたハイチ系アメリカ人のお父さんにも感謝しなければならない。

彼女は、大阪生まれ。ただ苗字の「大坂」は、日本人であるお母さんの姓だ。お母さんは北海道の根室市出身で、祖父は歯舞諸島から根室に渡り今は漁協の組合長をしているそうだ。テレビに映ったお祖父ちゃんは嬉しそうだったが、随分大きな家に住んでいた。

それにしてもこのところハーフの日本人選手の活躍が目立つ。

異なる血が交わることで、未知の才能が開花する。日本人の持つ努力、忍耐、冷静さといった強みが、カリブ人の身体能力と掛け合わされたのが、大坂なおみなのだろう。

歴史上最も国際化した世界の中で、今後の日本人はどんな進化を遂げるのだろう。

「単一民族国家」の良さはもちろんあるが、「純血」にこだわりすぎるとまた間違った道に行ってしまう。一人一人の違いを受け入れる寛容な日本社会ができれば、もっともっと可能性に満ちあふれた日本が築かれていくことだろう。

大坂なおみさんには、ぜひもっと活躍してもらい、日本人の枠を大きく広げてもらいたいと思う。本当に、おめでとう。

 

 

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