厳冬のアイスランド&グリーンランド旅行まで残すところ10日となった。
心配される火山の噴火はその後ニュースが途絶えている。
ニュースがないということは良い知らせだと考えるほかはないだろう。

このところの冷え込みで、東京の紅葉もだいぶ進んだようで、井の頭公園の木々も見るたびに鮮やかな色に染まっていく。
今週は晴天が続き、比較的暖かな日が多いようだが、週末からは一気に気温が下がる予報が出ている。
「暖かいうちに買い物に行こうよ」
ベッドに横たわりグリーンランド関連のYouTubeを見ていると、妻がそう声をかけてきた。
冬のアイスランドとグリーンランド、なるべくなら暖かい服装で臨んだ方が身のためだと思い、滅多に服を買わない私がその気になっている。
これをチャンスと捉え、妻は私に新しい服を買わせようと考えたに違いない。
家族の集まりでいつも同じ服で写る私を妻は恥ずかしく思っているようだ。

吉祥寺にはどういうわけか、アウトドアの店が多くある。
私の家の近所にも、パタゴニアやジャック・ウルフスキンの店があるのだが、いろんなブランドの服を見られるという意味で、私が利用するのはヴィクトリア系列の「L-Brease」とコピスの中にある「石井スポーツ」である。
まずは家に近い「L-Brease」を訪れた。
地下のシューズ売り場に向かう。

人気のノースフェイスなどさまざまな靴が並んでいるが、果たしてどれが暖かいのか分からない。
そこで、店員さんに聞いてみた。
暖かくて、履いたり脱いだりが簡単で、滑りにくい靴。

暖かさについては個人によって感じ方に違いがあるが、滑りにくさで比べると、「驚きのグリップ力」と書かれたコロンビア社の「サップランド」がオススメだという。
試しに履いてみると、サイドにファスナーがついていて脱ぎ履きが楽で、実際に靴の中が暖かく感じる。
ズボッと履けるノースフェイスの靴も試してみたが、個人的にはコロンビアの方が合っているようだ。

「SAPLAND™ II WP OMNI-HEAT™ INFINITY」、2万2000円。
滑りにくい靴底に加えて、内側には張られた金色のライナーが保温性を高めるのだという。
メーカーのサイトを見ると、こんな説明が書いてあった。
優れた保温性で暖かな履き心地と、様々な路面コンディションに対応したグリップ力をもつ「SAPLANDシリーズ」のウィンターブーツ。
コロンビア公式サイトより
アッパーにはコーデュラファブリックを使用することで耐久性に優れ、防水仕様を施しており、どんな天気でも安心して着用することができます。ライナーには熱反射保温機能「オムニヒートインフィニティ」を搭載することにより、身体の熱を利用してシューズ内を暖かく保つ熱反射保温機能で通気性を損なうことなく、より効率よく体温を反射して瞬時に温めます。
ミッドソールやインソールには、軽量でクッション性を兼ね備えた素材を採用し、長時間の使用でも快適な履き心地を保ちます。サップランドコレクション最大の特徴であるアウトソールは、積雪や凍結のある厳しい状況下でも安全に歩行できるように開発されたヴィブラムオリジナルソールの「ヴィブラム・アークティックグリップ」を採用しており、-20℃でも硬化せず、細かい突起付きのラグ(凸部)が乾いた状態・濡れた状態のどちらの氷上でも摩擦力を利用して安定したグリップ力を発揮します。
「これでいいや」と即決し購入した。

続いて、パンツ。
こちらも店員さんの勧めもあり、コロンビアの「Mountains Are Calling™ Omni Heat™ Pant」(1万4850円)を選ぶ。
冬のトレッキングに最適な機能性とはき心地を兼ね備えたソフトシェルパンツ。
コロンビア公式サイトより
耐久はっ水(撥水)加工が施されたストレッチ性のある生地の裏側には、熱反射保温機能「オムニヒート」をダイレクトにプリントすることで保温性を高めました。サンプロテクション機能「オムニシェイド」が紫外線から肌を守り、はっ水(撥水)機能「オムニシールド」が小雨や泥汚れを弾いてくれるので、ストレスを感じずトレッキングを楽しめます。
テーパードシルエットのレギュラーフィットで足さばきも良く、裏地がないためパンツ内部がもたつかず快適なはき心地と動きやすさを実現しました。裾にはシューズのカット(高さ)に合わせてシルエットを変えられるガセットファスナー付き。膝部分には運動性を高めるためダーツを設け、足の上げ下げなどの動きにもスムーズに対応できるようにしました。
別にコロンビアの製品が好きというわけではなかったが、ダウンパンツのようにダボついた感じはなく、旅行には向いているのかなと思いこれに決めた。

ついでに、ダウンジャケットの下に着る薄いフリースのようなインナーを購入。
こちらはフィンランドのメーカー「ICEPEAK」のジップアップ フリース「BOONVILLE」(9240円)だ。
私が持っているフリースに比べて薄く、肌触りがとてもいい。
ちょっと触った感覚が他の商品とは違ったので、深く考えることなく直感で購入することにした。

私がまともな冬用のシャツを持っていないことを気にしている妻は、この際、長袖シャツも1枚買ったらと私に試着を迫る。
確かに夏用の長袖シャツはちょっと前に買ったが、冬用の厚手のものは長年買ったことがない。
そこで何枚か試着した中から、「Foxfire」というブランドのシャツを1枚買うことにする。
左右の両胸にジッパー付きのポケットがある「TS Zipper Shirt」(1万4080円)。
これなら胸ポケットに大事なパスポートを入れることもできそうだ。
調べてみると「Foxfire」は日本のブランドだそうで、もともとフライフィッシング用のベストから始まった会社らしい。

「衣食住」の衣にはお金をかけないというのが私のポリシーだったが、最近は少し考えが変わってきた。
たまにしか買わない衣服だからこそ、安物ではなく、必要な機能を備えたちゃんとした物を買おう。
今回の旅から帰れば、購入した衣服は普段使いするつもりだ。
ブーツはさすがに普段は必要なさそうだが、今後も冬の旅行に行く際には長く私の友となってくれるだろう。
ダウンジャケットは、30年ほど前スイスで購入した分厚い奴を持っていくつもりだ。
普段着ているダウンジャケットの上にこのひと回りサイズが大きいダウンを着れば、グリーンランドでも凍えることはないのではと思っている。
今まで持っていた服や小物を組み合わせて、極北の自然に立ち向かう。
これで寒さを凌げれば、寒さが苦手な私でも今後冬のヨーロッパへの旅が楽しめるようになるかもしれない。