ワクチンの接種券をもらいに武蔵野市役所に行った帰り、小さなパン屋さんに立ち寄った。
成蹊大学近くの五日市街道沿いにある「aoi」。
「お菓子とパンと吉祥寺キッシュ」のお店だそうだ。
吉祥寺駅からも三鷹駅からも離れていて決してロケーションがいいとは言えないこの場所で店を開いたのは2009年。
最初は吉祥寺の野菜に特化したキッシュのお店だったという。
とてもこじんまりとしたお店だった。
私が入ってきた音を聞きつけて、奥の厨房からご主人が登場した。
上の段に並んでいたのが、お店創業時からある看板商品「吉祥寺キッシュ」(389円)。
『野菜をたっぷり詰め込んで、焼き上げました。さくさくのパイと中のクリームが絶妙なバランスです!』
日によって中身の野菜が変わるのだろう、この日は「ブロッコリーとベーコンとドライトマト」という札が添えられていた。
下の段には、自家製のカレーパンやフレンチトースト。
豪華さはないがどれも美味そうで、しかも安い。
私はキッシュがあまり好きではないが、妻の好物なので「吉祥寺キッシュ」を一つ買うことにする。
当初キッシュで始めたお店も今ではパンの種類が増え、その中で私の目に止まったのが、4種類のフォカッチャだった。
これまた迷った末に、「のり塩れんこん」(184円)という渋い奴を選んだ。
『フォカッチャ生地に、れんこんと青のりとフルール・ド・セルをトッピングしました』
「フルール・ド・セル」はフランスゲランドなどの塩田で取れる良質な塩のことで、私の大好物だ。
そしてもう一つ、この店で一番数が出るという人気商品「豆乳ドーナツ」(141円)も買うことにした。
『豆乳の風味、コクを活かした甘さひかえめのあっさりしたドーナツ。また食べたくなる飽きのこない味です!』
店内には、素朴な感じの焼き菓子のセットも並んでいる。
値段も1000円前後と手頃なので、ちょっとしたプレゼントには使いやすいかもしれない。
実は、ご主人はかつて吉祥寺にあったドイツ菓子の名店「ゴッツェ」で修行した経験があるという。
「ゴッツェ」と言えば、妻が学生時代に住んでいたアパートの近くにあったお店で、その名前は私以上に妻にとって思い出深いだろう。
「aoi」はオリジナルにこだわり、決して「ゴッツェ」の伝統を引き継ぐお店ではないが、チーズケーキの材料や洋菓子のところどころにそのノウハウが散りばめられているという。
なんとなくあったかい印象を与えるお店だと感じた。
買った商品は、こんな感じで渡された。
お皿の上に並べてみる。
なかなか美味そうだ。
「吉祥寺キッシュ」(389円)。
3分の2を妻にあげて、私も一口食べてみた。
ふわっとやさしい味が口の中に広がる。
キッシュが好きではない私にも、悪くないと思えた。
続いて「のり塩れんこん」のフォカッチャ(184円)。
どんなものやらさっぱりイメージがわかなかったが、緑の青のりに覆われているところにれんこんの輪切りが隠れていた。
当然のことながら、シャキシャキした食感が心地よい。
フルール・ド・セルは期待したほどの存在感はなく、まあ想定の範囲内という感じだろうか。
そして、デザートに「豆乳ドーナツ」(141円)をいただく。
見た目よりも硬めで、サクサクとした歯応えがある。
甘さひかえめでこれまたやさしい味わいだった。
有名店ひしめく吉祥寺のパン屋さんの中で、非常に好感を抱かせるお店だと思う。
食べログ評価3.54、私の評価は3.50。
「aoi お菓子とパンと吉祥寺キッシュ」 電話:0422-37-0625 営業時間:10:00~18:00 定休日:火曜 https://www.facebook.com/aoikichijoji/