<吉祥寺残日録>路面電車で楽しむ岡山!レトロな商店街と明治創業の「翁軒」 #201003

「GO TO トランベル」を活用した岡山への帰省2日目。

宿泊した「ヴィアイン岡山」で、コロナ対応のスペシャル朝食をいただく。

通常の朝食ビュッフェに代わり、なるべく宿泊客が接触しないよう決められたメニューをお皿に取っていく。

なんだか、学校給食のようだ。

2日目の予定はまず最初に、妻の実家に顔を出し、一緒に昼食を食べること。

「GO TO トラベル」でもらえる15%分の「地域共通クーポン」を使って、何か食べ物を買っていこうと思い前日に希望を聞いたところ、天満屋百貨店地下の「夜寿司」の握り寿司がいいというリクエストが返ってきたので、チェックアウト後、レンタカーをホテルに停めたまま路面電車で天満屋に向かった。

岡山駅前から2つの路線でチンチン電車が走っている。

路線は昔のまま、どちらのルートでも天満屋の近くを通る。

多くの町で路面電車が姿を消した中で、岡山では今も現役で頑張っているのは、ヨーロッパみたいでちょっと格好いい。

料金は、天満屋近くの停留所までは100円。

そこを越えると、140円となる。

SuicaもPASMOも使えるので、東京からの旅行者にはありがたい。

ちょっと早く着きすぎて、まだ天満屋の開店時間前だったので、久しぶりに「表町商店街」をぶらぶら南に歩き、西大寺町の方までお散歩してみた。

高校生の頃にたまに来ていたが、あれからもう40年以上が経っている。

正直、ほとんど記憶はない。

しかし、その商店街は、まるで昭和。

時が止まったように見えた。

看板の店名を右から書いてある雑貨屋さん・・・

店名にラジオがついた電気屋さん。

まるで、「三丁目の夕日」のセットの中に迷い込んでしまったような錯覚を覚える。

そんなレトロな商店街の中で、一際目についたのがこちらの和菓子屋さん。

明治22年創業の老舗「御菓子司 翁軒」である。

京都や奈良の老舗のような独特のオーラを感じた。

調布という和菓子で有名だが、この店に来るのは初めてだった。

私の後から歩いてきた妻も、やはりこの店に引き寄せられた。

妻が目をつけたのは、こちらの「不老餅」。

90歳前後の両親への手土産にちょうどいいと思ったのだろう。

お店の女将さんと話をしている妻を横目に、私は店内を見て回る。

干支の人形が並んだショーケース。

年季の入った看板、どこを見ても渋い。

妻は「不老餅」の3個入りを買おうと思ったのだが、女将さんからは「出来立てでまだ柔らかすぎるので少し時間がかかる」と言われたらしく、天満屋で買い物をしてから戻ってくるということになったらしい。

「えっ? また戻ってくるの?」と思ったが、別に急いでいるわけでもないので、おとなしく妻に従うことにした。

「翁軒」からUターンして、天満屋の地下へ。

いわゆるデパ地下だが、田舎の百貨店にしては東京と変わらない充実したデパ地下だった。

岡山を代表するデパート天満屋は、創業1829年。

小間物屋からスタートし、百貨店の形式になったのは大正時代だったそうだ。

このデパ地下に店を構える老舗寿司店「夜寿司(よずし)」。

岡山市内にある本店は創業1954年で、年寄りにとっては寿司を食うなら夜寿司と脳に刷り込まれているお店なのだろう。

今日は、妻の弟もいるので、「上にぎり」を3つと「松前寿司」を1つ、そしてこちらもリクエストのあった「いなりずし」を1つ買って、合計6900円ほどになった。

天満屋では、基本的に「地域共通クーポン」が使えるらしく、1000円のクーポンを6枚使い、差額は現金で支払った。

結果的には、高齢の両親は食べる量が限られていて、「いなりずし」はほとんど残ってしまい、仕方なく私がもらって私の実家に持って行って夕食にいただいた。

味はまずまずだが、特別美味いというほどのこともない。

天満屋でお寿司を調達した足で、再び「翁軒」に戻ると、注文した「不老餅」は用意してあった。

「翁軒」の和菓子は、実は天満屋でも岡山駅でも買えるのだが、わざわざ本店で買う価値は十分あると私は感じた。

見る限り、老夫婦2人で営んでいるように見えるので、ひょっとしたら数年後には店をたたんでしまっているかもしれない、そんな絶滅危惧種のような貴重さを感じたのである。

かつては岡山一の繁華街と言われた表町商店街だが、今ではめっきり人通りも減り、空き店舗も目立っていた。

そんな中、「翁軒」の隣には、地元ラジオ局のサテライトスタジオになっていて、公開生放送がちょうど行われていた。

なんだか、不思議な商店街だ。

高校時代は、ちょっとダサくてあまり寄り付かなかったエリアだが、歳をとるとこういう商店街が愛おしくなってくる。

表町商店街と交差する西大寺商店街に入ると、昔懐かしい感じの喫茶店が何軒も並んでいた。

地下高騰と安いコーヒーショップに押され、東京ではこういうレトロな喫茶店がどんどん姿を消している。

シニアにはこんな地方都市が暮らしやすいのかもしれない。

そんなことを考えながら、レトロな商店街を歩いた。

親の介護で規制する回数が今度増えるだろうが、こうしたレトロな店を一つずつ訪ねてみるのも、きっと楽しい息抜きになるだろう。

空港からじっかに直行するのではなく、「GO TO トラベル」でホテルに宿泊したからこそ味わえた旅気分。

高校時代とは違う目で自分が育った街の良さを発見できた気がした。

帰りは、西大寺町の停留所から路面電車に乗った。

今度は、ヨーロッパでよく見かけるような2両編成の新型車両だった。

岡山もまんざら捨てたもんじゃないではないか。

2両編成は乗客もゆったり座れて、とてもいい。

路面電車って、地下鉄とも違う、バスとも違う、独特の旅情があるのだ。

岡山駅の終点に着くと、ちょっと変わった路面電車が停まっていた。

イギリス生まれのアニメ「チャギントン」を実車化した特別車両だそうだ。

詳しいことはわからないが、金曜から月曜までの1日2回、運行している観光電車で車内ではアニメの衣装を着たスタッフたちが外の人たちに手を振っている。

コロナ禍の中、みんな、いろいろ頑張ってるなと感じた。

自分が育った町ながら、私はあまりにも岡山のことを知らない。

それだけ、まだまだ楽しめることがたくさんあるということだ。

そう考えれば、親の介護も、楽しみながらできそうな気になってきた。

1件のコメント 追加

  1. dalichoko より:

    昔、岡山に出張している時期があったのでとても懐かしいです。
    天満屋を中心にバスとか出てますよね。
    (=^・^=)

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